
名古屋市16区の地震リスク│予想最大震度と液状化リスクについて解説
名古屋市 地震リスク早見
市内最大想定震度
震度7
あらゆる可能性を考慮した最大クラス(南海トラフ)
津波最短到達(港区)
96分
津波高30cm到達までの想定時間
想定される主な地震
南海トラフ・内陸直下型
猿投-高浜断層帯・天白河口断層等
最重要ポイント
揺れやすさは地盤で大きく変わる
「区」ではなく「地盤」で考える
「地震に強い街に住みたい」というご相談は、当社の仲介現場でも年々増えています。
地震調査研究推進本部は、南海トラフ地震が今後30年間に発生する確率を「60〜90%程度以上」と評価しており、名古屋市内でどのエリアが比較的揺れにくいのか、液状化のリスクはどう違うのかを知りたいという声は自然なものです。
結論から言えば、「この区は安全、この区は危険」と単純に線引きすることはできません。
名古屋市内の揺れやすさや液状化リスクは、行政区の境界よりも、地盤の成り立ちに大きく左右されます。
同じ区の中でも、台地の上か、川沿いの低地かで揺れやすさ・液状化リスクは大きく異なります。
この記事では、名古屋市の地盤構造をもとに、地震に対する強さの傾向を整理します。
また、名古屋市がこれまでに公表している震度想定・液状化想定・津波想定のデータもあわせてご紹介します。
ただし、行政区単位での「ランキング」ではなく、地盤の特徴による傾向として捉えていただくことが重要です。
目次
1. 名古屋市で想定されている地震——南海トラフと内陸直下型 2. 地盤の成り立ちと揺れやすさの関係 3. 地形3区分から見る地震リスクの傾向 4. 液状化リスクとは何か 5. 沿岸部の複合リスク——津波・高潮との重なり 6. 丘陵地特有のリスク——土砂災害・盛土造成地 7. 名古屋市16区の想定震度一覧 7-2. 区内の震度分布——16区それぞれの傾向 8. 建物の耐震性——地盤と同じくらい重要な視点 9. 地震に強い物件を選ぶ実践チェックリスト 10. よくある質問 11. 名古屋市16区のエリア情報ガイド一覧 12. まとめ——地震リスクは「区」ではなく「地盤と建物」で考える名古屋市が特に重視しているのが、南海トラフ巨大地震です。
名古屋市は、南海トラフで発生する地震として「過去の地震を考慮した最大クラス」と「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」という2つのケースを想定して被害予測調査を行っています。
過去地震を考慮したケースでは市内最大震度6強、あらゆる可能性を考慮した最大クラスでは市内最大震度7と想定されています。
南海トラフ地震以外にも、名古屋市は内陸直下型の地震についても調査を行っています。
具体的には、猿投-高浜断層帯や天白河口断層などが調査対象とされており、内陸直下型地震も長期的なリスクとして念頭に置かれています。
内陸直下型地震は、震源が浅く市街地の直下で発生する場合、局所的に強い揺れをもたらす可能性がある点が南海トラフ地震とは異なる特徴です。
データの基準について:本記事で紹介する名古屋市内の震度・津波の数値は、名古屋市が2014年(平成26年)2月に公表した「南海トラフ巨大地震の被害想定」のうち、「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」を基準としています。
公式ページ自体はその後も更新されていますが、想定調査そのものは2014年公表分です。
愛知県は2024〜2025年度にかけて新たな被害予測調査報告書も公表しており、条件・地震モデルが異なる場合があります。
最新の調査結果は、名古屋市および愛知県の公式サイトでご確認ください。
用語について:「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」は、千年に一度、あるいはそれよりも発生頻度が低いものの、仮に発生すれば甚大な被害をもたらす地震・津波として、国の検討を踏まえて名古屋市が独自に設定したケースです。
「必ず起こる」という意味ではなく、防災対策を検討する上での最大値として使われています。
同じ震源・同じ規模の地震でも、地盤の性質によって実際に感じる揺れの大きさは異なります。
一般に、比較的硬い地盤では揺れが増幅されにくく、柔らかい沖積層(川や海の堆積物でできた地層)が厚い低地では揺れが増幅されやすい傾向があります。
ただし台地上でも、表層の厚さ・谷筋・盛土造成・旧河道などによって条件が異なります。
これは「表層地盤の増幅特性」と呼ばれる現象で、全国どの都市でも共通する地震工学上の基本的な考え方です。
名古屋市は、34,600本を超えるボーリングデータをもとに地盤モデルを推定し、震度分布・液状化の可能性を判定しています。
この地盤モデルの精度には限界があり、名古屋市自身も「液状化可能性大と判定されているメッシュの中には、液状化の起こりにくい地盤が含まれている場合がある」と説明しています。
行政区の境界と地盤の境界は一致しないため、区名だけで判断せず、検討している住所そのものの地盤を確認することが重要です。
■ 名古屋市の地盤に関する具体的なデータ
最高標高
東部丘陵地で概ね50〜100メートル程度(東谷山周辺が市内最高所とされる)
中央部台地
標高10〜15メートル程度。
熱田台地・瑞穂台地などと呼ばれる複数の台地で構成される
最低標高
−1.73メートル。
北・西・南部の沖積低地に位置し、海抜0メートル以下の地域が広がる
ボーリングデータ
34,600本超のデータをもとに地盤モデルを推定(震度・液状化可能性の判定に使用)
軟弱地盤の分布
沖積低地では、砂質土・粘性土からなる軟弱な沖積層が台地部より厚く堆積しているとされる
※標高データは名古屋市公表資料をもとにした概数です。
地点により変動するため、詳細は名古屋市都市計画情報提供サービス等でご確認ください。
名古屋市は、市域の地形を大きく3つに区分して説明しています。
この区分は水害リスクの説明でも使われますが、地震の揺れやすさ・液状化リスクを考える上でも重要な手がかりになります。
| 地形区分 | 該当エリアの傾向 | 地震リスクの傾向 |
|---|---|---|
| 東部丘陵地 (標高50〜100m) |
守山区・千種区・名東区・天白区・緑区に多く含まれる | 地盤は比較的良好とされるが、造成地の盛土・切土、急傾斜地の土砂災害に注意 |
| 中央部台地 (標高10〜15m程度) |
中区・東区・昭和区・瑞穂区西部などに多く含まれる | 地盤は比較的安定しているとされるが、台地には小さな谷が入り込む複雑な地形もある |
| 北・西・南部沖積地 (最低標高−1.73m) |
港区・中川区・中村区・熱田区・南区などに多く含まれる | 軟弱な沖積層が厚く、揺れが増幅されやすい傾向。 液状化リスクも高いとされる |
この表はあくまで「傾向」であり、同じ区の中でも地形は一様ではありません。
例えば中区・東区・昭和区といった中央部台地の区でも、台地の縁や谷筋にあたる場所は低地に近い性質を持つことがあります。
沖積低地でも、地層構成や地下水位、建物の基礎・地盤改良によって被害の出方は異なります。
地形の印象だけで判断せず、個別の地盤調査結果や建物の対策状況を確認することが実務的です。
液状化とは、地震の強い揺れによって、地下水を含んだ砂質地盤が一時的に液体のような状態になる現象です。
液状化が起こると、地面から水や砂が噴き出したり、建物が傾いたり沈み込んだりする被害につながることがあります。
特に、埋立地・干拓地・旧河道・砂質の沖積地では液状化が発生しやすいとされています。
名古屋市の液状化ハザードマップでは、区ごとに液状化の可能性の分布が示されています。
例えば瑞穂区の公式データでは、区の中央から西部および南東部に液状化の可能性がある地域が分布し、中央北部・南西部・天白川沿いには可能性が大きい地域があるとされています。
このように、液状化リスクは区全体で一様ではなく、河川沿い・低地・埋立地など、地形の特徴に沿って分布していることがわかります。
液状化の可能性を正確に判断するには、名古屋市の「なごやハザードマップ」で対象住所を個別に確認することが不可欠です。
同じ町名の中でも、液状化可能性の判定が異なる場合があります。
名古屋港に面する港区周辺では、地震の揺れそのものに加えて、津波のリスクも重ねて考える必要があります。
名古屋市の想定では、「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」の南海トラフ地震において、港区での津波到達時間(津波高30センチメートル)は最短96分、津波水位は最高3.6メートル、津波高は最大2.4メートルとされています。
「過去の地震を考慮した最大クラス」でも、港区で津波到達最短102分、津波水位最高3.3メートルという想定です。
名古屋港周辺は、1959年の伊勢湾台風で高潮による甚大な被害を受けた歴史を持つエリアでもあります。
沿岸部・河口部を検討する際は、地震の揺れ・液状化に加えて、津波・高潮のリスクも重ねて確認することが重要です。
詳しくは当社の別記事「名古屋市で防災に強い街はどこ?」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
東部丘陵地(守山区・千種区・名東区・天白区・緑区など)は、自然地盤では比較的安定した場所が多いとされる一方、丘陵地ならではのリスクも存在します。
宅地造成によって作られた盛土・切土の地盤は、造成前の自然地盤と比べて地震時の挙動が異なる場合があります。
特に谷を埋めて造成された「谷埋め盛土」は、地震時に滑動崩落と呼ばれる被害が発生することがあります。
名古屋市は、大規模盛土造成地マップを公開しており、一定規模以上の谷埋め盛土・腹付け盛土の分布を確認できます。
ただし、このマップは盛土造成地の位置を示すものであり、掲載された場所が直ちに危険であることを示すものではありません。
名古屋市は現地調査や安定計算も行っており、個々の宅地の安全性を直接判定する資料ではない点にご注意ください。
また、急傾斜地では土砂災害警戒区域の指定状況もあわせて確認することをおすすめします。
丘陵地の物件を検討する際は、地震の揺れだけでなく、擁壁の状態・盛土の有無・道路との高低差も現地で確認することが重要です。
南海トラフ巨大地震(あらゆる可能性を考慮した最大クラス)について、名古屋市公式資料等で確認できる区ごとの想定最大震度を一覧にまとめました。
ここでの「想定最大震度」は、区内で最も揺れが大きくなる地点の想定値です。
区全域が同じ震度になるという意味ではなく、実際には同じ区の中でも場所により震度は異なります。
| 区 | 区内最大想定震度 | 地形・確認上の注意 |
|---|---|---|
| 港区 | 震度7 | 低地・埋立地。 液状化・津波もあわせて確認 |
| 中村区 | 震度7 | 沖積低地。 区内の一部で震度7 |
| 中川区 | 震度7 | 沖積低地。 区内の一部で震度7 |
| 南区 | 震度7 | 沖積低地。 区内の一部で震度7 |
| 緑区 | 震度7 | 区内は丘陵地〜沖積地まで幅広く、一部で震度7 |
| 千種区 | 震度6強 | 区内分布を公式データで確認済み(次項参照) |
| 名東区 | 6弱中心(要確認) | 区内最大値は資料により整理が異なる。 公式マップで要確認 |
| 東区 | 震度6強 | 中央部台地。 台地の縁・谷筋は要確認 |
| 北区 | 震度6強 | 中央部台地と沖積低地が混在 |
| 西区 | 震度6強 | 沖積低地 |
| 中区 | 震度6強 | 中央部台地。 台地の縁・谷筋は要確認 |
| 昭和区 | 震度6強 | 中央部台地・東部丘陵が混在 |
| 瑞穂区 | 震度6強 | 区内分布を公式データで確認済み(次項参照) |
| 熱田区 | 震度6強 | 沖積低地 |
| 守山区 | 震度6強 | 丘陵地・低地が混在(北部・西部・東部で地形差) |
| 天白区 | 震度6強 | 丘陵地・低地が混在(西部・東部で地形差) |
※南海トラフ巨大地震「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」について、名古屋市が2014年2月に公表した被害想定を基準に整理しています。
震度は今後の調査で見直される可能性があるため、最新情報は名古屋市公式サイトでご確認ください。
愛知県の新しい調査について:愛知県は2024〜2025年度にかけて新たな被害予測調査報告書を公表しています。
県の新調査は名古屋市の2014年想定と震源モデル・地盤メッシュなどの条件が異なる場合があるため、単純比較はできません。
最新の県調査結果は、愛知県の公式サイトで別途ご確認ください。
この一覧の通り、震度7が想定されているのは港区だけではありません。
名古屋市公式資料では、「港区をはじめとした5区の一部地域で震度7が想定される」とされており、具体的には中村区・中川区・港区・南区・緑区の5区です。
これら5区以外の11区は、区内最大で震度6強が想定されています(名東区は資料により整理が異なるため、公式マップで個別にご確認ください)。
震度と被害の大きさは一致しません:最大想定震度は、区内の一地点で想定される最大値です。
建物被害や生活再建への影響は、震度だけでなく、建物の耐震性、液状化、津波、火災、道路閉塞など複数の条件によって変わります。
最大震度だけで区同士の安全性を順位付けすることはできません。
震度7が想定される5区は、いずれも区内の一部地域が該当するものであり、区全域が震度7というわけではありません。
「区の想定最大震度が高いから危険」「低いから安全」と単純化せず、検討している住所そのものの震度想定を個別に確認することが重要です。
確認方法:区内のより詳細な震度分布は、名古屋市公式サイトの「震度分布・津波高等」ページ、および区ごとの「地震ハザードマップ」「地震災害危険度評価図」でご確認いただけます。
物件を検討する際は、区単位の想定にとどまらず、必ず該当住所周辺の震度想定を地図上で照合してください。
前項の一覧表は区内の最大想定震度でしたが、実際には同じ区の中でも場所によって震度は異なります。
ここでは、名古屋市が公開している地震ハザードマップ(震度予想図)をもとに、16区それぞれの区内での傾向を整理しました。
ご注意:以下は各区の地震ハザードマップ(震度予想図)の色分けを地区・方角単位で読み取った概要です。
行政上の境界線に沿ったものではなく、メッシュ・地盤モデルに基づく想定であるため、境界付近では読み取りに限界があります。
実際の色分けの詳細は必ず名古屋市公式サイトの地震ハザードマップでご確認ください。
千種区
南西部の一部(今池・池下周辺など西部の低地寄りエリア)で震度6強、それ以外の東部丘陵地(東山公園・平和公園周辺など)は震度6弱と想定されています。
東区
西側には震度6強・6弱の区域が混在し、東側では震度6弱の区域が比較的広く見られます(北部の一部は震度6強)。
北区
震源に近い南側で震度6強の区域が見られ、北へ向かうにつれて震度6弱の区域が広がる分布です。
西区
北から東側の地域は震度6弱の想定が多く、西から南にかけての地域は震度6強の想定です。
中村区
震度6強の範囲が広く見られ、西側の一部では震度7の範囲も見られます。
中区に近い東側の一部では震度6弱の範囲が見られます。
中区
北西部と東部の一部で震度6強、それ以外の場所では震度6弱の想定です。
昭和区
南西部と北部の一部が震度6強の想定ですが、それ以外の大部分の地域では震度6弱の想定です。
瑞穂区
西部・天白川沿いで震度6強、東部で震度6弱の想定です(過去の地震を考慮した最大クラスでは区全域が震度6弱)。
熱田区
震度6強の範囲が広く見られ、中央部や北東部の一部に震度6弱の範囲が見られます。
中川区
東部の一部を除き、震度6強の範囲が広く見られます。
港区
震度6強の範囲が広く見られ、南側の一部では震度7の範囲も見られます。
南区
南東部の一部で震度7、北東部(台地上)では震度6弱の範囲が見られ、それ以外の場所では震度6強の範囲が広く見られます。
守山区
西部の端に震度6強の範囲が見られますが、それ以外の広い範囲は震度6弱で、北東部には震度5強や5弱の範囲もあります。
緑区
西部の一部地域で震度7、西部・南部・中央の扇川沿いなどで震度6強の範囲が見られ、それ以外の場所では震度6弱の範囲が広く見られます。
名東区
区内の大部分で震度6弱の想定となっています。
区内最大値については参照資料によって整理が異なるため、対象地点を名古屋市公式の地震ハザードマップで個別にご確認ください。
天白区
西部の天白川沿いの低地部と、天白川・植田川の合流地点周辺で震度6強の範囲が見られ、それ以外の場所では震度6弱の範囲が広く見られます。
この一覧からもわかるように、震度の分布には共通したパターンがあります。
沖積低地の区(中村区・中川区・港区など)は区全体が震度6強〜7に近い水準でまとまりやすく、東部丘陵地の区(守山区・緑区・名東区・天白区など)は丘陵部で震度が低く、低地部・河川沿いで震度が高くなる傾向があります。
他の区についても、名古屋市公式サイトの「震度分布・津波高等」および区ごとの被害想定ページで、同様の詳細データがPDF形式で公開されています。
検討している住所の区が公開しているデータを、購入・賃貸の判断材料として個別にご確認いただくことを強くおすすめします。
地盤の揺れやすさと同じくらい重要なのが、建物そのものの耐震性です。
1981年(昭和56年)6月以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」に基づいており、それ以前の「旧耐震基準」の建物と比べて耐震性が高いとされています。
中古物件を検討する際は、建築確認日・耐震診断の有無・耐震改修の履歴を必ず確認することをおすすめします。
木造戸建てを検討する場合は、1981年6月以降の新耐震基準だけでなく、接合部や壁配置などの規定が強化された2000年6月1日以降に建築確認を受けた住宅かどうかも確認の目安になります。
国土交通省は、熊本地震において1981年以降の新耐震基準の木造住宅のうち、こうした規定が明確化される2000年より前に建てられた住宅にも倒壊被害が見られたと説明しています。
1981年6月から2000年5月までに建てられた木造住宅を検討する際は、耐震診断・接合部・壁の配置・基礎の状態もあわせて確認することをおすすめします。
マンションの場合は、免震構造・制震構造・耐震構造のいずれが採用されているかによって、地震時の揺れ方が異なります。
高さ60メートルを超える建築物では、長周期地震動を考慮した検証が求められているため、超高層マンションを検討する際は構造・設計方針も確認材料のひとつになります。
なお、免震・制震・耐震という名称だけで安全性の優劣を判断せず、設計内容、建物の高さ、地盤条件、維持管理の状況、長期修繕計画もあわせて確認することをおすすめします。
対象住所の震度想定・液状化想定を確認する
「なごやハザードマップ」または区の被害想定ページで、震度分布・液状化可能性を個別に確認します。
区全体の最大値だけでなく、検討している物件位置周辺の色分けを地図上で確認することが重要です。
建物の建築確認日・耐震基準を確認する
1981年6月の新耐震基準、木造戸建ての場合は2000年6月1日以降の建築確認も目安にします。
耐震診断・耐震改修の履歴も確認します。
造成地・盛土の有無を確認する
丘陵地・郊外の住宅地では、名古屋市の大規模盛土造成地マップで谷埋め盛土・腹付け盛土の該当有無を確認します。
現地では擁壁のひび割れ・膨らみ・排水状況も確認します。
戸建てでは新築時の地盤調査報告書・地盤改良報告書が残っているかも確認しましょう。
擁壁がある物件では、検査済証・造成許可・補修履歴もあわせて確認することをおすすめします。
沿岸部・河口部は津波・高潮リスクもあわせて確認する
港区周辺などは、地震の揺れに加えて津波到達時間・浸水想定もあわせて確認します。
指定緊急避難場所・指定避難所の位置もあわせて把握しておきましょう。
マンションは構造方式・管理状況を確認する
免震・制震・耐震のいずれかを確認し、長期修繕計画・管理組合の運営状況もあわせて確認します。
基礎形式・支持地盤・杭の有無についても、構造計算概要書等の資料で確認できるとより安心です。
高層階では停電時のエレベーター停止・階段移動の負担も考慮します。
地域の防災体制も確認する
名古屋市では小学校区ごとに自主防災組織の地区本部が置かれています。
地域の防災訓練の実施状況なども、内見時に確認しておくと安心です。
Q. 名古屋市で地震に一番強い区はどこですか?
A. 「この区が一番強い」と断定することはできません。
一般的には、中央部台地や東部丘陵地の方が、北・西・南部の沖積地よりも地盤の揺れが増幅されにくい傾向にあるとされていますが、同じ区の中でも地盤は一様ではありません。
検討している住所ごとに、名古屋市の震度想定・液状化想定を確認することが重要です。
Q. 液状化しやすい場所は買わない方がよいですか?
A. 一概には言えません。
液状化リスクが高い地域でも、地盤改良・杭基礎などの対策が取られている物件もあります。
液状化しやすい地域だからといって必ず被害が出るわけではなく、名古屋市自身も「可能性大」の判定の中には液状化しにくい地盤が含まれる場合があると説明しています。
リスクを理解した上で、個別の物件の地盤対策を確認することをおすすめします。
Q. 内陸直下型地震と南海トラフ地震、どちらの対策を優先すべきですか?
A. どちらか一方だけを優先するのではなく、両方を踏まえた備えが重要です。
南海トラフ地震は広域かつ津波を伴う可能性がある一方、内陸直下型地震は震源に近い場所で局所的に強い揺れをもたらす可能性があります。
建物の耐震性・家具の固定・避難場所の確認は、どちらの地震にも共通して有効な対策です。
Q. 「重ねるハザードマップ」で確認してもよいですか?
A. 国の「重ねるハザードマップ」は広域的な確認に便利ですが、表示方法や凡例が自治体の公式マップと異なる場合があります。
また、法律に基づいて市町村が作成したハザードマップではないため、宅地建物取引の重要事項説明には使用できません。
最終確認には、必ず名古屋市の公式ハザードマップをご利用ください。
当社では名古屋市16区それぞれについて、交通・学区・公園・治安・防災・相場を詳しく解説したエリア情報ガイドを公開しています。
この記事の後半にある一覧から、気になる区の記事をご覧いただけます。
■ 地震リスクを確認する5つのポイント
① 対象住所の震度想定・液状化想定を個別に確認する
区の傾向ではなく物件位置周辺のデータを地図上で確認
② 地形3区分(丘陵地・台地・沖積地)で大まかな傾向をつかむ
同じ区でも地形が違えば傾向も異なる
③ 建物の耐震性を確認する
1981年6月・木造は2000年6月1日以降が目安
④ 丘陵地は盛土・擁壁、沿岸部は津波・高潮も確認する
エリアごとに異なる複合リスクへの目配りが必要
⑤ 「絶対安全な区」は存在しないという前提で選ぶ
対策・備えと組み合わせて考えることが重要
名古屋市内の地震リスクは、行政区の境界ではなく地盤の成り立ちによって決まります。
「この区は安全」「この区は危険」という単純化した情報ではなく、東部丘陵地・中央部台地・北・西・南部の沖積低地という地形の傾向を理解した上で、検討している住所そのものの震度想定・液状化想定を個別に確認することが、最も確実な判断材料になります。
私たち愛知中央不動産では、名古屋市内の地形・災害リスクの傾向を踏まえながら、資産価値と安心を両立できる物件選びをサポートしています。
地震リスクを踏まえた住まい選びについて、お気軽にご相談ください。
※本記事は名古屋市公式ウェブサイト(震度分布・津波高等、地震ハザードマップ、区の被害想定ページ等)の公表情報をもとに作成しています。
震度・液状化・津波の想定は今後見直される可能性があるため、最新情報は名古屋市の公式ハザードマップでご確認ください。
本記事の内容は、特定の区・エリアの安全性を保証するものではありません。





