
冬が来る前に「窓」を見直す|結露・冷気を減らす断熱対策と内窓のポイント
季節の暮らしシリーズ|秋 第2回
冬が来る前に「窓」を見直す
──冷気・結露を減らす住まいの寒さ対策
暖房をつけても足元が寒い。朝、窓が水びたしになっている。 その原因の多くは窓にあります。 本格的な寒さが来る前の秋が、手を打つのにちょうどいい時期です。
愛知中央不動産|住まいと暮らしのコラム
冬が来る前に、まず見る5つ
- 窓のサッシが「アルミ」か「樹脂」か「複合」かを見る
- ガラスが1枚(単板)か2枚以上(複層)かを確かめる
- 窓ぎわに立って、足元に冷気が流れていないか感じてみる
- 朝いちばんに、窓・サッシ枠の結露を確認する
- 窓まわりの壁・カーテン・木枠に、カビや黒ずみがないか見る
この5つで、住まいの寒さの原因がだいたい見えてきます。 記事の最後に、中古住宅の内見でそのまま使えるチェックリストを用意しました。
家の寒さは、どこから来るの?
家の寒さには壁・床・屋根なども関係しますが、 特に熱の出入りが大きくなりやすいのが窓やドアなどの開口部です。
開口部からの熱の出入り(数値で見る)
| 季節 | 開口部から出入りする熱の割合 |
|---|---|
| 冬(暖房時)に流出する熱 | 約58% |
| 夏(冷房時)に流入する熱 | 約73% |
出典:省エネルギー建材普及促進センター(出典:日本建材・住宅設備産業協会)。省エネルギー基準相当の住宅を前提とした試算例で、住宅の断熱水準・地域・間取りによって割合は変わります。
住宅の断熱に関する試算例では、冬の暖房時に住宅から流出する熱のうち約58%が開口部から。 そして夏の冷房時には、入ってくる熱の約73%が開口部からとされています。 壁や屋根には断熱材が入っていますが、窓はガラスを隔てて外気に接しているためです。
前提とする住宅の断熱水準によって数値は変わります。 部位ごとの内訳を示した別の計算例もあわせてご覧ください。
+ 部位別の内訳(別の計算例)を見る
熱が逃げる割合の計算例(数値で見る)
| 部位 | 逃げる熱の割合(%) |
|---|---|
| 窓などの開口部 | 48 |
| 外壁 | 19 |
| 換気 | 17 |
| 床 | 10 |
| 屋根 | 6 |
出典:住宅省エネルギー技術講習テキスト等に示された、平成4年省エネルギー基準レベルの住宅での計算例。上のグラフ(約58%)とは前提となる住宅の断熱水準が異なるため、数値も異なります。どちらの例でも、開口部が最も大きな割合を占める点は共通しています。
つまり我が家では? 窓の改修は、壁全体の断熱改修などに比べて工事範囲を絞りやすく、寒さや冷気の改善を体感しやすい場合があります。 しかも窓の断熱は夏の暑さにも効きます。寒さ対策は、まず窓から考えるのが効率的です。
+ 名古屋の冬の気温(平年値)を見る
名古屋の冬の気温(数値で見る)
| 月 | 日最高気温の平均 | 平均気温 | 日最低気温の平均 |
|---|---|---|---|
| 11月 | 17.3℃ | 12.6℃ | 8.6℃ |
| 12月 | 11.7℃ | 7.2℃ | 3.4℃ |
| 1月 | 9.3℃ | 4.8℃ | 1.1℃ |
| 2月 | 10.5℃ | 5.5℃ | 1.4℃ |
| 3月 | 14.5℃ | 9.2℃ | 4.6℃ |
出典:気象庁「名古屋(愛知県)平年値(年・月ごとの値)」1991〜2020年
窓によって、どれだけ違うの?
窓の断熱性能は熱貫流率(U値)という数字で表されます。 1㎡あたり、内外の温度差1℃につきどれだけ熱が伝わるかを示す値で、 数値が小さいほど熱を通しにくい=断熱性が高いという意味です。
開口部の仕様別熱貫流率(数値で見る)
| 建具とガラスの組み合わせ | 熱貫流率 W/(㎡・K) |
|---|---|
| 金属製建具+単板ガラス | 6.51 |
| 金属製建具+複層ガラス(A10以上) | 4.07 |
| 金属と樹脂の複合材料製建具+Low-E複層ガラス(G16以上) | 2.15 |
| 樹脂製建具+Low-E複層ガラス(G12以上) | 1.90 |
| 樹脂製建具+ダブルLow-E三層複層ガラス(G7以上×2) | 1.60 |
出典:省エネ基準の仕様基準で示されている「開口部の仕様別熱貫流率」(木造・地域区分により適用条件あり)。実際の性能は製品ごとに異なります。
いちばん熱を通しやすいアルミサッシ+単板ガラス(6.51)と、 樹脂サッシ+Low-E複層ガラス(1.90)を比べると、その差は約3.4倍。 三層ガラス(1.60)とでは4倍以上になります。
ポイントは、窓の性能がガラスだけでなく、サッシとガラスの組み合わせで決まることです。 アルミは熱を伝えやすい金属なので、ガラスを複層にしてもサッシから熱が逃げます。 アルミサッシ+単板ガラスのような従来型の窓に比べ、 樹脂サッシ+Low-E複層ガラスなどの高断熱仕様では、熱貫流率を大きく下げることができます。
※上の数値はサッシだけでなくガラスの仕様も異なるため、 「サッシの材質だけで何倍ちがう」という比較ではありません。
つまり内見では? ガラスの枚数だけでなく、サッシが何でできているかも性能を左右します。 ただし見た目や触った感触だけでは判別しにくい製品もあるため、 現地では枠の形状や冷たさを確認する程度にとどめ、 正確な仕様はメーカー名・型番・窓のラベル・建築時の仕様書で確認するのが確実です。
なぜ「窓ぎわだけ寒い」の?

エアコンの設定温度を上げても足元が寒い——その正体は コールドドラフトと呼ばれる現象です。
窓のそばの空気は、冷たいガラスに触れて冷やされます。 冷えた空気は重くなって下へ流れ、床の上を這うように部屋の中へ広がっていきます。 その結果、頭のあたりは暖かいのに足元だけ寒いという状態になります。
断熱性の低い窓ほどガラスの表面温度が下がるため、この流れは強くなります。 暖房を強くしても解決しにくいのは、原因が「暖房の弱さ」ではなく 「窓で冷やされた空気が生まれ続けていること」にあるからです。
ここまでのポイント
- 冬に逃げる熱の半分以上が、窓などの開口部からとなる試算例もある
- ガラスの枚数だけでなく、サッシの材質で性能が大きく変わる
- 足元の寒さは、暖房ではなく窓が原因のことが多い
結露はなぜ起きるの?

空気は、温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができます。 その空気が冷たいものに触れて冷やされると、含みきれなくなった水蒸気が水滴になります。 これが結露です。水滴になり始める温度を露点温度と呼びます。
たとえば室温20℃・湿度50%のとき、露点温度は約9.3℃。 窓ガラスの表面温度がこれを下回ると、結露が始まります。 湿度が60%なら約12.0℃、70%なら約14.4℃と、 湿度が高いほど、結露は起きやすくなります。
+ 湿度ごとの露点温度(結露が始まる温度)を見る
露点温度の早見表(数値で見る)
| 室温 | 湿度40% | 湿度50% | 湿度60% | 湿度70% |
|---|---|---|---|---|
| 18℃ | 4.2℃ | 7.4℃ | 10.1℃ | 12.4℃ |
| 20℃ | 6.0℃ | 9.3℃ | 12.0℃ | 14.4℃ |
| 22℃ | 7.8℃ | 11.1℃ | 13.9℃ | 16.3℃ |
出典:気温と相対湿度から露点温度を算出(Magnusの式による計算値)。実際の結露は表面温度・気流・材料によっても変わります。
名古屋の1月は、日最低気温の平均が1.1℃です。 断熱性の低いアルミサッシ+単板ガラスの窓は、表面温度が外気に近いところまで下がりやすいため、 朝の結露が起きやすくなります。
つまり我が家では? 結露を減らす道は2つあります。窓の表面温度を上げる(=断熱性の高い窓にする)か、 室内の湿度を下げる(=換気する・水蒸気を出しすぎない)か。 どちらか片方でも効果はありますが、両方やるといちばん確実です。
結露を放っておくとどうなる?
窓に流れた水滴は、サッシの下枠にたまり、カーテンや窓まわりの壁、 床との取り合い部分に染み込んでいきます。 そこはカビが育ちやすい環境になります(湿度と温度の条件は 夏シリーズ第4回「夏の虫とカビは『湿度』に注意」で解説しています)。
木製の窓枠や下地が長期間濡れ続けると、傷みや変色につながることもあります。 「毎朝拭くのが習慣になっている」という状態は、住まいからのサインと考えてください。
今日からできる対策は?
まず、お金をかけずにできること
- 発生した結露は早めに拭き取る──水分を長時間残さないことが、カビや窓まわりの劣化予防につながります
- こまめに換気する──室内の水蒸気を外に出します。24時間換気システムがある住宅では、スイッチを切らずに運転を続けてください
- 洗濯物の室内干しの場所を考える──室内干しは室内の湿度を上げるため、窓ぎわなど表面温度の低い場所で結露が発生しやすくなります
- 家具を窓まわりの壁から少し離す──空気が動かない場所に湿気がたまります
- 開放型の暖房器具に注意──石油ストーブ・ガスファンヒーターは燃焼によって水蒸気を出すため、結露しやすくなります。使用時は換気を
数千円〜数万円でできること
- 厚手のカーテン+床までの丈──窓からの冷気が床に流れ出るのを抑えます。丈が短いと足元へ流れ落ちます
- カーテンボックス/上部のすき間をふさぐ──カーテンの上から冷気が抜けるのを防ぎます
- ハニカム構造のスクリーン──空気層で断熱するタイプのブラインドです
- 窓用の断熱シート・すき間テープ──手軽ですが、貼り方や製品によって効果は変わります
※カーテンや断熱シートは、部屋への冷気の流れを抑える効果が期待できる一方、 窓とカーテンの間に冷たい空気がこもるため、ガラス面の結露自体はかえって増えることがあります。 朝はカーテンを開けて、窓まわりの空気を動かしてください。
内窓(インナーサッシ)はどう?

いま使っている窓の内側に、もう1つ窓を取り付ける方法です。 既存の窓を壊さずに施工でき、1部屋・1か所からでも工事できるのが特徴です。
- 断熱──既存窓との間に空気層ができ、窓まわりの熱の出入りを抑えられます
- 結露──室内側のガラス表面温度が上がるため、結露の軽減が期待できます
- 防音──二重になることで、外部の音が伝わりにくくなる効果も期待できます
- 注意点──窓の開け閉めが二度手間になること、既存窓の枠の状態によっては下地工事が必要になることがあります
効果の大きさは、既存の窓の性能・部屋の条件・製品仕様によって変わります。 「必ず〇〇円下がる」と言えるものではありませんので、 まずはいちばん寒い部屋、いちばん結露する窓から検討するのが現実的です。
補助制度について
断熱窓へのリフォームには、国の補助制度が用意されている年度があります。 2026年度は「住宅省エネ2026キャンペーン」として、 先進的窓リノベ2026事業(環境省)などが実施されています。
ただし、予算の上限に達すると受付が終了すること、 対象製品・工事内容・着工時期などに条件があることから、 必ず各事業の公式サイトで最新の情報をご確認ください。 自治体独自の制度が併用できる場合もあります。
また、内窓工事自体は1か所から検討できますが、補助制度を利用する場合は最低補助額などの要件があります。 先進的窓リノベ2026事業では、1申請あたりの合計補助額が5万円未満の場合は申請できません。 対象製品・工事箇所数を含めて、施工業者にご確認ください。
マンションで窓を替えるときの注意点は?
ここは特にご注意ください。分譲マンションの場合、 窓枠・窓ガラスは共用部分として扱われるのが一般的です (国土交通省のマンション標準管理規約でも、窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれないとされています)。 そのため、区分所有者が自由に交換できるわけではありません。
- 管理組合による計画修繕が基本──断熱・防音・防犯性能の向上を目的とした窓の改良は、管理組合が計画修繕として実施するのが原則とされています
- ただし、自費で工事が認められる場合もあります──管理規約によっては、管理組合が速やかに工事を実施できない場合などに、事前に申請し承認を受けたうえで、区分所有者の負担で改修できる規定が置かれています。複層ガラスへの交換、サッシ交換、内窓の設置などが例示されることがあります
- 内窓も「室内側だから必ず自由」とは限りません──管理規約・使用細則を確認し、着工前に管理会社・管理組合へご相談ください
- 近年は、管理組合として断熱改修を計画修繕に組み込む例も出てきています。長期修繕計画を確認してみてください
中古マンションを検討中の方は、購入前に管理規約と長期修繕計画を確認しておくと、 入居後にできること・できないことがはっきりします。この2つは私たちがお取り寄せできます。
中古住宅を買うとき、窓のどこを見る?
内見のときにその場で確認できる項目です。 前回の「日当たり」のチェックとあわせてどうぞ。
- サッシの材質──見た目や触った感触だけでは判別しにくい製品もあります。メーカー名・型番・窓のラベル、建築時の仕様書などが確認できれば、アルミ・アルミ樹脂複合・樹脂のどれかを調べられます。現地では、まず枠の形状や冷たさを確認する程度にしましょう(分からない場合は私たちがお調べします)
- ガラスの枚数──ガラスの端(サッシとの境目)をのぞくと、複層ガラスは2枚のガラスの間にスペーサーが見えます
- サッシ下枠のシミ・黒ずみ──長年の結露の跡です。過去の状態がそのまま残ります
- 窓まわりのクロスの浮き・カビ──特に北側の部屋、部屋の隅を見てください
- 窓枠(木部)の変色・柔らかさ──長期の結露や雨漏りのサインのことがあります
- 窓の開け閉めのスムーズさ、すき間風──閉めた状態で手をかざしてみてください
- 建築年と断熱の履歴──省エネ基準は段階的に強化されてきました。2025年4月1日以降に工事着手する原則すべての新築住宅で、省エネ基準への適合が義務化されています
- 断熱等性能等級・BELS等の表示──表示がある物件では、性能を数字で比較できます
- マンションなら管理規約・長期修繕計画──窓の扱いと、今後の改修予定を確認
私たちが物件を見るときは
窓は、サッシの枠を触ってみるのが手っ取り早い確認方法です。 冬場、アルミサッシは驚くほど冷たくなっています。 あわせて、サッシ下枠のシミと北側の部屋の壁を見ます。 ここに黒ずみがあれば、結露が続いていた可能性が高いためです。
そのうえで、「この物件は買ったあと、どこに手を入れるといくらで、どれくらい変わりそうか」まで 一緒に考えます。窓は1か所ずつ改善できるぶん、資金計画に組み込みやすい部分でもあります。
寒さ対策は、電気代にもつながります
窓の断熱を高めると、暖房で暖めた熱が逃げにくくなり、冷房で冷やした空気も逃げにくくなります。 つまり夏と冬の両方に効く投資です。
夏の電気代の内訳については、夏シリーズ 第2回「エアコンと電気代のリアル」で グラフとともに解説しています。あわせてご覧ください。
気になる物件があれば、新着の売買物件一覧から お気軽にお問い合わせください。
住まいのことは、地元の私たちに。
窓・断熱は、間取り図には表れない部分です。愛知中央不動産では、購入後のリフォームや補助制度も含めた住まい選びをご相談いただけます。
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季節の暮らしシリーズ|秋(全4回)
- 第1回:秋の内見は「日当たり」に注目
- 第2回:冬が来る前に「窓」を見直す(この記事)
- 第3回:日が短くなる季節は「防犯」に注意(近日公開)
- 第4回:年内に家を売るなら秋から準備(近日公開)
夏シリーズ(全4回)もあわせてどうぞ
