
秋の大掃除はどこから?年末までに終える場所別チェックリスト|季節の暮らし9月号
季節の暮らし 9月号
秋の大掃除、どこから手をつける?年末までに終える場所別チェックリスト
「大掃除は年末にまとめて」。そう決めていると、寒さと忙しさで結局やりきれないまま年を越しがちです。 名古屋の気温と降水量のデータを見ると、実は9月から11月は、大掃除を前倒ししやすい時期です。 この記事は「いつ・どこをやるか」を決める計画編です。 秋のうちに手をつけておきたい場所を、順番と目安時間つきのチェックリストにまとめました。 チェックリストは折りたたんでありますので、まずは流し読みで全体像をつかんでください。
愛知中央不動産株式会社 2026年9月 | 季節の暮らしシリーズ 第1回
この記事でわかること(30秒まとめ)
□ 秋に前倒しすると、気温が高く水仕事がラクで、油汚れも扱いやすい
□ 順番の原則は「上から下へ・奥から手前へ・減らしてから拭く」の3つだけ
□ 場所別チェックリストで、1日1か所ずつ片づければ年末はほぼ手ぶら
□ 賃貸では、掃除を怠った汚れが原状回復で借主負担と判断されることがある
□ 洗剤の併用と高所作業は、事故につながりやすいので手順を決めておく
※場所別のチェック項目は折りたたんであります。「+」の見出しをタップすると開きます。気象データは名古屋(気象庁の平年値)を使用しています。
なぜ「年末」ではなく「秋」に始めるといいの?
大掃除といえば12月、というイメージは根強いものです。ただ、実際に体を動かす立場で考えると、 12月はかなり条件の悪い月でもあります。理由は単純で、寒いからです。
名古屋の平均気温(1991〜2020年の平年値)を月ごとに並べると、その差がはっきりします。
データ表(数値で見る)
| 月 | 平均気温(℃) |
|---|---|
| 1月 | 4.8 |
| 2月 | 5.5 |
| 3月 | 9.2 |
| 4月 | 14.6 |
| 5月 | 19.4 |
| 6月 | 23.0 |
| 7月 | 26.9 |
| 8月 | 28.2 |
| 9月 | 24.5 |
| 10月 | 18.6 |
| 11月 | 12.6 |
| 12月 | 7.2 |
出典:気象庁「過去の気象データ・平年値(名古屋)」1991〜2020年の平年値をもとに作成(2026年9月時点)
10月は18.6℃、11月は12.6℃。これが12月になると7.2℃まで下がります。 掃除の多くは水を使う作業ですから、気温が10℃前後違うと、同じ作業でも負担がまったく変わります。 換気のために窓を開けたときの寒さも、11月と12月では体感が別物です。
つまり「年末にやる」と決めているだけで、実はいちばんつらい条件の月を自分で選んでいることになります。
油汚れは、気温が下がるほど手強くなる
キッチンの油汚れは、時間が経つほどホコリを巻き込んで固まっていきます。 さらに気温が下がると油脂は固まる方向に向かうため、一般に寒い時期ほど落としにくくなるといわれます。 逆に言えば、まだ気温が20℃前後ある9月から10月は、レンジフードや換気扇に手をつける条件としては悪くありません。 つけ置きに使うお湯も、冷めるまでの時間が冬より長く取れます。
同じ秋でも、9月と11月では雨の量がまるで違う
もうひとつ、外まわりの作業に効いてくるのが降水量です。名古屋の平年値を見ると、 9月は231.6mmで12か月のなかでもっとも雨が多い月。 それが10月は164.7mm、11月は79.1mmと、秋が深まるにつれて大きく減っていきます。
つまり同じ「秋」でも、月によって向いている作業が違うということです。 窓・網戸・ベランダ・玄関まわりのように「晴れが続く日にやりたい作業」は、 秋のなかでは雨の少ない11月に寄せると計画が立てやすくなります。 逆に9月は雨の日が多い前提で、キッチンや浴室など室内の作業に充てるのが現実的です。

+ 参考:名古屋の月別降水量(窓・ベランダを片づける時期の目安)
データ表(数値で見る)
| 月 | 降水量(mm) |
|---|---|
| 1月 | 50.8 |
| 2月 | 64.7 |
| 3月 | 116.2 |
| 4月 | 127.5 |
| 5月 | 150.3 |
| 6月 | 186.5 |
| 7月 | 211.4 |
| 8月 | 139.5 |
| 9月 | 231.6 |
| 10月 | 164.7 |
| 11月 | 79.1 |
| 12月 | 56.6 |
出典:気象庁「過去の気象データ・平年値(名古屋)」1991〜2020年の平年値をもとに作成(2026年9月時点)
「やるつもりだったのに、やらなかった」が起きやすいのが年末
年末の大掃除については、民間の調査でも興味深い数字が出ています。 ダスキンが2025年12月に発表した調査によると、2024年末は 「大掃除をする予定」と答えた人が69.3%だったのに対し、実際に行った人は51.1%でした。
データ表(数値で見る)
| 区分 | 割合(%) |
|---|---|
| するつもりだった人 | 69.3 |
| 実際にした人 | 51.1 |
出典:株式会社ダスキン「2025年 年末の大掃除に関する意識・実態調査」(2025年12月2日発表/2025年10月3〜4日実施・全国20歳以上の男女2,080人)をもとに作成
年末は仕事の追い込み、帰省の準備、年賀状、買い出しと、掃除以外の予定が一気に集中します。 そこに寒さが加われば、後回しになるのはむしろ自然なことです。
つまり大掃除を確実に終わらせたいなら、「年末にがんばる」より「年末までに終わらせておく」ほうが現実的です。
ここまでのポイント
・10月18.6℃・11月12.6℃に対して12月は7.2℃。水仕事の負担が大きく違う
・油汚れは気温が下がるほど固まりやすく、秋のほうが扱いやすい
・9月は名古屋で年間もっとも雨が多い月。外まわりは雨の少ない11月に寄せる
・年末は予定が集中し、「するつもりだったのにできなかった」が起きやすい
どこから手をつける?迷わないための3つの原則
「秋のうちにやろう」と決めても、いざ立ち上がると手が止まります。 やることが多すぎて、どこから始めればいいか分からなくなるからです。 順番で迷わないために、覚えておくと役に立つ原則は次の3つだけです。

原則1 上から下へ、奥から手前へ
掃除は、ホコリや汚れが重力に従って下へ落ちるという前提で組み立てると無駄がありません。 照明・エアコン上部・棚の上を先に片づけ、そのあとに壁、家具、最後に床という順です。 床を先に拭いてしまうと、あとから落ちてきたホコリでもう一度やり直すことになります。
同じ考え方で、部屋の中では奥から手前(出口方向)へ進めます。 一度きれいにした場所を踏み荒らさずに済むうえ、ゴミ袋を持って出るまでの動線が自然にできあがります。
原則2 「減らす → 出す → 拭く」の順に進める
掃除が終わらない原因の多くは、汚れではなく物の多さです。 洗剤を用意する前に、まず不要な物を選び分ける。次にそれを収納から出す。 そこまで済ませてから、はじめて拭く・洗うに入ります。
順番を逆にすると、物をどかしながら拭くことになり、作業が何倍にも膨らみます。 とくにキッチンの吊り戸棚、洗面台の下、押入れは、中身を全部出したほうが結果的に早く終わります。
つまり大掃除の前半は、掃除というより「仕分け」の時間だと思っておくと計画が狂いません。
原則3 1日1か所、まず90分で区切る
丸一日かけて家全体を、という計画は途中で息切れしがちです。 「今日は換気扇だけ」「今日は窓だけ」と1か所に絞り、時間もまず90分で区切る。 9月から11月には約13回の週末があります。毎週1か所ずつでも、十分に間に合う計算です。
下の早見表は、場所ごとのおすすめ時期と目安時間をまとめたものです。 ご家庭の予定に合わせて、埋められるところから入れてみてください。
表のなかには「2〜3時間」と書いた場所もありますが、通しでやりきる必要はありません。 たとえばキッチンなら「換気扇を外してつけ置きする日」と「コンロと壁を拭く日」のように、 2回に分けてしまって構いません。むしろ、つけ置きの待ち時間を別の日に回せるぶん、体は楽になります。
場所別・作業時期の早見表(目安)
| 場所 | おすすめ時期 | 目安時間 | 先にやること |
|---|---|---|---|
| キッチン(換気扇) | 9〜10月 | 2〜3時間 | つけ置き用の容器・お湯を用意 |
| キッチン(コンロ・シンク) | 9〜10月 | 1時間 | 調味料・洗剤を全部出す |
| 浴室 | 9〜10月 | 1〜2時間 | ボトル類を外に出して乾かす |
| 洗面所・トイレ | いつでも | 30分〜1時間 | 収納の中身を出して仕分け |
| 窓・サッシ・網戸 | 10〜11月 | 1〜2時間 | 晴れが続く日を選ぶ |
| ベランダ・玄関 | 10〜11月 | 1時間 | 排水口まわりの物をどける |
| エアコン・換気設備 | 9〜10月 | 30分〜1時間 | 暖房を使う前に済ませる |
| カーテン・照明 | 10〜11月 | 1〜2時間 | 洗濯表示を確認 |
| 押入れ・クローゼット | 10〜11月 | 30分(点検のみ) | 扉を全開にして風を通す |
| 不用品・粗大ごみ | 9〜11月 | 申込〜収集で数週間 | 自治体の受付方法を確認 |
【本編】場所別チェックリスト
ここからは場所ごとのチェックリストです。すべてをやりきる必要はありません。 「今年はここまで」と決めて、できた項目だけ□にチェックを入れていく使い方をおすすめします。
チェック項目は「+」の見出しをタップすると開きます。 まずは各場所の説明だけを流し読みして計画を立て、実際に掃除をする日に必要なところだけ開いてください。
なお、年末に大掃除をしたい場所として実際に挙げられているのは、次のような順番です。 手強い場所ほど上位に来ていることが分かります。
データ表(数値で見る)
| 場所 | 割合(%) |
|---|---|
| レンジフード・換気扇 | 26.1 |
| キッチン(換気扇を除く) | 15.3 |
| リビング・ダイニング | 15.2 |
| 窓・網戸 | 10.2 |
| 浴室 | 9.7 |
出典:株式会社ダスキン「2025年 年末の大掃除に関する意識・実態調査」(2025年12月2日発表/2025年10月3〜4日実施・全国20歳以上の男女2,080人)をもとに作成
① キッチン(9〜10月/2〜3時間)
秋の大掃除でいちばん優先度が高い場所です。油汚れが扱いやすい時期のうちに済ませておくと、 年末の負担が目に見えて軽くなります。
+ キッチンのチェックリストを見る(9項目)
□ レンジフードのフィルターを外して洗浄または交換する
□ レンジフード内部のファン(シロッコファン)を外せる範囲で洗う
□ コンロの五徳・受け皿・グリルを外してつけ置きする
□ コンロまわりの壁・天板の油汚れを拭き取る
□ シンクの排水口・ゴミ受け・排水トラップを洗う
□ 吊り戸棚とシンク下の中身を全部出し、期限切れ・使っていない物を処分する
□ 冷蔵庫の中身を整理し、庫内とドアパッキンを拭く
□ 冷蔵庫の背面・下のホコリを取る(放熱の妨げになります)
□ 電子レンジ・炊飯器・トースターの内部と受け皿を洗う
※レンジフードのファンは、機種によって取り外しの可否や手順が異なります。無理に外すと戻せなくなることがあるため、必ず取扱説明書を確認してください。外せない構造の場合や、油が厚く固まっている場合は、専門業者への依頼も選択肢になります。
② 浴室(9〜10月/1〜2時間)
気温と水温がまだ高い秋のうちがおすすめです。カビは気温が下がると活動が鈍りますが、 すでに根を張った黒カビは冬になっても消えません。 夏のあいだに増えたものを、この時期に一度リセットしておく発想です。
+ 浴室のチェックリストを見る(8項目)
□ シャンプー類・洗面器・イスをいったん全部外に出す
□ ドアの下部ルーバー(通気口)のホコリを取る
□ ゴムパッキン・コーキングの黒ずみに専用の洗浄剤を使う
□ 排水口のフタ・ヘアキャッチャー・封水筒を外して洗う
□ 浴室換気扇のカバーとフィルターのホコリを取る
□ 鏡のウロコ状の水垢を落とす
□ 天井を拭く(カビの胞子は天井から落ちてきます)
□ 浴槽エプロンが外せるタイプなら、内部を確認する
浴室で意外と見落とされるのが天井です。床や壁だけを掃除しても、 天井にカビが残っていると再発しやすくなります。柄付きのワイパーに乾いたシートを付け、 足元を安定させたうえで拭き取ってください。
③ 洗面所・トイレ(時期を選ばない/30分〜1時間)
+ 洗面所・トイレのチェックリストを見る(8項目)
□ 洗面台下の収納を全部出して、使っていない物を処分する
□ 洗面ボウルと蛇口まわりの水垢を落とす
□ 洗濯機の糸くずフィルター・洗剤投入口を洗う
□ 洗濯機の防水パンとホース周辺のホコリを取る
□ 洗濯槽クリーナーで槽内を洗浄する
□ トイレのタンク上・便器の裏側・床の巾木を拭く
□ トイレの換気扇のホコリを取る
□ 温水洗浄便座のノズルを、取扱説明書の手順で清掃する
④ 窓・サッシ・網戸・ベランダ(10〜11月/1〜2時間)
晴れが続きやすい11月に寄せたい作業です。窓まわりをきれいにしておくと、 これから始まる結露の季節にカビが出にくくなるという副次的な効果もあります。
+ 窓・サッシ・ベランダのチェックリストを見る(8項目)
□ 網戸を外して洗う(外せない場合はスポンジで両面から挟むように)
□ サッシレールの砂と綿ボコリを、掃除機とブラシで取る
□ サッシの水抜き穴(レール端の小さな穴)の詰まりを取る
□ ガラスを外側→内側の順に拭く
□ ゴムパッキンのカビと汚れを拭き取る
□ カーテンを洗濯表示に従って洗い、レールのホコリを取る
□ ベランダの排水口の落ち葉・砂を取り除く
□ エアコン室外機の周囲30cm程度に物を置かないよう整理する
サッシの水抜き穴は、たまった雨水を外へ逃がすための穴です。 ここが砂やゴミで詰まると、雨のときにレールへ水が残り、汚れやカビの原因になります。 綿棒や細いブラシで簡単に手当てできる場所ですので、この機会にぜひ。
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⑤ エアコン・換気設備(9〜10月/30分〜1時間)
冷房を使い終わり、暖房を使い始めるまでの端境期が唯一のチャンスです。 このタイミングを逃すと、次に手が空くのは春になります。
+ エアコン・換気設備のチェックリストを見る(6項目)
□ エアコンのフィルターを外して洗い、完全に乾かしてから戻す
□ 前面パネルと吹き出し口まわりを拭く
□ 冷房後の内部が湿っている場合は、送風運転で乾かす
□ 24時間換気の給気口(壁の丸い吸気口)のフィルターを掃除または交換する
□ 各部屋の換気扇・レンジフードの外気側フードにホコリが詰まっていないか見る
□ 暖房を実際に運転して、においや異音がないか確かめる
エアコン内部(熱交換器やファン)の洗浄は、市販のスプレーを使うと 故障や発煙につながるおそれが指摘されています。内部まで洗いたい場合は、 メーカーや専門業者への相談をおすすめします。なお暖房の試運転は、実際に寒くなる前に 済ませておくと、万一の不具合があっても修理の予約が取りやすくなります。
⑥ 玄関・照明・カーテン(10〜11月/1〜2時間)
+ 玄関・照明まわりのチェックリストを見る(7項目)
□ 下駄箱の中身を全部出し、履いていない靴を処分する
□ 下駄箱の中を拭き、しっかり乾かしてから戻す
□ 玄関のたたきを掃く(水を流す前に砂を取り除く)
□ ドアのドアクローザー・鍵まわりの動きを確認する
□ 照明のカバーを外してホコリを取る
□ 切れかけの電球・LEDを交換する
□ カーテンを洗い、レールと窓上部のホコリを取る
⑦ 押入れ・クローゼット(10〜11月/2〜3時間)
ここは次回10月号のテーマ「衣替え」と重なる場所です。 収納の中身をどう減らすか、どう増やすかは10月号でじっくり扱いますので、 9月のうちは「カビ・湿気の点検」だけ済ませておけば十分です。
+ 押入れ・クローゼットで9月にやることを見る(4項目)
□ 床・壁・天井にカビやシミがないか、扉を全開にして確認する
□ 湿気がこもる場合は、すのこを敷いて壁から数cm離す
□ 除湿剤の交換時期を確認する
□ 布団・毛布を天気のいい日に干す
※中身の仕分け・収納の増やし方は、次回10月号「衣替えはいつから?」でくわしく扱います。
⑧ 屋外まわり(戸建ての場合/10〜11月)
+ 屋外まわりのチェックリストを見る(5項目)
□ 雨どいに落ち葉が詰まっていないか、地上から見える範囲で確認する
□ 外壁や基礎に、目立つひび割れがないか歩いて見る
□ 給湯器の周囲に物を置いていないか確認する
□ 庭・駐車場の排水が滞っていないか、雨の日に見ておく
□ 物置や倉庫の中を整理する
屋根に上る作業はおすすめしません。 雨どいや屋根の点検で高所に上がる必要がある場合は、専門業者にご相談ください。 落ち葉の季節が本格化する前に、地上から見て気になる箇所を控えておくだけでも十分に意味があります。
⑨ 不用品・粗大ごみ(9〜11月に申し込む)
ここが秋に前倒しする最大のメリットかもしれません。 粗大ごみは多くの自治体で事前申し込みが必要で、申し込みから収集日までに日数がかかります。 年末は申し込みが集中しやすく、希望日に取ってもらえないことも珍しくありません。
+ 不用品まわりのチェックリストを見る(6項目)
□ 処分したい大型の家具・家電をリストにする
□ 粗大ごみの申し込み方法と手数料を自治体のページで確認する
□ エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象のため別扱いになる
□ パソコン・小型家電の回収方法を確認する
□ まだ使える物は、譲る・売るの選択肢も検討する
□ 収集日は年末年始に変更が入ることがあるため、自治体の案内を確認する
つまり秋のうちに申し込みだけ済ませておけば、年末は「出すだけ」の状態にできます。
賃貸にお住まいなら「原状回復」の視点も
ここからは、不動産会社として少しだけ違う角度からお伝えしたいことです。
賃貸住宅を退去するときの費用負担については、国土交通省の 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」が判断のよりどころとして広く参照されています。 このガイドラインでは、経年変化や通常の使用による損耗は原則として貸主の負担とされる一方で、 借主の手入れ不足によって生じた汚れは、借主の負担と判断されることが多いと整理されています。
+ 原状回復で借主負担になりやすい例を見る(4項目)
原状回復ガイドラインで「借主の負担になりやすい」とされている例
| 場所・汚れ | ガイドラインの考え方 | 日ごろの対策 |
|---|---|---|
| 台所の油汚れ | 「使用後の手入れが悪くススや油が付着している場合は、通常の使用による損耗を超えるものと判断されることが多い」とされています。 | 調理のたびに天板を拭く。換気扇フィルターは季節ごとに交換または洗浄。 |
| 浴室・トイレ・洗面台の水垢やカビ | 「使用期間中に、その清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合は、賃借人の善管注意義務違反に該当すると判断されることが多い」とされています。 | 入浴後に換気を続ける。ゴムパッキンは早めに手当てする。 |
| 結露を放置したことによるカビ・シミ | 結露そのものは建物側の要因も多いとしつつ、「賃貸人に通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合」は通常の損耗を超えると判断されることが多い、とされています。 | 結露が続く場合は早めに管理会社へ相談し、拭き取りの記録を残す。 |
| ガスコンロ置き場・換気扇の油汚れ・すす | 「清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合は、賃借人の善管注意義務違反に該当すると判断されることが多い」とされています。 | 年1回はフィルターとファンまで手を入れる。 |
上記はガイドラインの考え方であり、法律そのものではありません。 実際の負担区分は、賃貸借契約書の特約の内容、入居時の状態、居住年数などによって個別に判断されます。 気になる点がある場合は、管理会社やオーナーにご確認ください。
つまり秋の大掃除は、気持ちよく暮らすためだけでなく、将来の退去費用を抑える手当てにもなり得ます。とくに換気扇の油汚れと水まわりのカビは、放置した年数がそのまま結果に出やすい場所です。
安全に進めるための注意点
洗剤は「混ぜない」だけでなく「続けて使わない」
塩素系の洗浄剤と酸性タイプの洗浄剤が混ざると、有害な塩素ガスが発生します。 これは容器に「まぜるな危険」と表示されている、よく知られた注意点です。
ただ、国民生活センターが2026年3月に公表した資料では、 意図して混ぜなくても事故が起きていることが指摘されています。 浴室での再現テストでは、スプレータイプの塩素系洗浄剤と酸性洗浄剤を同時に使用した場合、 2〜3分後には塩素ガスの濃度が16ppmを超えたと報告されています。 また、排水トラップの中に前に使った洗浄剤の成分が残っていると、 続けて別の洗浄剤を使ったときにトラップ内で混ざってガスが発生するおそれがある、とされています。
大掃除のときこそ注意が必要です。 「まず塩素系でカビを落として、次にクエン酸で水垢を」といった連続作業は、 同じ場所で短時間に別の洗剤を使うことになります。 洗剤を切り替えるときは、その前に十分に水で流し、換気を続けてください。 同じ日に別の洗剤を使う場合も、間隔を空けるほうが安全です。

高いところの作業は、無理をしない
東京消防庁の資料によると、令和5年中、東京消防庁の管内では 掃除中の事故で899人が救急搬送されており、 そのうち多くは60歳以上、そして12月に多く発生していると示されています。
照明のカバー、エアコンの上、吊り戸棚、カーテンレールなど、 大掃除では普段は上らない高さに手を伸ばす場面が増えます。
高所作業のときに決めておきたいこと
・椅子やベッドの上ではなく、脚立や踏み台を使う
・脚立は完全に開いて、ロックがかかっていることを確かめる
・できるだけひとりで作業しない(誰かに支えてもらう)
・手すりや壁に体を預けられる位置で作業する
・少しでも不安を感じたら、その場所は業者に任せる
掃除のついでにやりたい「住まいの点検」

大掃除は、普段は見ない場所を見る数少ない機会です。 せっかく手を入れるなら、汚れを落とすだけでなく、住まいの状態を確かめる時間にしてしまいましょう。
掃除のついでにチェックしておきたい箇所
・水まわりの配管の付け根に水滴やサビがないか
・壁や天井に、原因の分からないシミが広がっていないか
・窓の結露が特定の部屋だけ極端に多くないか
・建具(ドア・引き戸)の動きが以前より重くなっていないか
・床に沈む感じや、きしむ場所が増えていないか
・給湯器の設置年(本体のシールで確認できることがあります)
こうした変化は、早く気づくほど選べる手立てが多くなります。 たとえば給湯器は、一般に10年から15年ほどで交換を検討する時期といわれます。 突然使えなくなってから慌てるより、秋のうちに設置年を確認しておくほうが落ち着いて判断できます。
また、将来的に売却や住み替えを考えている場合、日ごろの手入れの積み重ねは物件の印象に影響します。 とくに水まわりとキッチンは、内見でよく見られる場所です。 掃除の行き届いた住まいは、それだけで「大事に使われてきた家」という印象につながります。
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「この汚れは自分で落とせる?」「そろそろ住み替えたほうがいい?」といった段階のご相談も歓迎です。名古屋市を中心に、売買・賃貸・管理まで地域密着で対応しています。
よくあるご質問
Q. 秋に大掃除をすると、年末までにまた汚れませんか?
A. 生活していれば汚れは戻りますが、秋に落とすのは「積み重なった汚れ」です。換気扇の固まった油や浴室の黒カビは、数か月で元通りになるものではありません。秋に土台をリセットしておけば、年末は表面を拭く程度で済みます。
Q. 結局、いちばん最初にやるべき場所はどこですか?
A. ひとつ選ぶならキッチンの換気扇です。もっとも時間がかかり、気温が下がるほど落としにくくなるため、秋に前倒しする効果がいちばん大きい場所です。調査でも、年末にやりたい場所の1位に挙げられています。
Q. 共働きで週末しか時間がありません。どう進めればいいですか?
A. 「1日1か所・まず90分」を目安に、週末ごとに1か所ずつ進める方法が現実的です。9月から11月には約13回の週末があります。すべての場所をやろうとせず、早見表から今年やる場所を5つだけ選ぶところから始めてみてください。
Q. 賃貸ですが、どこまで自分でやるべきでしょうか?
A. 日常的な清掃は借主が行うのが一般的です。一方で、設備の故障や建物側の不具合が疑われる場合は、自己判断で分解せず管理会社やオーナーに連絡してください。どちらの負担になるかは契約内容によって異なりますので、まずはご相談を。
Q. プロに頼むとしたら、どこを頼むのが効率的ですか?
A. 調査ではエアコンとレンジフード・換気扇が上位に挙がっています。いずれも内部まで分解する必要があり、自分でやると時間がかかるうえに故障のリスクもある場所です。年末は予約が取りにくくなる傾向があるため、依頼を考えている場合は早めの相談をおすすめします。
Q. 粗大ごみはいつまでに申し込めばいいですか?
A. 自治体によって受付の混み具合や年末年始の収集日程が異なります。年末は申し込みが集中しやすいため、11月中の申し込みを目安に、お住まいの自治体の案内をご確認ください。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、粗大ごみとは扱いが異なります。
まとめ
秋の大掃除を、もう一度整理します。
この記事のまとめ
・名古屋の平年値では10月18.6℃・11月12.6℃に対し12月は7.2℃。水仕事の負担が大きく違う
・降水量は9月231.6mm→11月79.1mm。室内は9月、外まわりは11月に振り分ける
・2024年末は「する予定」69.3%に対し実施は51.1%。年末は予定が崩れやすい
・順番の原則は「上から下へ・奥から手前へ・減らしてから拭く」の3つ
・「1日1か所・まず90分」で区切り、長い場所は2回に分ければ秋の週末で足りる
・賃貸では、手入れ不足による汚れが借主負担と判断されることがある
・洗剤は混ぜないだけでなく、連続して使わない。高所は無理をしない
・粗大ごみは秋のうちに申し込みを済ませ、年末は出すだけの状態に
全部やろうとしなくて大丈夫です。この記事のチェックリストから、 今年やる場所を5つだけ選んでみてください。 それだけでも、12月の景色はずいぶん変わるはずです。
次回予告
10月号 衣替えはいつから?収納スペースを増やす片づけのコツ
この記事で後回しにした「押入れ・クローゼットの中身」を、次回はじっくり扱います。名古屋の気温の推移から衣替えのタイミングを決める考え方と、収納を増やすのではなく減らして回すための整理のコツをまとめる予定です。
公開しだい、この記事からもリンクします。
なお、それでも年末に持ち越してしまった分をどう片づけるかは、 12月号「大掃除を2日で終わらせる」で扱います。 この記事が「いつ・どこをやるか」を決める計画編、12月号が「今日と明日でどう終わらせるか」の実践編、 という役割分担です。
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・2月 花粉シーズン前にやること 換気・掃除・空気清浄機の使い方
・3月 引越し繁忙期はいつ?費用を抑える時期と引越し準備のコツ
・4月 新生活で片づく家にする「いる・いらない」と収納場所の決め方
・5月 GWにチェックしたい家のメンテナンスと住まいの点検リスト
・6月 梅雨のカビ対策 お風呂・押入れ・窓の場所別予防法
・7月 名古屋の猛暑を室内で乗り切る電気代を抑える暑さ対策
・8月 台風前に家のここを確認 窓・ベランダ・雨どいの備え

