
名古屋市の介護リフォーム補助金はいくら?介護保険の住宅改修と住み替えの考え方【2026年版】
住まいの補助金・助成金カタログ|名古屋市 第7回
介護リフォームの補助金はいくら?
介護保険の住宅改修と名古屋市の助成、住み替えとの比較
「親が家の中でつまずくようになった」「退院後に自宅で暮らせるよう、手すりを付けたい」。介護が始まると、住まいの手直しが急に必要になることがあります。
介護のためのリフォームでまず使えるのは、介護保険の住宅改修です。手すりの取り付けや段差の解消などに、1人1住宅あたり20万円までの工事費の7〜9割が支給されます。この記事では、対象の工事と申請の流れを整理したうえで、親の家を直して住み続けるか、住み替えるかの比べ方までお伝えします。
愛知中央不動産株式会社 | 住まいの補助金・助成金カタログ|名古屋市 第7回(全12回)
| 対象 | 要支援1〜要介護5の認定を受けた人が、住民票のある自宅を小規模に改修する場合 |
|---|---|
| 金額 | 1人1住宅あたり工事費20万円まで、その7〜9割(最大18万円)を支給 |
| 期限 | 年度の締切はなし。工事の前に事前申請が必要 |
| 契約前の注意 | ケアマネジャーに相談し、事前申請の承認通知が届いてから着工する |
| 公式窓口 | お住まいの区役所福祉課・支所区民福祉課/公式ページ |
※制度の内容は2026年10月26日時点で名古屋市の公式ページから確認したものです。詳しくは区役所福祉課やケアマネジャーにご確認ください。
1. 介護保険の住宅改修で対象になる工事
介護保険の住宅改修は、要支援・要介護の認定を受けた人が自宅で暮らし続けられるよう、小規模な改修の費用を支給する制度です。対象になる工事は、次の6種類に決まっています。

1. 手すりの取り付け
2. 段差の解消
3. 滑りにくく、移動しやすい床や通路の材料への変更
4. 引き戸などへの扉の取り替え
5. 洋式便器などへの便器の取り替え
6. 上の1〜5に付帯して必要な改修(下地の補強、給排水工事など)
出典:名古屋市「住宅改修費の支給」(リーフレットはこのページから入手できます)・「住宅改修費の支給に関する注意事項」をもとに当社で作成(2026年10月26日確認)
置くだけの手すりやスロープなど、工事を伴わない用具は原則として住宅改修の対象外です(福祉用具のレンタル・購入の制度が別にあります)。また、新築や居室を増やす増築、単なる老朽化を理由とする改修も対象になりません。
2. 支給額と、申請の流れ
支給の限度は、要支援・要介護度にかかわらず、住宅ごとに、要介護・要支援者1人あたり工事費20万円までです。そのうち、介護保険の負担割合(1〜3割)を除いた額が支給されます。
| 工事費 | 介護保険からの支給 | 自己負担 |
|---|---|---|
| 10万円 | 9万円 | 1万円 |
| 20万円 | 18万円 | 2万円 |
| 30万円 | 18万円(上限) | 12万円 |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。2割負担の人の支給上限は16万円、3割負担の人は14万円です。
出典:名古屋市「住宅改修費の支給」の限度額をもとに当社で試算(2026年10月26日確認)
20万円は、1回で使い切らず何回かに分けて使うこともできます。使い切った後でも、転居した場合は、新しい住宅でもう一度20万円までの枠を使えます。また、初めて支給を受けた改修の着工時点と比べて、介護の必要の程度が3段階以上上がった場合は、例外的に限度額が再設定されます。この例外は1人につき1回限りで、要支援2と要介護1は同じ段階として数えます。
工事の前に、区役所または支所への事前申請が必要です。承認の通知が届く前に着工すると、支給を受けられません。認定の申請中でも、区役所・支所に事前相談し、必要な手続きを経て改修できる場合があります。ただし、認定結果が非該当となった場合などは支給されません。急ぐ場合も、自己判断で着工せず、必ず事前に相談してください。
+ 申請の流れと支払い方法を見る
1. ケアマネジャー(介護支援専門員)に相談し、「住宅改修が必要な理由書」を書いてもらう
2. 施工業者に見積もりを依頼する(複数の見積もりを取るよう市も呼びかけています)
3. 区役所福祉課または支所区民福祉課へ事前申請(電子申請も可)。見積書・図面・理由書・改修前の写真(撮影日入り)などを提出
4. 事前承認の通知が届いてから着工
5. 工事完了後に支給申請。領収証の原本や改修後の写真(撮影日入り)などを提出
支払い方法は2つ
・償還払い:いったん工事費の全額を業者に払い、あとから7〜9割の支給を受ける
・受領委任払い:自己負担分(1〜3割)だけを業者に払い、残りは市が業者へ直接支払う(市に登録した事業者に限る)。支給対象外の工事費や、20万円を超える部分は全額自己負担です
住宅の所有者が本人以外の場合は、所有者の承諾書が必要です。入院中・入所中でも改修はできますが、自宅に戻れないなど、支給されない場合があります。
3. 介護保険のほかに使える制度
介護保険の20万円で足りない場合や、介護保険の対象にならない方には、次の制度があります。
| 制度 | ポイント |
|---|---|
| 名古屋市障害者住宅改造補助 | 肢体・視覚障害の身体障害者手帳1〜3級の方など、一定の障害・所得要件を満たす方が対象。工事前の訪問相談・申請が必要です(市の案内) |
| 国のみらいエコ住宅2026事業 | 断熱改修など必須の工事と一緒に行うバリアフリー改修も補助の対象。交付申請は遅くとも2026年12月31日まで(第5回を参照) |
| 介護保険の福祉用具の貸与・購入 | 工事を伴わない手すりやスロープ、入浴用のいすなどは、こちらの制度が対象。ケアマネジャーに相談 |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
出典:名古屋市「住宅改修費の支給」・「バリアフリー化に関する補助」、みらいエコ住宅2026事業「リフォームの対象要件」をもとに当社で作成(2026年10月26日確認)
4. 親の家を直すか、住み替えるか
手すりや段差の解消で暮らしやすくなる家も多い一方、2階建てで寝室が2階にある、浴室が古く狭い、駅や病院から遠いなど、小さな改修だけでは解決しにくい家もあります。そんなときは、住み替えも含めて考えると選択肢が広がります。本人の希望や介護の見通しを確認しながら、改修費と住み替えにかかる費用を比べましょう。

改修して住み続ける 小規模な改修で暮らしやすくなる家に
近居・同居 家族が日常的に支えられる距離に住みたいときに
暮らしやすい住まいへ住み替え 階段・浴室・立地など、改修では解決しにくいときに
施設に入居 自宅での生活が難しくなったときに。実家は売る・貸す・持ち続けるを選ぶ
+ 選択肢ごとの比較を見る
| 選択肢 | 何で比べるか | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 改修して住み続ける | 改修費-介護保険の支給、この先の修繕費 | 小規模な改修で暮らしやすくなる、住み慣れた地域を離れたくない |
| 近居・同居 | 実家の売却額と、引っ越し先の住まいの費用 | 家族が日常的に支えられる距離に住みたい |
| 暮らしやすい住まいへ住み替え | 実家の売却の手取りと、住み替え先の購入・賃料 | 階段・浴室・立地など、改修では解決しにくい |
| 施設に入居 | 施設の費用と、実家を売る・貸す・持ち続ける場合の収支 | 介護の必要度が高く、自宅での生活が難しい |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。売却の比較額は、売却諸費用を引いた額で考えます。実際の手取り額は、住宅ローンの返済や税金なども含めて確認します。
住み替える場合も、転居先で介護保険の住宅改修をもう一度使えるのは心強い点です。親の家を売ったお金は、親本人の施設費用や住み替え先の資金など、親自身の暮らしのために充てることができます。考え方は介護施設入居の実家売却は有効か?やシニア夫婦の住み替えはいつが最適?でまとめています。
親の家を売るときに、早めに確認したいこと
親の家を売るには、所有者である親本人の意思確認が必要です。認知症などで判断能力が低下すると、本人に代わって売るために成年後見制度の利用が必要になる場合があり、時間がかかります。手続きは親の不動産売却はどう進める?で解説しています。また、親が老人ホームなどに入所したまま亡くなった場合でも、条件を満たせば第3回で紹介した「相続空き家の3,000万円特別控除」の対象になることがあります。
愛知中央不動産では、仲介で売る場合の査定価格と、当社が買い取る場合の価格の両方をお出ししています。施設入居の時期に合わせた売却や、ご家族が遠方にお住まいの場合のご相談もお受けしています。
5. よくあるご質問
Q. 要介護認定の申請中ですが、先に手すりを付けてもいいですか?
A. 認定の申請中でも、区役所・支所に事前相談し、必要な手続きを経て改修できる場合があります。ただし、認定結果が非該当となった場合などは支給されません。急ぐ場合も自己判断で着工せず、必ず事前に区役所福祉課やケアマネジャーにご相談ください。
Q. 子どもの家(親の所有ではない家)でも使えますか?
A. 住民票のある住宅であれば対象になり得ます。所有者が本人以外の場合は、所有者の承諾書が必要です。賃貸住宅の場合も、貸主の承諾書を用意します。
Q. 引っ越したら、前の家で使った分はどうなりますか?
A. 限度額は住宅ごとなので、転居した場合は、新しい住宅でもう一度20万円までの枠を使えます。介護の必要の程度が大きく上がった場合も、一定の条件で再利用できます(1人1回限り)。
Q. 親が施設に入った後、実家をどうするか迷っています。
A. 売る、貸す、しばらく持ち続けるの選択肢があります。空き家のままにすると管理の負担や税金がかかり続けるため、早めに方向性を決めるのがおすすめです。売るか決めていない段階でも、ご相談いただけます。
6. まとめ
この記事のまとめ
・介護保険の住宅改修は、手すり・段差解消など6種類の工事に、1人1住宅あたり工事費20万円まで、その7〜9割を支給
・着工前の事前申請が必須。承認前の着工は対象外。認定の申請中は、必ず事前に区役所へ相談
・転居した場合などは、一定の条件でもう一度使える
・改修で解決しにくい家は、改修の見積もりと実家の査定を並べて住み替えも検討
まずはケアマネジャーに住まいの困りごとを相談するところから。住み替えも気になるなら、あわせて今の家の価値を確かめておくと、家族の話し合いが進めやすくなります。

親の家、直すか住み替えるか迷ったら
「実家を売って施設の費用にしたい」「親を近くに呼び寄せたい」
愛知中央不動産では、仲介の査定価格と当社の買取価格の両方をお出しし、介護の状況に合わせた売却の進め方をご案内します。
まだ売却を決めていない段階でも、お気軽にご相談ください。
そのほかのご相談はお問い合わせフォームから
愛知中央不動産株式会社
次回予告(公開予定)
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本記事は名古屋市等の公表資料をもとに、制度の概要を整理したものです。掲載している金額・要件は2026年10月26日時点で確認できる情報であり、制度改正により変更される場合があります。支給額の例は計算を単純にした試算です。介護保険の住宅改修の可否や手続きは、お住まいの区の区役所福祉課・支所区民福祉課、または担当のケアマネジャーにご確認ください。税金の特例が使えるかどうかは、税務署・税理士にご確認ください。
出典・参考:名古屋市「住宅改修費の支給」・「住宅改修費の支給に関する注意事項」・「バリアフリー化に関する補助」、みらいエコ住宅2026事業「リフォームの対象要件」
愛知中央不動産株式会社
