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年末調整の住宅ローン控除 2年目以降の書類と手続きの流れ

季節の暮らし

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

宅地建物取引士  不動産業界キャリア15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

季節の暮らし 冬支度編 第4回

年末調整の住宅ローン控除 2年目以降の書類と手続きの流れ

冬支度の最終回は、住まいのお金の話です。 住宅ローン控除は、初年度に確定申告が必要です。 勤務先で年末調整を受ける方は、2年目以降、年末調整で手続きできます。 10月から11月は、年末調整に向けて、今年使う書類やデータを確認しておきたい時期です。 紙の封筒で届く方もいれば、e-Taxにデータで届く方もいます。 この記事では、今年使う書類は何か、どう受け取るのかを整理しました。

愛知中央不動産株式会社 2026年10月 | 季節の暮らし 冬支度編(全4回)

冬支度編では、これまで ヒートショックと家の中の温度差、 住宅用火災警報器と暖房器具、 給湯器と水道管の凍結を扱ってきました。 最終回は、同じ「今のうちに確認しておくこと」でも、書類まわりの話です。

この記事で紹介する、いまやっておくこと

□ 勤務先の提出期限と、紙・電子どちらで提出するかを確認する

□ 今年分の控除申告書と、必要な年末残高の書類・情報を確認する

□ 見当たらない場合は、保管書類やe-Taxを確認し、早めに問い合わせる

※この記事は、主に勤務先で年末調整を受ける給与所得者の方に向けて、住宅ローン控除の2年目以降の手続きを説明しています。本記事は国税庁の公表資料をもとに一般的な流れを整理したものであり、適用の可否や個別の取扱いはご事情によって異なります。判断に迷う場合は、勤務先の担当部署、所轄の税務署、または税理士にご確認ください。

10月から11月にやること

先に、やることだけをお伝えします。難しい計算はまだ先です。

1 今年使う書類を、1か所にまとめる

年末調整で使うのは、税務署からの控除申告書と、 年末残高に関する書類または情報です。 紙で届く方もいれば、e-Taxにデータで届く方もいます。 紙の場合は、開封したらクリアファイル1枚にまとめておきます。

よくあるのが、「金融機関からの封筒はローンの案内だと思って置いたまま」というケースです。 中身は年末残高等証明書で、年末調整に必要な書類です。

+ 封筒の見分け方(3項目)

・税務署から 差出人が税務署。中身は横長の用紙が複数枚つづりになっていることが多い

・金融機関から 差出人が借入先の銀行など。「年末残高等証明書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」といった名称

・どちらも 「住宅」「借入金」「年末」といった言葉が入っていたら、年末調整で使う書類の可能性があります

2 2年目以降は、勤務先での手続き

国税庁の案内では、住宅ローン控除について 「最初の年分は確定申告により適用を受ける必要がありますが、2年目以降は年末調整の際に 適用を受けることができますので」と説明されています。

つまり初年度は確定申告が必要です。年末調整の対象となる給与所得者は、 2年目以降、勤務先で手続きできます。

とはいえ、封筒の中身をそのまま渡せばよいわけではありません。 必要事項を記入・入力し、必要な書類やデータとともに勤務先へ提出します。

3 見当たらないときは、早めに動く

届いていない、どこかにしまって見つからない。 この場合も手立てはあります。 まず勤務先の提出期限を確認し、書類が間に合わない見込みなら 早めに担当部署へ相談しましょう。

まず今日は 勤務先の提出期限と、紙・電子どちらで提出するかを確認する。 そのうえで、今年分の控除申告書と年末残高の書類・情報がそろっているかを見ておきます。

1年目と2年目以降で、手続きが違う

住宅ローン控除でいちばん混乱しやすいのが、ここです。


住宅ローン控除の手続きは、1年目と2年目以降で違います

1年目(最初の年)2年目以降
手続きの場所確定申告(税務署)年末調整(勤務先)
時期入居した翌年の確定申告期間毎年11月〜12月ごろ(勤務先の締切による)
主な書類確定申告書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、年末残高等証明書 など(取得の区分に応じた添付書類があります)今年分の控除申告書と、方式に応じた証明書・年末残高情報(紙または電子)
備考この申告をしないと、2年目以降の書類が届きません。還付申告の場合は翌年1月から提出できるとされています年末調整で受けずに、確定申告で受けることもできます

出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」、「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」をもとに作成

※必要な書類・情報は、証明書方式と調書方式で異なります。第3章で説明します。初年度の年末残高等証明書についても、調書方式では扱いが異なります。

1年目に確定申告をしていないと、2年目以降の書類が税務署から届きません。 入居した翌年の確定申告が、その後すべての年の出発点になります。

つまりもし「1年目の確定申告をしていない」という場合でも、還付申告という方法があるとされています。心当たりがあれば、所轄の税務署にご相談ください。

※確定申告の義務がなく還付申告をする場合は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています (国税庁「No.2030 還付申告」)。 すでに確定申告を済ませている場合などは、必要な手続きが異なります。 適用には要件がありますので、個別の可否は所轄の税務署にご確認ください。

住宅ローン控除の申告書だけは、自分で準備が必要です

年末調整では、扶養控除等申告書や保険料控除申告書など、いくつかの用紙を勤務先から渡されます。 住宅借入金等特別控除申告書だけは、勤務先からではなく税務署から本人に交付されます。

ほかの用紙と一緒に配られないので、「もらっていない」と思われがちなところです。

今年使う書類と受取方法を確認する

年末調整で使うのは、税務署からの控除申告書と、 年末残高に関する書類または情報です。

ただし受け取り方は人によって違います。 紙で届く方もいれば、e-Taxのメッセージボックスにデータで届く方もいます。 また、前の年までに税務署の書類をまとめて受け取っている場合は、 今年は新しく届きません。 「届いていない」と思ったら、まず保管している書類を探してみてください。


10月から11月にかけて届く書類

届く書類どこから届く時期の目安
年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書
兼 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
税務署書面:証明書方式は10月下旬頃、調書方式は入居2年目の11月下旬頃に残りの年分がまとめて届きます
電子交付(e-Tax):証明書方式は10月頃、調書方式は11月中旬頃
住宅取得資金に係る借入金の
年末残高等証明書
金融機関交付時期・受取方法は借入先によって異なります
(調書方式では提出を求められない場合があります)

出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」、「年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受ける方へ」をもとに作成。時期は目安であり、受取方法や借入先によって異なります。

税務署から届くほうは、証明書と申告書が一体になった用紙です。

書面で受け取る場合は、残りの適用年分がまとめて送られてきます。 つまり一度届いたら、その後の年の分もその束の中にあります。 毎年届くものではありませんので、翌年以降の未使用分は必ず保管しておいてください。

電子交付(e-Tax)を選んでいる場合は、 その年に使う分がメッセージボックスに格納されます。 紙の封筒は届きませんので、e-Taxにログインして確認してください。

「証明書方式」と「調書方式」の違い

お借入れの金融機関によって、年末残高の伝わり方が2通りあります。 どちらになるかは、借入先が調書方式に対応しているかによります。

金融機関によって、2つの方式があります

証明書方式調書方式
年末残高の伝わり方金融機関が本人に年末残高等証明書を交付し、本人が勤務先に提出します金融機関が税務署に年末残高等調書を提出し、国税当局から本人に年末残高等情報が提供されます
提出する書類証明書兼申告書 + 年末残高等証明書控除申告書(年末残高欄は、提供された情報をもとに記載されます)
書面の届く時期(税務署から)10月下旬頃入居2年目の11月下旬頃にまとめて

出典:国税庁「No.1230 調書方式による住宅借入金等特別控除」をもとに作成。どちらの方式になるかは、借入先の金融機関が調書方式に対応しているかによります。

※書面交付の調書方式では、3年目以降の年末残高などが印字されていないため、返済計画表等をもとに確認・計算することになります。

調書方式では、金融機関から税務署へ直接データが渡るため、 年末残高等証明書の提出を求められない場合があります。 ただし借換えをしたときなど、一部の場合は別の確認が必要とされています。 ご自身がどちらなのかは、届いた書類の記載か、お借入れの金融機関にご確認ください。

ここまでのポイント

・使うのは税務署からの控除申告書と年末残高の書類・情報

・受け取り方は紙と電子がある。書面交付なら残りの年分がまとめて届き、翌年以降の未使用分は保管する

・初年度は確定申告。年末調整の対象となる給与所得者は2年目以降、勤務先で手続き

・借入先によって証明書方式と調書方式があり、提出書類が変わることがある

届かない・なくした・間に合わないとき

毎年この時期に出てくる困りごとです。順番に整理します。


税務署からの用紙をなくした、届かない

まず、電子交付を選んでいないか、保管している書類に今年分がないかを確認しましょう。 書面を紛失している場合は、再交付を申請できます。

国税庁のページでは、紛失した場合の再交付の手続きが案内されています。 「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を 所轄の税務署に提出する流れです。

+ 再交付を申し込むときに確認したいこと(4項目)

・申請から交付までに日数がかかります。勤務先の締切から逆算して早めに動く

・所轄の税務署(原則として住所地を管轄する税務署)に提出する

・手続きの詳細や様式は、国税庁のページか所轄の税務署でご確認ください

・間に合わない見込みのときは、勤務先の担当部署にも先に伝えておく

金融機関からの年末残高等証明書が届かない

交付時期や受取方法は、借入先によって異なります。 勤務先の提出期限を確認し、間に合わない見込みなら、 金融機関と勤務先の担当部署へ早めに相談してください。 なお、調書方式の場合はそもそも提出を求められないことがあります。

年末調整に間に合わなかった

国税庁の案内では、2年目以降も確定申告で控除を受けることができるとされています。 年末調整に間に合わなかった場合も、確定申告という方法があります。

あわてなくて大丈夫です

確定申告の義務がなく還付申告をする場合は、原則として 対象年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています。 すでに確定申告を済ませている場合などは、必要な手続きが異なります。

まずは勤務先の担当部署に相談してください。 年末調整のやり直しで対応できる場合もあります。 それが難しければ、確定申告という選択肢が残っています。

出典:国税庁 「No.2030 還付申告」、 「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合」

転勤や住み替えのときは、別の手続きがあります

ここからは、不動産会社として少しお伝えしたいことです。

住宅ローン控除は、その住宅に住んでいることが前提の制度です。 ですので、転勤や住み替えで住まなくなると、扱いが変わります。

転勤で住まなくなるとき

国税庁の案内では、住宅ローン控除を受けていた方がその住宅に住まなくなった場合、 「その者が居住の用に供しなくなった日の属する年以降、住宅借入金等特別控除等の適用は 受けられませんが」とされています。

ただし、再び住み始めたときに残りの期間について再適用を受けられる場合があります。 その条件として、次の2つが挙げられています。

・「勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があること。」

・「家屋を居住の用に供しなくなる日までに、一定の手続を行っていること。」

手続きは「住まなくなる日まで」です

再適用を受けるための届出は、「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、 その家屋を居住の用に供しなくなる日までに、 その家屋の所在地の所轄税務署長に提出するとされています。

すでに控除を受けている方が、転勤等でご家族とともに住まなくなり、 将来の再適用を希望する場合は、原則として転居前の届出が必要です。 単身赴任などでは扱いが異なるため、転居前に税務署へご確認ください。

未使用の証明書兼申告書を税務署長から交付されている場合は、あわせて提出するとされています。 なお、すでに転居された方も、自己判断であきらめず、一度所轄の税務署にご確認ください。

出典:国税庁 「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除」。 要件の詳細は国税庁のページまたは所轄の税務署にご確認ください。

なお、単身赴任でご家族が住み続ける場合は、一定の要件を満たせば 所有者本人が住んでいるものとして取り扱われるとされています。 こちらも要件がありますので、該当しそうな場合は事前にご確認ください。

売却・住み替えを考えるとき

住み替えでは、「いま受けている住宅ローン控除がどうなるか」も判断材料のひとつです。

+ 住み替えの前に確認しておきたいことを見る(5項目)

□ 住宅ローン控除の残りの年数(保管書類や交付されたデータなどで確認します)

□ 売却か、賃貸に出すか、いったん人に貸す場合の扱い

□ 転勤が理由の場合は、住まなくなる日までの届出が必要かどうか

□ 売却したときの譲渡所得の特例と住宅ローン控除の関係

□ 新しい住まいであらためて住宅ローン控除を受けられるか

※税の取扱いはご事情によって大きく異なります。具体的な判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。当社では、売却や住み替えのスケジュールづくりのご相談を承っています。

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よくあるご質問

Q. 税務署からの封筒が見つかりません。どうすればいいですか?

A. まず、電子交付を選んでいないか、過去にまとめて受け取った書類の中に今年分がないかを確認してください。書面を紛失した場合は、再交付の手続きがあります。「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を所轄の税務署に提出する流れです。交付までに日数がかかりますので、勤務先の締切から逆算して早めに動いてください。あわせて、勤務先の担当部署にも状況を伝えておくと安心です。

Q. 金融機関からの年末残高等証明書が届きません。

A. 交付時期や受取方法は、借入先によって異なります。勤務先の提出期限を確認し、間に合わない見込みなら、金融機関と勤務先の担当部署へ早めにご相談ください。なお、調書方式に対応した金融機関からのお借入れの場合は、そもそも提出を求められないことがあります。

Q. 年末調整に間に合いませんでした。もう控除は受けられませんか?

A. そうとは限りません。国税庁の案内では、2年目以降も確定申告で控除を受けることができるとされています。確定申告の義務がなく還付申告をする場合は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています(すでに確定申告を済ませている場合などは手続きが異なります)。まずは勤務先の担当部署にご相談ください。年末調整のやり直しで対応できる場合もあります。

Q. 1年目の確定申告をしていませんでした。

A. 住宅ローン控除は、最初の年分については確定申告が必要とされています。確定申告の義務がなく還付申告をする場合は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています。心当たりがあれば所轄の税務署にご相談ください。適用の可否はご事情によって異なります。

Q. 夫婦でローンを組んでいます。書類は1通だけですか?

A. ペアローンや連帯債務など、お2人がそれぞれ控除の対象になる場合は、おひとりずつ手続きをします。税務署からの用紙も、それぞれのお名前で届くのが一般的です。お2人とも年末調整の対象であれば、それぞれが勤務先に提出します。借入れの形やご事情によって取扱いが異なりますので、詳しくは所轄の税務署にご確認ください。

Q. 転勤が決まりました。何かしておくことはありますか?

A. すでに控除を受けている方が、転勤等でご家族とともに住まなくなり、将来の再適用を希望する場合は、原則として転居前の届出が必要です。「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、その家屋の所在地の所轄税務署長に提出する流れです。単身赴任などでは扱いが異なります。要件がありますので、内示が出た段階で所轄の税務署にご確認ください。すでに転居された方も、自己判断であきらめず一度ご確認ください。

Q. 家を売ると、住宅ローン控除はどうなりますか?

A. 住宅ローン控除は、その住宅に住んでいることが前提の制度です。国税庁は「その者が居住の用に供しなくなった日の属する年以降、住宅借入金等特別控除等の適用は受けられませんが」と案内しています。売却では譲渡所得の特例との関係も出てきますので、売却の時期を決める前に、税務署や税理士にご確認ください。売却スケジュールのご相談は当社でも承っています。

まとめ

覚えておきたい4つ

・勤務先の提出期限と、紙・電子どちらで提出するかをまず確認する

・初年度は確定申告。年末調整の対象となる給与所得者は2年目以降、勤務先で手続き

・書面交付なら残りの年分がまとめて届く。翌年以降の未使用分は保管する

・転勤で再適用を希望するなら、原則として転居前の届出が必要

全部覚えなくて大丈夫です。 まずは勤務先の提出期限と、紙・電子どちらで提出するかを確かめるところから。 そのうえで、今年使う書類やデータがそろっているかを見ておけば十分です。

※本記事は国税庁の公表資料をもとに、一般的な手続きの流れを整理したものです。 制度の内容や様式は改正されることがあります。 適用の可否や個別の取扱いについては、勤務先の担当部署、所轄の税務署、 または税理士にご確認ください。

次回予告

月刊・季節の暮らし 11月号 暖房費を抑えて暖かく暮らす冬の部屋づくりと寒さ対策

冬支度編は今回で最終回です。次回からは毎月更新の「月刊・季節の暮らし」に戻ります。11月号では、名古屋の冬の気温と光熱費のデータをもとに、暖房の設定を変えずに体感温度を上げる工夫をまとめる予定です。

公開しだい、この記事からもリンクします。



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本記事は国税庁の公表資料をもとに、一般的な手続きの流れを整理したものです。 制度の内容、様式、名称は改正されることがあります。 記載内容は執筆時点のものであり、適用の可否や個別の取扱いはご事情によって異なります。 実際の手続きにあたっては、勤務先の担当部署、所轄の税務署、または税理士にご確認ください。
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