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屋根リフォーム、いくらかかる?塗装・カバー工法・葺き替えの費用相場を比較

リフォーム

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

宅地建物取引士  不動産業界キャリア15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

屋根の色があせて、ところどころコケが生えている。台風のあと、棟の板金が浮いていると言われた。屋根は自分では見えにくい場所だからこそ、「塗ればいいのか、全部替える必要があるのか」と判断に迷いやすいものです。

この記事では、30坪前後の木造2階建て(スレート屋根)を例に、「塗装」「カバー工法(重ね葺き)」「葺き替え」の3プランに分けて、費用・工期の目安と選び方、工事前に確認しておきたいことをまとめました。

費用・工期の目安

費用

約40〜80万円

屋根塗装・30坪前後・足場込み、税込

工期

10日〜2週間程度

雨天などで延びることがあります

カバー工法なら約80〜160万円、葺き替えは約100〜200万円が目安です(第1章)。

目次

  1. 3つの工事プランと費用
  2. 屋根リフォームの選び方(屋根材の種類と重さ)
  3. 工事前の確認(屋根材の状態・下地と雨漏り・石綿と足場)
  4. 外壁や雨樋も一緒に?
  5. 補助制度と火災保険
  6. マンション・賃貸・売却前の注意
  7. よくある質問とまとめ

1. 3つの工事プランと費用

築20年前後の、スレート屋根の木造2階建て(延床30坪前後、屋根面積およそ100〜120㎡)を例に、3つのプランを比べます。どのプランも、標準的な価格帯の材料を想定しています。

※画像は、工法による仕上がりの違いを分かりやすくするためのイメージで、施工の断面を示すものではありません。色や葺き方は仕上がりの一例です。カバー工法と葺き替えの違いは、既存屋根を残すか撤去するかであり、完成後の外観だけでは判別できません。

築20年前後を想定した、色あせやコケが目立つスレート屋根の施工前イメージ

▲ 築20年前後を想定した施工前イメージ。スレート屋根の色あせや、北側のコケが目立つ。

① 塗装

同じスレート屋根を塗り替えたイメージ

▲ 屋根材はそのままに、洗浄・下地補修をして塗り替え。

今の屋根材を活かし、高圧洗浄・下地補修をしたうえで、塗料を塗り重ねるプランです。屋根材そのものの割れや反りが少なければ、費用と工期をいちばん抑えられる方法です。

ただし、塗装は屋根材の表面を守るためのものです。屋根材の劣化が進んでいる場合や、雨漏りがある場合の解決策にはなりません。

② カバー工法(重ね葺き)

今の屋根の上にガルバリウム鋼板を重ね葺きしたイメージ

▲ 今の屋根の上に防水シートを敷き、ガルバリウム鋼板の屋根を重ね葺き。

今の屋根の上に防水シートを敷き、軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板など)を重ねて葺くプランです。既存の屋根を撤去しないため、解体費や廃材処分費を抑えながら、屋根を一新できます。既存屋根を残すため、施工後の屋根全体の重量は増えます。

ただし、下地(野地板)が健全であることが前提です。雨漏りがある、下地が傷んでいる場合は、重ね葺きだけでは解決できないため、調査と補修が先です。また、瓦屋根など凹凸の大きい屋根には、基本的に向きません。

③ 葺き替え

今の屋根材を撤去し、金属屋根に葺き替えたイメージ

▲ 今の屋根材を撤去し、防水シートを更新したうえで、金属屋根に葺き替えた一例。

今の屋根材を撤去し、防水シートを更新して、下地は状態に応じて補修・交換したうえで、新しい屋根材を葺くプランです。費用・工期ともに最も大きくなりますが、屋根の内側の傷みまで確認・補修できます。雨漏りや下地の傷みがある場合や、重い瓦屋根から軽い屋根に変えたい場合に候補になります。

プラン別の費用と工期の目安

※表は横にスクロールできます。

プラン 費用の目安(税込) 工期の目安 向いている人
① 塗装約40〜80万円10日〜2週間程度屋根材の傷みが少ない/費用を抑えたい
② カバー工法約80〜160万円1〜2週間程度下地が健全/屋根材の劣化が進んでいる
③ 葺き替え約100〜200万円10日〜3週間程度雨漏りや下地の傷みがある/屋根を軽くしたい

費用に含むもの(いずれも足場・飛散防止ネットを含む):

  • ① 塗装:高圧洗浄・下地補修・縁切り(タスペーサーなど)・塗装
  • ② カバー工法:防水シート・新しい屋根材・棟などの板金部材
  • ③ 葺き替え:既存屋根材の撤去処分・防水シートの更新・新しい屋根材と板金部材の施工

別途になりやすいもの:下地(野地板)の張り増し・交換、雨漏りの修理、雨樋の交換、天窓や太陽光パネルの脱着、石綿(アスベスト)を含む屋根材への対策、屋根の断熱改修。

※掲載費用は、補助金などを差し引く前の税込目安です。

※工期は目安です。雨の日は屋根の作業ができないため、天候によって延びることがあります。

※費用は、メーカーやリフォーム情報サイトの公開データ、弊社の施工実績をもとにした目安です。屋根の面積・勾配・形、屋根材の種類によって金額は大きく変わります。

2. 屋根リフォームの選び方(屋根材の種類と重さ)

屋根の工事は、今の屋根材と、新しく使う屋根材の組み合わせで選べる工法が変わります。まずは主な屋根材の特徴を知っておきましょう。

主な屋根材の種類と、重さ・手入れの違い

▲ 主な屋根材の種類と、重さ・手入れの違い。

※表は横にスクロールできます。

屋根材 期待耐用年数の目安 重さ 手入れの特徴
スレート(化粧スレート)20〜30年軽い商品ごとの維持管理方法に従って点検・補修。塗装の必要性は屋根材の種類と状態で判断。割れや反りが進むとカバー工法や葺き替えを検討
金属(ガルバリウム鋼板など)25〜40年とても軽いカバー工法でよく使われる。傷からの錆や、雨音対策を確認
セメント瓦30〜40年重い表面の塗装が必要。製造が終わった商品も多く、部分交換が難しいことも
日本瓦(陶器瓦)50年以上重い瓦自体の塗装は不要。漆喰や棟の補修、下地の点検が中心

※期待耐用年数は一般的な目安で、保証期間ではありません。立地や施工品質、商品によって変わります。

日本瓦は「塗る」より「点検と補修」

日本瓦は瓦そのものが長持ちするため、塗装は基本的に必要ありません。ただし、棟の漆喰や瓦の下の防水シートは年数とともに傷むため、瓦を一度外して下地を直し、同じ瓦を戻す「葺き直し」という方法もあります。瓦屋根に「塗装しましょう」と勧められた場合は、瓦の種類を確認してから判断しましょう。

屋根の重さと地震への備え

日本瓦は1㎡あたり約60kg、金属屋根は約5kgが一つの目安とされ、屋根が軽いほど地震のとき建物にかかる負担は小さくなります。ただし、耐震性は壁の量や配置など建物全体で決まるため、「屋根を軽くすれば大丈夫」とは言い切れません。古い住宅で地震が心配な場合は、耐震診断を受けてから屋根の工事内容を決めるのがおすすめです(第5章)。

3. 工事前の確認(屋根材の状態・下地と雨漏り・石綿と足場)

塗装で済むか、カバー工法や葺き替えが必要かは、今の屋根の状態で決まります。見積もりの前に、次の3点を確認しておきましょう。

屋根の工事前に確認する3つのポイント:屋根材の種類と状態・下地と雨漏り・石綿と足場

▲ 工法を決める前に確認する3つのポイント。

① 屋根材の種類と劣化の状態

  • 色あせ・コケ・カビ:点検のきっかけ。塗装が適するかは、屋根材と劣化の状態を確認して判断
  • スレートの割れ・反り・欠け:範囲が広い場合は、塗装よりカバー工法や葺き替えが候補に
  • 棟の板金の浮き・釘の抜け:強風で飛ばされるおそれがあるため、早めの補修を
  • 瓦のずれ・割れ、漆喰の崩れ:部分的な差し替えや補修で直る場合も多い

② 下地と雨漏りの有無

天井のシミや、小屋裏の木材の黒ずみがある場合は、屋根材の下の防水シートや下地(野地板)まで水が回っている可能性があります。下地が傷んでいる場合、塗装やカバー工法では解決しないため、雨漏りの原因を調べてから工法を決めます。屋根の上に上がらずに、写真やドローンで状態を確認できる場合もあります。

③ 石綿(アスベスト)と足場

2004年ごろまでに製造されたスレート屋根材には、石綿を含むものがあります。屋根材を解体・改修する工事では、事前の調査が法律で義務付けられています。含有が分かった場合は、葺き替えでは飛散対策や処分の費用が加わるため、カバー工法が選ばれることもあります。カバー工法でも、既存材の部分撤去や穴あけなど、作業内容によって事前調査・飛散防止対策が必要です。施工会社に確認してください。また、将来建物を解体するときには、重ねた屋根の下の石綿への対策が必要になります。

屋根の工事にも足場が欠かせません。太陽光パネルを載せている場合は、脱着の費用や、メーカー保証への影響も事前に確認しておきましょう。

現場から:「近くで工事をしている者ですが、屋根が浮いていますよ」と突然訪問され、屋根に上がったあとに高額な工事を勧められた、というご相談を受けることがあります。突然訪問してきた業者には、安易に屋根に上がらせないでください。屋根は自分で確かめにくい場所なので、その場で契約せず、信頼できる複数の会社に相談してから判断しましょう。

4. 外壁や雨樋も一緒に?

屋根の工事でも足場を組むため、外壁や雨樋の手入れを同時に行うかどうかが話題になります。

足場代は30坪前後の住宅で1回15万〜25万円ほどが目安で、屋根と外壁を別々の時期に工事すると、そのたびにかかります。外壁も塗り替えの時期が近いなら、同じ足場でまとめて工事すると総額を抑えやすくなります。屋根と外壁を両方塗り替える場合は、約120万〜200万円が一つの目安です。ただし、外壁の傷みが少なければ、無理に同時に行う必要はありません。

雨樋や破風板・軒天などの付帯部は、屋根の工事と一緒に塗装や交換をすると効率的です。雨樋の歪みや詰まりは、屋根から流れた雨水が外壁を伝う原因にもなるため、足場があるうちに確認しておきましょう。

外壁の費用については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

外壁リフォームの費用相場を見る →

5. 補助制度と火災保険

外壁と同じく、屋根の塗装や修繕だけを対象にした補助は名古屋市にはありません。ただし、耐震性や断熱性を高める工事の一部として屋根を工事する場合は、次の制度が関わることがあります。

名古屋市の木造住宅耐震改修助成

1981年(昭和56年)5月31日以前に着工した木造住宅で、無料耐震診断の結果が基準を下回った場合に、耐震改修工事費の一部が助成されます。

  • 助成額は工事費の5分の4以内で、一般世帯の一般改修は最大115万円(非課税世帯は最大165万円)です
  • 耐震改修の設計の中で、重い瓦屋根を軽い屋根に葺き替える工事が、補強方法の一つとして組み込まれる場合があります。通常の屋根修繕や、軽量化するだけで自動的に助成対象になるものではありません
  • 耐震診断・事前協議・補助金申請を経て、交付決定後に工事契約・着工する必要があります。屋根工事を契約する前に、名古屋市へ相談しましょう

屋根・天井の断熱改修(みらいエコ住宅2026事業)

葺き替えなどにあわせて、基準を満たす断熱材を屋根や天井に入れる「断熱改修」は、みらいエコ住宅2026事業の対象になる場合があります。塗装(遮熱塗料を含む)だけの工事は対象外です。居室1室で窓などの開口部と組み合わせる「要件化工事」が必要で、原則として2016年以前に建てられた住宅が対象です。対象になるかどうかは、見積もりの段階で確認しましょう。

自然災害による破損なら、火災保険を確認

台風や雹、大雪などで屋根が破損した場合は、加入している火災保険の補償対象になることがあります。ただし、経年劣化は対象外で、保険金は原則として「元の状態に戻す」ための費用です。屋根全体を新しくする工事の費用がすべて支払われるとは限りません。「保険金を使えば無料で直せる」と勧誘する業者とのトラブルも報告されているため、まずはご自身で保険会社に確認してください。

制度の内容は変わることがあるため、契約前に公式サイトで最新情報を確認してください。

6. マンション・賃貸・売却前の注意

分譲マンションにお住まいの方

マンションの屋上や屋根は共用部分で、防水工事などは管理組合が大規模修繕として行うのが一般的です。最上階で天井のシミなどが気になる場合は、管理会社や管理組合に相談しましょう。

賃貸住宅にお住まいの方・オーナー様

賃貸住宅の屋根は貸主が管理する部分です。雨漏りなどの不具合は、管理会社や大家さんに連絡してください。オーナー様にとっては、雨漏りは入居者の暮らしや建物の傷みに直結するため、定期的な点検で早めに手を打つと、大きな工事になるのを防ぎやすくなります。

売却前なら、工事を決める前に相談を

屋根の工事費用が、そのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。一方で、雨漏りは買主が特に気にする点で、知っている不具合は契約前に伝える必要があります。雨漏りを直してから売るか、状態を伝えて価格に反映して売るかを、工事を始める前に比較しておくと安心です。

売却査定を相談する →

7. よくある質問とまとめ

Q 最初の手入れは、いつ考えればよいですか?

A スレート屋根なら築10年前後が最初の手入れの目安です。そのほか、台風や大雨のあとに地上から棟や雨樋に変化がないかを見ておくと安心です。屋根に上がるのは危険なので、ご自身では上がらないでください。

Q 工事中も家に住んでいられますか?

A 住みながら工事できます。葺き替えでは、既存の屋根を外してから防水シートを敷くまでの間、雨に備えて養生しながら進めます。作業中は音や振動があるため、工程を事前に確認しておきましょう。

Q 金属屋根にすると雨音がうるさくなりませんか?

A 断熱材一体型の商品や、既存の屋根の上に重ねるカバー工法では、雨音が気になりにくい場合が多いです。気になる方は、商品の仕様を確認してから選びましょう。

Q 見積もりはどこを比べればいいですか?

A 合計金額だけでなく、屋根の面積、屋根材や塗料の商品名、防水シートの種類、棟などの板金部材、足場、下地を補修する場合の単価を比べましょう。「屋根工事一式」とだけ書かれた見積書は、内訳を確認すると安心です。

屋根リフォームの費用は、工法と屋根の状態で大きく変わります。塗装なら約40〜80万円、カバー工法は約80〜160万円、葺き替えは約100〜200万円が目安です(30坪前後・足場込み)。まず屋根材の種類と、雨漏りや下地の状態を確認し、「あと何年住むか」と合わせて工法を選ぶと、見積もりの比較がぐっと楽になります。

「うちの屋根は、塗装で大丈夫だろうか」と迷ったときは、ぜひ一度ご相談ください。屋根の状態を写真で確認したうえで、葺き替えまでしなくてもいい場合は、その理由も含めてお伝えします。

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参考・出典

※本記事の費用・工期は上記出典および弊社が取り扱った工事をもとにした税込の目安であり、屋根の面積・勾配・形、屋根材の種類と状態、足場の条件により変動します。メーカー価格は改定される場合があります。掲載画像は、工法による仕上がりの違いを分かりやすくするためのイメージ(施工断面ではありません)であり、実際の仕上がりは材料・色・建物の形・撮影条件により異なります。補助制度の内容は2026年11月時点の情報です。最新の情報は各制度の公式サイトでご確認ください。分譲マンションの屋根・屋上は共用部分のため、個人での工事はできません。賃貸住宅の場合は、賃貸借契約の内容をご確認のうえ、貸主・管理会社にご相談ください。

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