
住宅用火災警報器は10年で交換 暖房器具を出す前の冬支度
季節の暮らし 冬支度編 第2回
住宅用火災警報器は10年で交換 暖房器具を出す前の冬支度
そろそろストーブやヒーターを出す時期です。 その前に、天井についている住宅用火災警報器を見上げてみてください。 いつ付けたものか、覚えていらっしゃるでしょうか。 本体の寿命はおよそ10年。設置が義務づけられたのは古い住宅でも2011年6月までですから、 一度も交換していなければ、すでに寿命を超えている可能性があります。 この記事では、警報器の点検と交換の見方、そして暖房器具を出すときの点検をまとめました。
愛知中央不動産株式会社 2026年10月 | 季節の暮らし 冬支度編(全4回)
この記事で紹介する、今日からできること
□ 住宅用火災警報器のボタンを押すか、ひもを引いて音が鳴るか確かめる
□ 設置から10年を目安に本体ごと交換する(設置時期が分からない場合は、製造年や交換期限を確認)
□ 暖房器具を出すときに、電源コードとほこりを点検し、可燃物との距離をとる
※本記事は公表資料をもとに一般的な情報を整理したものです。設置義務の詳細はお住まいの市町村の条例により異なります。製品の取り扱いは、必ず各製品の取扱説明書をご確認ください。
今日からできる3つのこと
理由は後ほど説明しますので、まずやることだけを先にお伝えします。 どれも数分で終わります。
1 ボタンを押して、音が鳴るか確かめる
名古屋市消防局の案内では、点検方法は 「通常時に本体から下がっているひもを引くかボタンを押したとき、警報音若しくは音声が鳴れば正常です」 とされています。愛知県も、少なくとも半年に1回の点検をすすめています。
鳴らなければ、まず電池がきちんとセットされているかを確認します。 それでも鳴らない場合は、電池切れか本体の故障です。
2 設置から10年たっていないか確かめる
交換の目安は設置から10年です。 設置した時期が分からなければ、本体の表示や取扱説明書で製造年や交換期限を確認しましょう。 表示の位置は製品によって異なります。 高い場所で確認しづらい場合は、無理をせず家族や管理会社に相談してください。
名古屋市の案内では、住宅用火災警報器は 「概ね10年で機器ごと交換が必要です」とされています (製品によっては5年のものもあります)。 電池だけを替えても、本体の電子部品は同じだけ年数が経っています。
3 暖房器具は、出すときに点検する
しまってあった暖房器具は、ほこりをかぶっています。 スイッチを入れる前に電源コードとプラグ、本体の状態を見て、 置き場所は壁や可燃物との距離をとる。 くわしい点検項目は第4章にまとめました。
まず今日は 警報器のボタンを押して音を確かめる。 そして設置から10年たっていないかを確かめる。 設置時期が分からなければ、製造年や交換期限を見てください。
なぜ10月のうちなのか
暖房器具の事故は、11月から増えて12月がピーク
製品事故を扱う独立行政法人NITE(製品評価技術基盤機構)が2025年10月に公表した資料では、 2020年から2024年までの5年間に通知された主な暖房器具の事故は596件。 内訳は石油暖房器具が263件、電気暖房器具が208件で、合わせて約8割を占めています。
データ表(数値で見る)
| 区分 | 事故件数(件) |
|---|---|
| 石油暖房器具 | 263 |
| 電気暖房器具 | 208 |
出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「ストーブとの程よい距離感が大切です」(2025年10月30日公表)をもとに作成。2020年から2024年までの5年間にNITEに通知された主な暖房器具の事故を集計したものです。
同じ資料では、事故の発生は 「11月頃から事故発生件数が大きく増加して12月がピークとなり」、 その後4月にかけて徐々に減ると説明されています。 死亡事故は、電気暖房器具で18件(19人)、石油暖房器具で45件(51人)と報告されています。
つまり暖房器具を使う日が増える前に、10月のうちに警報器と暖房器具を点検しておきましょう。
住宅火災で亡くなる方の4人に3人は65歳以上
消防庁がまとめた令和6年の火災の状況では、住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)は 1,030人。そのうち65歳以上が779人で、75.6%を占めています。
+ 参考:住宅火災で亡くなる方の年齢
データ表(数値で見る)
| 区分 | 人数(人) |
|---|---|
| 住宅火災の死者 | 1,030 |
| うち65歳以上 | 779 |
出典:総務省消防庁「令和6年(1〜12月)における火災の状況(確定値)」(令和7年11月25日公表)をもとに作成
住宅用火災警報器があると、どう違うのか
消防庁は、令和2年から令和5年までの4年間の失火を原因とした住宅火災を分析した結果として、 住宅用火災警報器が設置されている場合は 「死者数と損害額は半減、焼損床面積は約6割減した結果となりました」と説明しています。
同じ資料では、警報器の「寿命は10年とされています」として、 「設置後10年を目安に交換しましょう」と案内されています。
出典:総務省消防庁 「住宅用火災警報器を設置しましょう!」(消防庁予防課)
ここまでのポイント
・暖房器具の事故は11月から増え、12月がピーク
・住宅火災の死者1,030人のうち779人(75.6%)が65歳以上
・警報器があると「死者数と損害額は半減、焼損床面積は約6割減」と消防庁が説明している
住宅用火災警報器を点検する
名古屋市では、台所にも必要です
ここは意外と知られていないところです。 消防法で全国共通に義務づけられているのは、基本的に寝室と、寝室がある階の階段です。 ただし市町村の火災予防条例で、台所などへの設置が義務づけられている場合があります。
名古屋市は、台所にも設置が必要とされています。
名古屋市で住宅用火災警報器の設置が必要な場所
| 場所 | 設置の要否 | 補足 |
|---|---|---|
| 寝室 | 必要 | 寝室として使う子ども部屋を含みます。ふだん寝室として使わない客間などは対象外とされています。 |
| 階段 | 必要になる場合があります | 寝室のある階の階段の踊り場が対象です。階数や寝室の位置によって設置場所が異なります。 |
| 台所 | 必要 | 名古屋市の火災予防条例によるものです。 |
| 共同住宅の共用部(階段・廊下) | 住宅用火災警報器の設置対象ではありません | 専有部分の中が対象です。 |
※階段などへの設置は、階数や寝室の位置によって異なります。共同住宅では、既存の消防設備によって追加設置が不要な場合もあるため、不明なときは管理会社や消防署にご確認ください。
出典:名古屋市「すべての住宅に住宅用火災警報器の設置が必要です。」をもとに作成
2階建てで1階だけを寝室にする場合や3階建ての場合など、 階段への設置は建物の条件によって扱いが変わります。 迷ったときは、名古屋市消防局の案内か、お住まいの地域の消防署にご確認ください。
点検のしかた

+ 警報器の点検チェックリストを見る(6項目)
□ 本体から下がっているひもを引くか、ボタンを押す
□ 警報音または音声が鳴れば正常
□ 鳴らない場合は、まず電池がきちんとセットされているかを確認する
□ それでも鳴らなければ、電池切れか本体の故障。すぐに交換する
□ 本体表面のほこりを乾いた布で拭く(感知部をふさぐと働きにくくなります)
□ 少なくとも半年に1回は点検する(愛知県の案内による)
10年かどうかの見方
+ 交換時期の確認チェックリストを見る(5項目)
□ まず設置した時期を思い出す(10年たっていれば交換を検討)
□ 分からなければ、本体の表示や取扱説明書で製造年・交換期限を確認する(表示の位置は製品によって異なります)
□ 「自動試験機能付」の表示があるか確認する(故障を自動で知らせる機能があるタイプです)
□ 設置から10年たっていたら、電池だけでなく本体ごと交換する
□ 交換したら、本体に交換した年を書いたシールを貼る(次回の目安になります)
※製品によっては寿命が5年のものもあります。本体の表示をご確認ください。設置が義務づけられたのは、新築住宅で2006年6月、既存住宅でも遅くとも2011年6月までです。
「ピッ」という音が時々鳴る場合はご注意ください。 多くの製品では、電池切れや機器の異常を音や光で知らせる機能があります。 火災警報とは違う短い音が繰り返し鳴るときは、取扱説明書で意味を確認してください。 音がうるさいからと本体を外したままにすると、いざというときに働きません。
暖房器具を出すときの点検
使い始める前に、電源コードやプラグ、本体の変形・変色などを確認しましょう。 異常がある場合は使用を控え、メーカーや販売店にご相談ください。 NITEも、コードやプラグ、本体の異常、安全機能の作動、リコールの確認を点検項目として挙げています。
電気ストーブ・ヒーターを出すとき
+ 電気暖房器具の点検チェックリストを見る(6項目)
□ 電源コードに折れ、ねじれ、被覆の破れがないか見る
□ 電源プラグの刃に変形や焦げがないか、ほこりが付いていないか見る
□ 本体に変形・割れ・異音・異臭がないか確かめる
□ 転倒時に電源が切れる機能が働くか、取扱説明書の手順で確認する
□ リコールの対象になっていないか、型番でメーカーのページを確認する
□ コンセントまわりのほこりを取る(差したままのプラグも一度抜いて拭く)
石油ストーブ・ファンヒーターを出すとき
+ 石油暖房器具の点検チェックリストを見る(6項目)
□ 本体のほこりを取り除く
□ 対震自動消火装置が働くか、取扱説明書の手順で確認する
□ 去年の灯油は使わず、新しい灯油を使う
□ 給油口のふたを確実に締める(ゆるみが灯油漏れの原因になります)
□ 給油するときは必ず火を消してから行う
□ タンクやホースににじみ・変色がないか見る
距離をとる。そして、洗濯物を乾かさない

NITEの資料では、消費者へのアドバイスとして 「暖房器具と壁や可燃物との距離が十分に確保できているかを確認する(洗濯物は乾かさない)」 と示されています。
アンケートでは、焦げた可燃物として「衣類・タオル(干していた洗濯物も含む)」が 電気ストーブで121件、石油ストーブで85件挙げられています。 冬は洗濯物が乾きにくく、つい暖房器具の近くに干してしまいがちです。 落ちて接触する可能性も含めて、暖房器具の上と前には何も置かないと決めておくのが確実です。
必要な距離は製品によって異なります。取扱説明書に書かれた離隔距離をご確認ください。
※前回の記事でも触れましたが、脱衣所で暖房器具を使う場合はとくに注意が必要です。 狭い空間にタオルや衣類が近くにあり、浴室の湿気もあります。 置き場所と可燃物の距離を決めてから使い始めてください。
賃貸にお住まいの場合
ここからは、不動産会社として少しお伝えしたいことです。
「警報器は大家さんが付けるものでは?」と思われるかもしれません。 名古屋市消防局の案内では、設置義務について 「住宅の所有者、管理者又は占有者に設置義務があります」とされ、 さらに「賃貸住宅などは家主又は借家人の双方に設置義務があります」と説明されています。
つまり賃貸住宅では、貸す側と借りる側の双方に設置の義務があるという整理です。「どちらかがやってくれる」という前提で両方とも手を付けない、という状態がいちばん危険です。
実務の面では、設置そのものはオーナー側が行っている物件が多いのですが、 10年を超えた本体の交換を誰が行うかは、物件によって扱いが分かれます。 費用負担や手配の方法は賃貸借契約の内容にもよりますので、 まずは管理会社に状況を伝えるところから始めるのが確実です。
+ 賃貸でやっておきたいことを見る(5項目)
□ ボタンを押して音が鳴るかを自分で確かめる
□ 本体の製造年または交換期限を見る
□ 必要な場所に警報器があるか確認する(設置場所は第3章の表をご覧ください)
□ 鳴らない、10年を超えている、付いていない場合は管理会社に連絡する
□ 連絡した日と内容を記録に残しておく
※警報器の取り付けには天井や壁へのネジ留めを伴う場合があります。ご自身で設置・交換する前に、管理会社やオーナーへご確認ください。
住まいを選ぶとき、実家を見るとき
内見では、天井も見てください
内見では間取りや設備に目が行きますが、天井の警報器は数秒で確認できます。
+ 内見で見ておきたいことを見る(5項目)
□ 必要な場所に警報器があるか確認する(設置場所は第3章の表をご覧ください)
□ 本体に製造年または交換期限が見えるか
□ キッチンのコンロまわりに防熱の処理がされているか
□ ブレーカーの分電盤が古くないか、容量に余裕があるか
□ コンセントの数と位置(足りないと延長コードに頼ることになります)
離れて暮らすご家族の家こそ
住宅火災で亡くなった方の75.6%は65歳以上でした。 そして警報器は、鳴らなくなっていても気づきにくい設備です。
帰省される予定があれば、ボタンを押して音を確かめるだけでも意味があります。 数分で終わりますし、10年を超えていれば本体を買って取り付けることもできます。
+ 帰省のときに見ておきたいことを見る(5項目)
□ 警報器のボタンを押して音を確かめる
□ 設置から10年たっていないか確認する(設置時期が分からなければ、製造年や交換期限を確認)
□ 必要な場所に警報器があるか確認する(設置場所は第3章の表をご覧ください。名古屋市以外は、その市町村の条例によります)
□ 暖房器具の電源コードが古くなっていないか見る
□ 暖房器具のまわりに洗濯物や新聞紙が置かれていないか確かめる
よくあるご質問
Q. 警報器はどこで買えますか。自分で取り付けられますか?
A. 家電量販店やホームセンター、インターネットなどで購入できます。多くの製品は電池式で、ネジや付属の金具で天井や壁に取り付ける形です。ただし賃貸住宅の場合、天井や壁へのネジ留めについては事前に管理会社やオーナーへご確認ください。
Q. 電池だけ交換すればいいのでは?
A. 消防庁は「設置後10年を目安に交換しましょう」と案内しています。電池を替えても、本体の電子部品は同じ年数が経っているためです。名古屋市も「概ね10年で機器ごと交換が必要」としています。電池切れの際に設置から10年以上たっている場合は、本体ごとの交換をご検討ください。
Q. 名古屋市では、台所にも本当に必要ですか?
A. 名古屋市消防局の案内では、寝室・寝室のある階の階段の踊り場に加えて、台所にも設置が必要とされています。設置義務の範囲は市町村の火災予防条例によって異なりますので、名古屋市以外にお住まいの場合は、お住まいの市町村の消防本部にご確認ください。
Q. 賃貸なのですが、警報器は大家さんの負担ですか?
A. 名古屋市消防局は「賃貸住宅などは家主又は借家人の双方に設置義務があります」と説明しています。実務上は設置をオーナー側が行っている物件が多いのですが、10年を超えた本体の交換を誰が行うかは物件によって扱いが分かれます。費用負担は賃貸借契約の内容にもよりますので、まずは管理会社にご相談ください。
Q. 去年の灯油が残っています。使っても大丈夫ですか?
A. NITEの資料では、石油暖房器具について新しい灯油を使うことが点検項目として挙げられています。古い灯油は不具合の原因になることがあるとされています。処分の方法は購入した販売店にご相談ください。
Q. 暖房器具は壁からどれくらい離せばいいですか?
A. 必要な距離は製品によって異なりますので、取扱説明書に書かれた離隔距離をご確認ください。共通して言えるのは、暖房器具の上と前には何も置かないことと、洗濯物を乾かさないことです。
まとめ
覚えておきたい4つ
・ボタンを押すか、ひもを引いて、音が鳴るか確かめる
・設置から10年を目安に本体ごと交換する(分からなければ製造年を確認)
・名古屋市では台所にも設置が必要。階段などの設置条件は第3章で確認する
・暖房器具は出すときに点検し、上と前には何も置かない
全部やろうとしなくて大丈夫です。 まずは今日、警報器のボタンを1回押してみるところから。 正常に作動しない場合は、そのままにせず、 取扱説明書に沿った確認や交換、管理会社への連絡につなげてください。
次回予告
冬支度編 第3回 名古屋でも凍る朝はある 給湯器と水まわりの冬支度
火まわりの次は水まわりです。次回は名古屋の冬の最低気温のデータをもとに、給湯器や配管が凍るとどうなるか、凍結を防ぐためにできること、そして給湯器の寿命と交換のタイミングをまとめます。
公開しだい、この記事からもリンクします。

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・第1回 ヒートショック対策は冬の前に 脱衣所とお風呂の寒さを見直す
▶ 第2回 住宅用火災警報器は10年で交換 暖房器具を出す前の冬支度
・第3回 名古屋でも凍る朝はある 給湯器と水まわりの冬支度
・第4回 年末調整で住宅ローン控除 10月から11月にやること
