
名古屋市のブロック塀撤去補助金はいくら?対象条件・申請手順と売却前の注意点【2026年度】
住まいの補助金・助成金カタログ|名古屋市 第8回
ブロック塀の撤去に補助金は出る?
名古屋市の助成と、売却前に確認したいポイント
「家の前のブロック塀、古くてひびが入っている」「地震で倒れたら、通る人にけがをさせないか心配」。古い家にお住まいの方や、実家を相続した方から、塀についてのご相談をいただくことがあります。
名古屋市には、道路に面するブロック塀などを撤去する費用の助成があります。この記事では、対象になる塀と助成額の計算、申請の流れを整理したうえで、家や土地を売る前に確認しておきたい塀のポイントまでお伝えします。
愛知中央不動産株式会社 | 住まいの補助金・助成金カタログ|名古屋市 第8回(全12回)
| 対象 | 名古屋市内の、道路に面する高さ1m以上のブロック塀・レンガ塀・大谷石の塀など(門柱を含む)。申請できるのは塀の所有者 |
|---|---|
| 金額 | 撤去費用の1/2、1mあたり6,000円、上限10万円のうち最も低い額(木造住宅密集地域は3/4・1mあたり9,000円・上限15万円) |
| 期限 | 4月から申請受付。工事完了から30日以内、かつその年度の2月末までに完了報告 |
| 契約前の注意 | 交付決定の通知を受ける前に、撤去工事を契約・着工しない |
| 公式窓口 | 名古屋市住宅都市局 耐震化支援課(052-972-2921)/公式ページ |
※制度の内容は2026年10月27日時点で名古屋市の公式ページから確認したものです(令和8年度)。予算や要件は変わる場合がありますので、申請前に名古屋市耐震化支援課へご確認ください。
この記事の内容
1. まず、うちの塀は大丈夫?安全確認のポイント
大きな地震では、倒れたブロック塀で通行人がけがをしたり、避難や救助の妨げになったりすることがあります。塀の所有者には、塀を安全な状態に保つ責任があります。名古屋市は、外から見てわかる範囲の点検項目として、次のポイントを示しています。

+ 主な点検項目を見る
ブロック塀(鉄筋の入ったもの)
□ 高さは地盤から2.2m以下か
□ 厚さは10cm以上か(高さ2m超〜2.2m以下は15cm以上)
□ 高さが1.2mを超える場合、3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突き出した控え壁があるか
□ コンクリートの基礎があるか
□ 傾きやひび割れがないか
□ 鉄筋・基礎の根入れ深さ(専門家に相談)
れんが・石・鉄筋のないブロックの塀(組積造)
□ 高さは地盤から1.2m以下か
□ 塀の厚さは十分か
□ 4m以下ごとに、塀の厚さの1.5倍以上突き出した控え壁があるか
□ 基礎があるか、傾きやひび割れがないか
□ 基礎の根入れ深さは20cm以上か(専門家に相談)
※点検するときは、塀を押したり揺すったりせず、危険そうな塀には近づかないでください。
出典:名古屋市「建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全確認をしましょう」をもとに当社で作成(2026年10月27日確認)
2. 助成の対象になる塀、ならない塀
名古屋市の「ブロック塀等撤去費助成」は、地震のときに道路側へ倒れる危険を減らすための制度です。そのため、対象は道路に面する部分に限られます。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| コンクリートブロック、レンガ、大谷石などを積んだ塀、組み立て式のコンクリート塀、石の列柱塀、門柱など | アルミフェンス、トタン塀、木の塀など軽い素材の塀 |
| 道路に面する、高さ1m以上の部分(土留めの擁壁の高さも含めて計る) | 隣の敷地との境界にある塀、高さ1m未満の塀 |
| ― | 道路境界から下がった位置にあり、下がった距離が塀の高さ以上あるもの |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
出典:名古屋市「ブロック塀等撤去助成の取扱い」・交付要綱をもとに当社で作成(2026年10月27日確認)
申請できるのは塀の所有者です。同じ敷地で過去にこの助成を受けている場合や、ほかの制度で撤去の補助を受ける場合は対象になりません。
全部撤去しなくてもよい場合があります
一部だけを撤去する場合は、残る塀の高さを道路面から1m未満にすれば対象になります。擁壁の上にある塀は、擁壁と合わせて1m未満にします。擁壁だけで1m以上ある場合は、上の塀をすべて撤去する必要があります。撤去したあとに新しいフェンスなどを付ける費用は、この助成の対象外です。
3. 助成額の計算と、申請の流れ
助成額は、次の3つのうち最も低い額です(千円未満切り捨て、長さは10cm未満切り捨て)。
| 撤去する長さ | 撤去費用 | 助成額 | 決め手 |
|---|---|---|---|
| 10m | 10万円 | 5万円 | 撤去費用の1/2 |
| 10m | 15万円 | 6万円 | 1mあたり6,000円 |
| 20m | 30万円 | 10万円 | 上限 |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。撤去する長さには控え壁などを含めませんが、控え壁の撤去費用は撤去費用に含められます。
出典:名古屋市「ブロック塀等撤去助成の取扱い」の計算例をもとに当社で作成(2026年10月27日確認)
+ 木造住宅密集地域の場合を見る
市が定める「主な木造住宅密集地域」にある塀は、別の制度(木密地域ブロック塀等撤去助成)の対象です。助成額は撤去費用の3/4と、1mあたり9,000円のうち低い額で、上限15万円です。ただし、地表面より上の部分はすべて撤去する必要があります(擁壁を除く)。
該当するかどうかは地域の一覧で確認し、市街地整備課(052-972-2752)へお問い合わせください(木密地域ブロック塀等撤去助成)。
交付決定の通知を受ける前に、撤去工事を契約したり着工したりすると、助成を受けられません。業者には、名古屋市の助成を使うことを最初に伝えておきましょう。
+ 一般地域の申請の流れと期限を見る
1. 業者に見積もりを依頼(助成を使うことを伝える)
2. 市に事前相談(塀の場所と全体の写真を持参)
3. 交付申請(4月から受付)。通知はおよそ2週間で届く
4. 交付決定の後に契約・撤去工事
5. 完了報告:工事完了から30日以内、かつその年度の2月末まで(領収書と撤去後の写真)
6. 助成金の請求:3月10日ごろまで。請求からおよそ2週間で振り込み
工事の内容や金額が変わる場合は、変更の申請が必要なことがあります。施工業者が助成金を受け取る「代理受領制度」も利用できます。
4. 売る前に確認したい、塀と境界のこと
ブロック塀は、家や土地を売るときにも確認されるポイントです。買主は、塀が安全か、誰の持ち物か、境界の位置は正しいかを気にします。売り出す前に整理しておくと、説明がスムーズになります。

① 道路側の塀:撤去してから売るか、そのまま売るか
ひび割れや傾きのある古い塀は、買主にとって撤去や作り直しの費用がかかる部分として見られます。売る前に撤去すれば見た目の印象は良くなりますが、撤去費用が売却価格にそのまま上乗せされるとは限りません。建物の解体を前提とする売買では、塀の撤去を売主・買主のどちらが行うか、費用と時期を契約で取り決めます。どちらが良いかは、査定の段階で相談するのがおすすめです。
倒壊の危険がある塀は、売却まで放置せず、市や専門家に相談して安全確保を優先してください。名古屋市も、危険性が確認された場合は、通行する人への注意表示と、改修・撤去を求めています。
② 隣との塀:誰の持ち物で、境界はどこか
隣の敷地との境界にある塀は、この助成の対象外ですが、売却では特に確認が必要です。塀がどちらの持ち物か、境界線の上に建っている共有の塀なのかで、撤去や修理の取り決めが変わります。境界標が見当たらない場合は、確定測量が必要になることもあります。詳しくは境界未確定の土地売却は可能か?でまとめています。
③ 越境:塀や基礎が隣にはみ出していないか
古い塀では、塀の一部や地中の基礎が隣の敷地にはみ出している(越境している)ことがあります。売却前に越境がわかった場合は、撤去するか、将来の建て替え時に撤去することを隣の方と覚書で取り決めるのが一般的です。撤去の前に塀の所有者を確認し、共有の塀や隣地所有者の塀は、関係者と合意して進めます。将来撤去とする場合は、撤去の時期・費用の負担・所有者が変わったときの扱いなどを整理しておきます。境界を確認しただけで、他人の塀を撤去できるわけではありません。考え方は越境した土地売却は要注意?で解説しています。
愛知中央不動産では、仲介で売る場合の査定価格と、当社が買い取る場合の価格の両方をお出ししています。塀や境界に心配がある土地、古家付きのままの売却もご相談ください。
5. よくあるご質問
Q. 隣の家との間の塀を撤去したいのですが、助成は使えますか?
A. 隣の敷地との境界にある塀は、この助成の対象外です。撤去する場合は、塀の持ち主や費用の負担について、隣の方とよく話し合ってから進めましょう。
Q. 撤去したあとにフェンスを付ける費用も対象ですか?
A. 対象は撤去の費用だけで、新しいフェンスなどを付ける費用は含まれません。見積もりは、撤去と新設を分けて出してもらうとわかりやすくなります。
Q. 家の解体と一緒に塀を撤去する場合も使えますか?
A. 市の公表資料には、家の解体に伴う撤去を対象外とする記載は見当たりませんでしたが、塀の撤去についてほかの制度の補助を受ける場合は対象外です。第2回の除却助成などとあわせて使う場合も含めて、事前相談のときに市へ確認してください。
Q. 塀が古いまま、土地を売ることはできますか?
A. できます。塀の状態を伝えたうえで、古家付き土地として売ったり、買取で引き取ったりする方法があります。売るか決めていない段階でも、ご相談いただけます。
6. まとめ
この記事のまとめ
・名古屋市のブロック塀等撤去費助成は、道路に面する高さ1m以上の塀が対象。隣地境界の塀は対象外
・助成額は撤去費用の1/2・1mあたり6,000円・上限10万円のうち最も低い額(木造住宅密集地域は上限15万円)
・交付決定の前に契約・着工すると助成は受けられない。完了報告は工事完了から30日以内、かつ2月末まで
・売る前には、道路側の塀の安全性に加えて、隣との塀の持ち主・境界・越境も確認する
まずは家の前の塀を、点検項目に沿って見てみるところから。危険がありそうなら、売却の予定にかかわらず早めに市や専門家へ相談しましょう。売却も考えている場合は、撤去の方法や時期をあわせてご相談ください。

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まだ売却を決めていない段階でも、お気軽にご相談ください。
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愛知中央不動産株式会社
次回予告(公開予定)
第9回は、大家さん向けのセーフティネット住宅の補助をまとめる予定です。空き室を活用するときの改修費・家賃の補助と、将来売却するときの出口の考え方を整理します。
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▶ 第8回 ブロック塀の撤去に補助金は出る?名古屋市の助成と、売却前に確認したいポイント(この記事)
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本記事は名古屋市の公表資料をもとに、制度の概要を整理したものです。掲載している金額・要件・期限は2026年10月27日時点で名古屋市の公式ページから確認できる令和8年度の情報であり、予算の状況や制度改正により変更される場合があります。助成額の例は計算を単純にした試算です。申請の可否や詳しい手続きは、名古屋市住宅都市局耐震化支援課(電話052-972-2921)、木造住宅密集地域については市街地整備課(電話052-972-2752)にご確認ください。塀の安全性の判断は、建築士などの専門家にご相談ください。
出典・参考:名古屋市「ブロック塀等撤去費助成」・「ブロック塀等撤去助成の取扱い」・「交付要綱」・「木密地域ブロック塀等撤去助成」・「建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全確認をしましょう」
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