
名古屋市の耐震シェルター・解体補助金はいくら?対象条件と申請の注意点【2026年度】
住まいの補助金・助成金カタログ|名古屋市 第2回
耐震改修が難しい家はどうする?
名古屋市の耐震シェルター・除却助成と売却の選択肢
「耐震診断で倒壊の可能性があると言われたけれど、家全体を直すほどの費用はかけられない」「親が住む古い家、いずれは取り壊すことになりそう」。第1回の耐震改修助成の記事のあと、こうしたご相談もいただきます。
名古屋市には、耐震改修のほかに、寝室などに耐震シェルター・防災ベッドを置く費用の助成と、耐震性のない木造住宅を取り壊す費用の助成があります。この記事では2つの制度の対象と金額を整理したうえで、解体する前に確認したいことと、売却との比べ方までお伝えします。
愛知中央不動産株式会社 | 住まいの補助金・助成金カタログ|名古屋市 第2回(全12回)
| 耐震シェルター・防災ベッド | 木造住宅の除却(取り壊し) | |
|---|---|---|
| 対象 | 旧耐震の木造住宅(判定値1.0未満)に住んでいる人 | 旧耐震の戸建木造住宅を持つ個人 |
| 金額 | 設置費用の1/2以内、最大30万円(非課税世帯は3/4以内、最大45万円) | 最大20万円 |
| 期限 | どちらも4月から申請受付。工事完了から30日以内、かつその年度の2月末までに完了報告 | |
| 契約前の注意 | 交付決定の通知を受ける前に、契約・着手金の支払い・着工をしない | |
| 公式窓口 | 名古屋市住宅都市局 耐震化支援課(052-972-2921)/シェルター等の公式ページ・除却の公式ページ | |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
※制度の内容は2026年10月26日時点で名古屋市の公式ページから確認したものです。予算や要件は変わる場合がありますので、申請前に名古屋市耐震化支援課へご確認ください。
この記事の内容
1. 改修のほかにある、2つの助成
名古屋市の旧耐震木造住宅向けの支援は、大きく3つあります。家全体を補強する「耐震改修」、部屋の一部に身を守る空間をつくる「耐震シェルター・防災ベッド」、そして家を取り壊す「除却」です。

耐震シェルター・防災ベッドは、家全体ではなく寝室など特定の場所で命を守るための対策です。改修より費用を抑えやすい一方、家そのものの強さは変わりません。除却は、住む予定のない家や、建て替えを考えている家で選ばれる方法です。
なお、この記事で扱う除却助成は、耐震性のない木造住宅が対象です。空き家で、老朽化により周囲に危険を及ぼしている建物の取り壊しには別の制度があり、第3回の空き家の補助金の記事で扱います。
2. 耐震シェルター・防災ベッドの設置助成
耐震シェルターは、部屋の中に置く頑丈な箱型の空間です。防災ベッドは、ベッドの上を頑丈な枠で覆い、寝ている間に建物が崩れても身を守れるようにしたものです。名古屋市は、国や自治体、公的試験機関などで一定の評価を受けた製品を対象に、購入・設置の費用を助成しています。
| 世帯 | 助成率 | 上限 |
|---|---|---|
| 一般世帯 | 設置費用の1/2以内 | 30万円 |
| 非課税世帯 | 設置費用の3/4以内 | 45万円 |
出典:名古屋市「耐震シェルター・防災ベッドの設置助成」をもとに当社で作成(2026年10月26日確認)。設置費用には、製品代・設置費のほか、運搬や床の補強などの付帯工事も含まれます。非課税世帯とは、居住者の世帯全員が過去2年間、市民税の課税を受けていない世帯です。
対象は、昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅で、市の無料耐震診断の判定値が1.0未満の家です。申請するのは、その家に住んでいる人です。所有者と住んでいる人が違う場合は、所有者の同意書が必要になります。耐震改修の助成をすでに受けた家は対象外です。
交付決定の通知を受ける前に、製品の購入・設置を契約したり、着手金を払ったりすると、補助金を受け取れません。交付決定の通知は、申請から2週間ほどで届きます。
+ 申請の流れと提出期限を見る
| 手続き | 内容・期限の目安 |
|---|---|
| 1. 業者選び・見積もり | 名古屋市の助成を使うことを業者に伝える |
| 2. 事前相談 | 無料耐震診断の結果報告書を持参 |
| 3. 交付申請 | 4月から受付。世帯全員の住民票の写し、見積書、設置場所の平面図・写真などを提出 |
| 4. 交付決定の通知 | 申請から約2週間 |
| 5. 契約・設置 | 交付決定の後に限る |
| 6. 完了実績報告書 | 設置完了から30日以内、かつ当該年度の2月末まで |
| 7. 補助金の受け取り | 報告から約1週間で金額確定。3月10日ごろまでに請求し、約2週間で振り込み |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。施工業者が補助金を受け取る「代理受領制度」も利用できます。
注意したいのは、シェルターの設置は所得税控除の要件となる耐震改修には該当しないことです。名古屋市も、シェルターの設置について耐震改修の証明書は発行できないと案内しています。また、あとから家全体の耐震改修をする場合、改修の助成は受けられますが、助成額が減ります。
3. 古い木造住宅の除却(取り壊し)助成
名古屋市は、耐震性のない古い木造住宅を取り壊す費用の一部も助成しています。対象は、次のすべてに当てはまる戸建木造住宅です。
□ 昭和56年5月31日以前に着工した、2階建て以下の戸建木造住宅
□ 在来軸組構法または伝統構法(プレハブやツーバイフォーは対象外)
□ 市の無料耐震診断で判定値1.0未満、または除却用の「容易な耐震診断」で倒壊の危険性ありと判断された
□ 耐震改修やシェルター設置の助成を受けていない
□ 所有者が個人である(法人所有は対象外)
「容易な耐震診断」は、除却の助成のための簡易な診断です。市の無料耐震診断ですでに判定値1.0未満と出ている家は、改めて受ける必要はありません。また、市が定める主な木造住宅密集地域にある家は、対象や内容が異なる別の制度になります。該当するかどうかは地域の一覧で確認し、市街地整備課(052-972-2752)へお問い合わせください。
助成額は「3つのうち最も低い額」
除却の助成額は、次の3つのうち最も低い金額です(千円未満切り捨て)。
計算上は、延床面積が62.5㎡以上、かつ除却費用が60万円以上であれば、上限の20万円になります。
| 延床面積 | 面積で計算した額 | 助成額 |
|---|---|---|
| 40㎡ | 12万8,000円 | 12万8,000円 |
| 50㎡ | 16万円 | 16万円 |
| 80㎡ | 25万6,000円 | 20万円(上限) |
| 100㎡ | 32万円 | 20万円(上限) |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
出典:名古屋市「戸建木造住宅除却助成」の計算方法をもとに当社で試算(2026年10月26日確認)。表は除却費用が60万円以上の場合の試算です。実際の助成額は、除却費用と延床面積の両方を使って計算し、上限20万円を含む3つの金額のうち、最も低い額になります(例:延床面積40㎡・除却費用50万円なら、20万円・約16.7万円・12.8万円のうち最も低い12.8万円)。実際の解体費用は、建物の大きさや立地、残置物の量などで変わります。
申請の流れは、シェルター等とほぼ同じです。交付決定の前に解体工事を契約・着工しないこと、工事完了から30日以内、かつ2月末までに完了報告をすることが条件です。完了報告では、撤去前と同じ角度から撮った更地の写真が求められます。
4. 解体する前に確認したいことと、売却との比べ方
除却の助成は最大20万円です。解体費用全体から見ると一部なので、「助成が出るから解体する」ではなく、解体したあとどうするかを先に決めることが大切です。特に、次の3点は解体の前に確認しておきましょう。

① 土地の固定資産税が上がることがある
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽減される「住宅用地の特例」を受けていることが一般的です。解体して更地にすると、この特例が外れ、土地の固定資産税が上がる場合があります。なお、家が残っていても、空き家の管理状態などによっては特例の対象外になることがあります(名古屋市「土地の評価額と税負担」)。固定資産税は毎年1月1日時点の状態で決まるため、解体の時期と、売却や建て替えの予定時期を合わせて考えましょう。
② 建て替えできる土地か
古い住宅地では、道路に接する幅が足りないなどの理由で、一度解体すると新しく建てられない土地もあります。この場合、解体すると土地の使い道が限られ、売却価格にも影響します。解体の前に、道路との接し方や法令上の制限を確認しておくと安心です。詳しくは再建築不可物件の売却方法でまとめています。
③ 解体してから売るか、古家付きのまま売るか
売却を考えているなら、解体する前に査定を受けるのがおすすめです。古い家を残したまま「古家付き土地」として売り、解体は買主に任せる方法もあります。買主が建て替えを前提にしている場合でも、解体費用を見込んだ価格で取引されることが多く、売主が先に解体費用を負担しなくて済みます。どちらが有利かは立地や建物の状態で変わります。考え方は古屋を解体しない方がいい?で詳しく解説しています。
+ 売り方ごとの比較を見る
| 売り方 | 何で比べるか | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 解体して更地で売る | 更地の売却価格-(解体費用-除却助成)-売却の諸費用 | 建て替えできる土地で、更地のほうが買主を見つけやすい立地 |
| 古家付き土地で売る | 現状での売却価格-売却の諸費用 | 解体費用を先に出したくない、解体による税負担の変化を確認してから進めたい |
| 不動産会社の買取 | 買取価格-売主が負担する諸費用 ※解体・残置物処分の負担範囲も確認 | 時期を早く確定させたい、片付けや解体の手間をかけたくない |
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。いずれも売却諸費用を引いた比較額です。実際の手取り額は、住宅ローンの返済や税金なども含めて確認します。
相続した実家を売る場合は、「相続空き家の3,000万円特別控除」も関係します。この特例には建物の耐震性や取り壊しに関する要件があるため、解体するかどうか、いつ解体するかで税金が変わることがあります。考え方は「空き家の3,000万円特別控除」の記事でまとめています。要件の判断は、税務署や税理士にご確認ください。
愛知中央不動産では、仲介で売る場合の査定価格と、当社が買い取る場合の価格の両方をお出ししています。古家付きのまま、残置物があるままのご相談もお受けしています。
5. よくあるご質問
Q. 耐震改修とシェルター、どちらを選べばいいですか?
A. この先も長く住み、家全体の安全性を高めたいなら耐震改修、費用を抑えて寝ている場所だけでも守りたいならシェルターや防災ベッドが選択肢になります。シェルターの助成を受けると、あとで改修するときの助成額が減る点も踏まえて、建築士や市の窓口に相談しましょう。
Q. 賃貸で住んでいる家でも、シェルターの助成は使えますか?
A. シェルター等の助成は、住んでいる人が申請する制度です。所有者でない場合は、所有者の同意書を添えて申請します。対象になるかどうかは、事前に市の窓口へご確認ください。
Q. ツーバイフォーやプレハブの古い家は、除却の助成の対象ですか?
A. 対象外です。除却の助成は、在来軸組構法または伝統構法の戸建木造住宅が対象です。工法がわからない場合は、建てたときの図面や確認申請の書類で確かめましょう。
Q. 解体しないまま売ることはできますか?
A. できます。古家付き土地として売る、不動産会社に買い取ってもらうなどの方法があります。解体費用を先に負担せずに済み、住宅用地の特例が継続する場合もあります。ただし、特例の適用状況は建物の状態などによって異なるため、市税事務所へご確認ください。売るか決めていない段階でも、ご相談いただけます。
6. まとめ
この記事のまとめ
・耐震シェルター・防災ベッドの助成は、設置費用の1/2以内で最大30万円(非課税世帯は45万円)。申請するのは住んでいる人
・木造住宅の除却助成は最大20万円。在来軸組・伝統構法の戸建てで、個人所有が対象
・過去に使った助成によって、次に使える制度や助成額が変わる。どの制度も交付決定の前に契約・着工すると助成は受けられない
・解体の前に、固定資産税・建て替えの可否・古家付きでの査定額を確認する
「直す」「守る」「取り壊す」のどれを選ぶかは、この家にあと何年住むかで変わります。手放す可能性があるなら、解体の見積もりと査定を並べて比べてみてください。

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愛知中央不動産では、仲介の査定価格と当社の買取価格の両方をお出しし、解体の見積もりと比べながらご案内します。
まだ売却を決めていない段階でも、お気軽にご相談ください。
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第3回では、名古屋市の空き家の補助金をまとめています。老朽化して危険な空き家の取り壊し(除却)の補助と、地域の交流施設などに活用するときの改修の補助を、今回の除却助成との違いとあわせて整理しています。
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・第1回 名古屋市の耐震改修補助金はいくら?木造住宅の助成額と申請の流れ、売却との比べ方
▶ 第2回 耐震改修が難しい家はどうする?名古屋市の耐震シェルター・除却助成と売却の選択肢(この記事)
・第3回 名古屋市の空き家補助金は使える?解体・活用の助成額と、売るときの3,000万円控除
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・第11回 名古屋近郊の住まいの補助金を比較!日進・長久手・尾張旭・大府など市町別に解説(公開予定)
・第12回 【名古屋市・2026年版】住まいの補助金・助成金まとめ|耐震・空き家・省エネ・子育て(公開予定)
本記事は名古屋市の公表資料をもとに、制度の概要を整理したものです。掲載している金額・要件・期限は2026年10月26日時点で名古屋市の公式ページから確認できる情報であり、予算の状況や制度改正により変更される場合があります。助成額の例は計算を単純にした試算です。申請の可否や詳しい手続きは、名古屋市住宅都市局耐震化支援課(電話052-972-2921)にご確認ください。固定資産税や税金の特例については、市税事務所・税務署・税理士にご確認ください。
出典・参考:名古屋市「耐震シェルター・防災ベッドの設置助成」・「耐震シェルター等設置助成リーフレット」・「戸建木造住宅の除却助成」・「主な木造住宅密集地域一覧」
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