
実家を相続したらどうする?売る・貸す・空き家の費用と手続き
実家を相続したら、まず「売るか残すか」を決めなくて構いません
親が住んでいた家を相続した。
でも自分は別の場所に住んでいるし、どうすればいいか分からない——
こうしたご相談をよくいただきます。
実家を相続した直後に、売却するか残すかを決める必要はありません。
ただし、何もしないまま長期間放置するのはおすすめできません。
まず確認していただきたいのは、次の3つです。
① 誰が相続するのか
② 名義変更(相続登記)は済んでいるか
③ 家はいまどんな状態か
この3つが分かれば、選べる道が見えてきます。本記事では、相続登記の義務化から、5つの選択肢、空き家のまま置いた場合の費用、税金、兄弟間の調整まで整理します。

この記事でわかること
・相続したら最初に確認する3つのこと
・相続登記の義務化——いつまでに何をするか
・実家をどうするか、5つの選択肢
・「とりあえず空き家」にかかる年間費用
・空き家の3,000万円特別控除
・兄弟・姉妹で揉めないための考え方
・やってはいけない5つのこと
実家を相続したら最初に確認する3つのこと

①誰が相続人なのか
まず、相続人が誰なのかを確定させます。
・自分ひとりが相続するのか
・兄弟姉妹がいるのか
・遺言書はあるか
・遺産分割協議は済んでいるか
相続人が複数いる場合、実家をどうするかは全員の合意が必要になります。ここが決まらないと、売却も賃貸も進められません。
②相続登記は済んでいるか
実家の名義が亡くなった方のままになっていないかを確認してください。
登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局で取得できます。名義が変わっていなければ、売却手続きに進めません。
なお相続登記は2024年4月から義務化されています。詳しくは次の章で解説します。
③実家の現在の状態
同じ「実家を相続した」でも、状況によって選択肢はまったく違います。
| 状態 | 考えられる選択肢 |
|---|---|
| 誰かが住んでいる | そのまま住む/将来の整理を検討 |
| 完全な空き家 | 売る/貸す/解体/保有 |
| 荷物がそのまま | 片付けの前に査定を受ける |
| 老朽化が進んでいる | 古家付き売却/解体して売却を比較 |
| 賃貸中 | オーナーチェンジ売却/継続 |
この3つが分かれば、話は前に進みます。逆にここが曖昧なままだと、何を検討しても具体的になりません。
まずは「誰が」「名義は」「家の状態は」を確認してください。
相続登記は2024年から義務化されています
2024年4月1日から、相続登記は義務になりました
相続の開始を知り、かつ相続によってその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります。
正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
過去の相続も対象です
見落とされがちですが、義務化より前に発生した相続にも遡って適用されます。
「名義が祖父のままになっている」という不動産も対象です。
この場合の期限は原則として2027年3月31日とされています。
ただし2024年4月以降に相続による取得を知った場合は、そこから3年以内となるケースもあります。心当たりのある方は早めにご確認ください。
3年の起算点は「死亡日」ではありません
3年のカウントは、相続の開始を知り、かつその不動産の所有権を相続で取得したことを知った日から始まります。被相続人の死亡日と一致するとは限りません。
遺産分割がまとまらない場合|相続人申告登記
兄弟で話がつかず、期限内に相続登記ができないこともあります。その場合に使えるのが「相続人申告登記」です。
自分が相続人であることを法務局に申し出ることで、登記義務を一時的に果たしたことになります。
ただしこれは暫定的な対応です。遺産分割が成立したら、別途正式な相続登記が必要になります。「申告しておけば終わり」ではない点にご注意ください。
登記しないまま売却できる?
できません。
被相続人の名義のまま、買主へ直接売却することは基本的にできません。売却するなら、まず相続登記を済ませる必要があります。
登記には戸籍の収集など手間がかかります。相続関係が複雑な場合は、司法書士に依頼するのが確実です。
当社は司法書士・弁護士・土地家屋調査士・税理士と連携しています。相続登記が済んでいない状態からのご相談も承ります。
「何から手を付ければいいか分からない」という段階で構いません。
相続した実家の選択肢は5つ

相続登記の見通しが立ったら、実家をどうするか考えます。
| 選択肢 | 向いているケース | 主なメリット | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 売る | 使う予定がない | 現金化・管理不要 | 税金・売却費用 |
| 貸す | 賃貸需要がある | 家賃収入 | 修繕・管理の手間 |
| 自分で住む | 居住予定がある | 住居として活用 | リフォーム費用 |
| 解体する | 建物の老朽化が進んでいる | 土地として活用しやすい | 解体費・税負担の変化 |
| 保有する | 将来使う可能性がある | 資産を残せる | 維持費と管理 |
①売却する
使う予定がなければ、最も分かりやすい選択肢です。管理の負担から解放され、相続人が複数いる場合は現金で分けやすくなります。
ただし譲渡所得税がかかる場合があります。後述の空き家3,000万円特別控除が使えるかは必ず確認してください。
②賃貸する
賃貸需要があるエリアなら、家賃収入という選択肢もあります。
ただし貸すためには一定の修繕が必要になることが多く、入居後も管理の手間が続きます。「空き家のままにするより貸した方がいい」と単純には言えません。修繕費を回収できるかを試算してください。
③自分・家族が住む
実際に住むのであれば、最も無駄がありません。ただし築年数によっては大規模なリフォームが必要になります。
耐震性の確認も重要です。昭和56年5月31日以前に建築された建物は、現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。
④建物を解体する
建物の老朽化が進んでいる場合、解体して土地として売る方法もあります。
ただし、いきなり解体するのは避けてください。
・古家付きの方が売りやすいケースもあります
・建物を取り壊すと、土地の固定資産税が上がる場合があります(住宅用地の特例から外れるため)
・空き家3,000万円特別控除には、解体のタイミングに関する要件があります
解体費を負担する前に、まず査定を受けてください。
⑤空き家として保有する
「まだ決められないから、とりあえず置いておく」——最も多い選択かもしれません。
これも選択肢の一つです。ただし「そのまま」は無料ではありません。次の章で詳しく見ていきます。
「とりあえず空き家」にもお金がかかる

「何もしない」を選ぶ前に、
年間いくらかかるかを一度計算してみてください。
空き家を保有すると発生する費用
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税 | 毎年課税される |
| 都市計画税 | 市街化区域内の場合 |
| 火災保険料 | 空き家は保険料が高くなる場合がある |
| 庭木の剪定・除草 | 放置すると近隣トラブルの原因になる |
| 清掃・換気 | 定期的に行わないと傷みが進む |
| 修繕費 | 雨漏り、破損などへの対応 |
| 水道・電気の基本料金 | 管理のため契約を残す場合 |
| 交通費 | 遠方の場合、往復のたびに発生 |
5年放置すると、いくらになるか
仮に年間の維持費を15万円とします。
1年 → 15万円
3年 → 45万円
5年 → 75万円
10年 → 150万円
※固定資産税は物件により大きく異なります。あくまでイメージのための試算です。実際の金額は納税通知書でご確認ください。
これに加えて、建物の劣化が進みます。劣化が進むと修繕費や解体費が増え、売却条件や手取り額に影響する可能性があります。
維持費が積み上がる一方、建物の劣化が将来の売却条件に影響する可能性がある——これが空き家を放置したときの実質的なコストです。
だからこそ、売らないと決めた場合でも、一度数字を出しておくことをおすすめしています。
空き家は時間とともに傷みます
人が住まない家は、想像以上に早く劣化します。
・通風がないため湿気がこもり、カビが発生する
・雨漏りに気づかず被害が拡大する
・給排水管が使われず、劣化や悪臭の原因になる
・シロアリなど害虫が発生する
・庭木が伸び、隣地へはみ出す
「管理不全空家」「特定空家」に指定されると
適切に管理されていない空き家は、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」に指定される場合があります。
指定を受けて勧告に至ると、住宅用地の特例(固定資産税の軽減)の対象から外れる可能性があります。
「特定空家になったら固定資産税が6倍」といった説明を見かけますが、軽減の適用がなくなることで税額が上がる、というのが正確な理解です。上がり幅は物件によって異なります。
いずれにせよ放置し続けることには金銭的なリスクがあるとお考えください。
実家を売却するなら、いつ売る?
早く売るメリット
・管理の負担から解放される
・固定資産税などの支出が止まる
・建物の劣化が進む前に売れる
・相続人が複数の場合、現金で分けやすい
急がなくてよいケース
・相続人の間で整理が終わっていない
・市場の状況をもう少し見たい
・家族が住む可能性が残っている
焦って決める必要はありません。ただし、時間が経つほど維持費が積み上がることは意識しておいてください。
「売れる状態」にする前に査定を受けてください
これは強くお伝えしたい点です
片付け、リフォーム、解体——これらをする前に、まず査定を受けてください。
・荷物が残っていても査定はできます
・リフォームしても、その費用が価格に上乗せされるとは限りません
・解体すると税負担が変わることがあります
・古家付きの方が売りやすいケースもあります
費用をかける前に、かけた方がいいかどうかを確認する。順序が逆になると、無駄な出費になりかねません。
空き家の3,000万円特別控除とは?

相続した実家を売却するとき、知らないと損をする可能性がある制度です。
まず混同を避けてください。「3,000万円特別控除」には2種類あります。
・マイホームを売ったときの3,000万円特別控除(自分が住んでいた家)
・被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除(相続した家)
この章で扱うのは後者です。要件がまったく違います。
主な要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 建築時期 | 昭和56年5月31日以前に建築されたこと |
| 建物の種類 | 区分所有建物登記がされていないこと(分譲マンションは対象外) |
| 居住状況 | 相続開始の直前に被相続人が一人で居住していたこと |
| 売却価格 | 譲渡対価が1億円以下であること |
| 売り方 | 耐震基準に適合した家屋を売却、取壊し後の土地を売却、または一定の場合は売却後に翌年2月15日までに耐震改修・取壊し |
| 売却期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで かつ現行制度では2027年12月31日までの譲渡 |
| 必要書類 | 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村が交付) |
押さえておきたい3つのポイント
①「昭和56年5月31日以前」がまず分かれ道です
それ以降に建てられた家は対象外です。登記事項証明書で建築時期を確認してください。
②老人ホームに入居していた場合も対象になりうる
「亡くなる前は施設にいたから対象外」と早合点しないでください。要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所していた場合でも、一定の要件を満たせば対象になります。
③相続人が3人以上の場合は控除額が変わります
相続した人が3人以上の場合、1人あたり2,000万円が控除額となります。
この特例を受けるには、市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受け、確定申告する必要があります。
交付には電気・水道の契約状況を示す書類など、複数の資料が求められます。売却を進める前から準備を始めておくとスムーズです。
取得費加算の特例もあります
相続税を納めた場合、納めた相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。譲渡所得を圧縮できるため、税額が下がる可能性があります。
こちらは原則として相続開始から約3年10か月以内の売却が要件です(正確には、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで)。
ただし、税金だけで売る時期を決めないでください。
特例の期限に間に合わせようとして、相場より安く売ってしまっては本末転倒です。売却価格と税額の両方を試算したうえで判断してください。
なお制度は改正されることがあります。具体的な適用可否は税務署または税理士にご確認ください。
名古屋市の空き家事情
名古屋市では約7〜8戸に1戸が空き家です
2023年の住宅・土地統計調査によると、名古屋市の状況は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 住宅総数 | 約131.1万戸 |
| 空き家数 | 約17.3万戸 |
| 空き家率 | 13.2% |
| 2018年からの増加 | 約1.61万戸増(15.69万戸→17.3万戸) |
| 賃貸・売却用・二次的住宅を除く空き家 | 約4.46万戸 |
出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」
名古屋市では約7〜8戸に1戸が空き家という計算になります。しかも5年間で1.6万戸以上増えています。
特に注目したいのが「賃貸・売却用・二次的住宅を除く空き家」約4.46万戸という数字です。これは貸すでも売るでもなく、利用目的が決まらないまま放置されている住宅を含みます。
相続で取得したまま使い道が決まらない住宅も、この中に含まれていると考えられます。
つまり「実家を相続したがどうするか決められない」というのは、決して特殊な悩みではありません。同じ状況の方が名古屋市内に数万世帯いる計算になります。
名古屋市の相談窓口・支援制度
名古屋市では、空き家に関する相談や支援の仕組みが用意されています。
・空き家総合相談会
・住まいの窓口
・空き家バンク
・老朽危険空家の除却補助
・空き家活用支援事業
解体費用の補助が受けられる場合もあります。解体を検討している方は、事前に市の制度を確認してください。要件や予算枠があるため、最新の情報は名古屋市の公式サイトでご確認ください。
区によって売り方が変わります
名古屋市内でも、エリアによって買い手の層が異なります。
| エリア | 需要の傾向 |
|---|---|
| 千種区・昭和区・瑞穂区 | 住環境や教育環境を重視する層。土地・戸建て需要 |
| 中区・東区 | 都心のマンション需要、投資需要 |
| 緑区・名東区・天白区 | ファミリー層の戸建て需要。駐車場が重視される |
| 中川区・港区・南区 | 土地面積と価格のバランスを求める層 |
※一般的な傾向です。同じ区でも町丁目や駅距離によって状況は異なります。
つまり「実家がどの区にあるか」で、売り方も価格も変わります。古家付きで売るのか、更地にするのか、その判断もエリアによって変わってきます。
兄弟・姉妹で相続した実家
相続人が複数いる場合、ここが最も難しい部分になります。
誰か一人が住みたい場合
一人が実家に住み続けたい、というケースです。
この場合、他の相続人にどう配慮するかが論点になります。何も調整せずに一人が住み続けると、後々の不満につながることがあります。
売りたい人と残したい人がいる場合
最もよくある対立です。
この場合、まず不動産の価格を把握することをおすすめします。
「いくらになるか分からない」まま話し合っても、議論が感情的になりやすいためです。金額が分かれば、具体的な選択肢を比べられます。
共有名義にする前に考えたいこと
「とりあえず兄弟で共有名義に」——これは避けた方がよい場合が多いです。
共有名義にすると、売却や賃貸、修繕などで他の共有者との調整が必要になり、意思決定が複雑になります。時間が経つほど調整は難しくなります。
さらに共有者の一人が亡くなると、その持分がさらに分割されるため、権利関係が複雑化していきます。
代償分割という方法
一人が不動産を取得し、他の相続人には金銭を支払うという分け方です。
実家を残したい人がいる場合の選択肢になりますが、取得する人にまとまった資金が必要です。また評価額をいくらとするかで揉めることもあります。
※遺産分割の方法は法的な判断を伴います。具体的なケースについては弁護士等の専門家にご相談ください。
片付けは全部終わってから売る?

必ずしも、全部片付けてから
不動産会社へ相談する必要はありません。
残置物があっても査定できます
「荷物が残っているから、まだ相談できない」と考える方が多いのですが、その状態でも査定は可能です。
むしろ片付け方や処分の順序について、先にアドバイスを受けた方が効率的な場合もあります。
先に捨てない方がいいもの
これらは処分しないでください
・権利証(登記識別情報)
・購入時の売買契約書(税金計算で使います)
・固定資産税の納税通知書
・測量図、境界確定の資料
・リフォーム・修繕の記録
・建築確認済証、検査済証
・相続関係の書類
特に購入時の売買契約書は重要です。取得費が分からないと、譲渡所得の計算で不利になる場合があります。
遺品整理・残置物撤去の費用
残置物の処分には費用がかかります。家財の量や建物の規模によって大きく変わるため、複数の業者に見積もりを取るのが一般的です。
なお売却の条件次第では、残置物を残したまま引き渡せる場合もあります。買主が処分を前提に購入するケースです。この方が結果的に負担が少ないこともあります。
解体も、勝手に先に進めないでください
前述のとおり、古家付きの方が売りやすいケースもあります。また解体すると土地の固定資産税が上がる可能性があります。
解体費用は決して安くありません。かける前に、本当に必要かを確認してください。
あなたの実家はどれ?ケース別の考え方
ケースA|誰も住む予定がなく、管理が大変
→ 売却を検討する
遠方に住んでいて管理が負担になっている場合、維持費と手間が積み上がります。まずいくらで売れるかを把握してから判断してください。
ケースB|立地が良く、賃貸需要がありそう
→ 売却価格と想定賃料の両方を確認する
賃貸に出すには修繕が必要な場合が多く、その費用を回収できるかが判断材料になります。売った場合の金額と比較してください。
ケースC|家族が将来住む可能性がある
→ 保有コストと修繕費を試算する
「いつか住むかもしれない」は最も曖昧な状態です。何年後に、誰が住むのか。それまでの維持費はいくらか。具体的にしてから判断してください。
ケースD|築古で、建物の状態が悪い
→ 古家付き売却と解体後売却を比較する
どちらが手取りで有利かは、立地と建物の状態によります。解体費用をかける前に、両方の見込みを確認してください。
ケースE|兄弟で意見が違う
→ 不動産の価格を把握してから遺産分割協議へ
金額が分からないまま話し合っても、議論が進みません。数字があれば、選択肢を具体的に比べられます。
すべてのケースに共通するのは、
「まず価格を知る」ということです。
査定を受けること=売ることではありません。
実際、「売らないと決めるために査定を受ける」という方もいらっしゃいます。数字が分かれば、保有する判断にも根拠が生まれます。
やってはいけない5つのこと
①何年も放置する
維持費が積み上がり、建物は傷み、売却価格は下がります。管理不全空家に指定されれば税負担が増える可能性もあります。決めきれない場合でも、年間コストだけは把握しておいてください。
②兄弟で話し合わないまま共有名義にする
「とりあえず法定相続分で共有」は、後の意思決定を難しくします。売却も賃貸も全員の合意が必要になり、時間が経つほど調整が困難になります。
③査定前に高額なリフォームをする
かけた費用が売却価格に反映されるとは限りません。買主が自分好みにリフォームしたいと考える場合、その工事は評価されないこともあります。
④査定前に建物を解体する
古家付きの方が売りやすいケースがあります。また解体すると土地の固定資産税が上がる可能性があり、空き家3,000万円特別控除の要件にも影響します。
⑤重要書類まで処分してしまう
片付けの際、権利証や購入時の売買契約書まで捨ててしまうケースがあります。取得費が分からないと、税金の計算で不利になることがあります。
共通しているのは「順序」です。
片付ける、リフォームする、解体する——これらはすべて費用がかかる行動です。その前に、価格と選択肢を確認してください。
よくあるご質問
Q. 実家を相続したら、まず何をすればいいですか?
①誰が相続人か ②相続登記が済んでいるか ③家の状態——この3つを確認してください。特に相続登記は2024年から義務化されており、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。
Q. 相続した家に住まなくても問題ありませんか?
住む義務はありません。ただし管理義務は生じます。適切に管理されていないと、自治体から管理不全空家や特定空家に指定される可能性があります。
Q. 相続した実家の固定資産税はいくらですか?
物件によって大きく異なります。毎年届く納税通知書で確認できます。なお建物を解体すると住宅用地の特例から外れ、土地の税額が上がる場合があります。
Q. 相続した実家は何年以内に売るべきですか?
法律上の期限はありません。ただし税制上は目安があります。取得費加算の特例は相続開始から3年10か月以内の売却が要件です。また空き家3,000万円特別控除にも期限があります。税制と売却価格の両方を見て判断してください。
Q. 兄弟で相続した家を、一人だけで売れますか?
共有名義の場合、原則として全員の合意が必要です。自分の持分だけを売ることは理論上可能ですが、実務上は買い手が限られます。まず全員で話し合うことをおすすめします。
Q. 荷物が残ったままでも売却できますか?
査定は可能です。また売却の条件次第では、残置物を残したまま引き渡せる場合もあります。片付ける前にご相談いただく方が、結果的に負担が少なくなることがあります。
Q. 築古の実家は解体してから売るべきですか?
一概には言えません。古家付きの方が売りやすいケースもあります。また解体すると土地の固定資産税が上がる可能性があります。解体費をかける前に、両方の見込みを確認してください。
Q. 相続した空き家を売ると3,000万円控除は使えますか?
要件を満たせば使えます。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、区分所有建物でないこと、相続開始直前に被相続人が一人で居住していたこと、譲渡対価が1億円以下であることなどです。適用可否は税務署または税理士にご確認ください。
Q. 遠方にある実家でも売却できますか?
できます。現地に何度も足を運ばずに進める方法もあります。まずは物件の所在地にある不動産会社にご相談ください。
Q. 名古屋市で空き家について相談できますか?
名古屋市には空き家に関する相談窓口があります。売却や活用については、当社でもご相談を承ります。「売ると決めていない」段階でも構いません。
まとめ|「何もしない」を選ぶ前に、一度数字を出してみる

相続した実家を、すぐ売る必要はありません。
でも「とりあえず置いておく」を選ぶなら、年間いくらかかるのか、将来何に使うのかを一度確認しておくことが大切です。
この4つを並べると、判断しやすくなります
・売却したらいくらか
・貸したら家賃はいくらか
・持ち続けたら年間いくらかかるか
・解体するといくらかかるか
本記事の要点を整理します。
・まず①相続人 ②相続登記 ③家の状態を確認する
・相続登記は義務。取得を知った日から3年以内(過去の相続は2027年3月31日まで)
・選択肢は売る・貸す・住む・解体・保有の5つ
・「とりあえず空き家」は無料ではない
・片付け・リフォーム・解体の前に査定を受ける
・空き家3,000万円特別控除は昭和56年5月31日以前の建築が要件
・兄弟で揉めないために、まず価格を把握する
査定を受けること=売ることではありません。
数字が分かれば、保有する判断にも根拠が生まれます。
当社は名古屋市を中心に愛知県全域で、相続にともなう不動産のご相談を承っています。司法書士・弁護士・税理士と連携しているため、相続登記が済んでいない状態からでもご相談いただけます。
実家をどうするか、一緒に整理しませんか
「売ると決めていないが、いくらか知りたい」
「相続登記がまだ終わっていない」
「兄弟と話す前に価格を把握したい」
「荷物が残ったままだけど相談できる?」
——こうした段階でも構いません。
司法書士・弁護士・税理士と連携。相続登記からご相談いただけます。
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※本記事は2026年9月時点の情報に基づいて作成しています。税制・登記制度は改正される場合があります。相続登記、税金の特例の適用可否については、司法書士・税務署・税理士等の専門家にご確認ください。遺産分割に関する法的判断は弁護士にご相談ください。維持費の試算は一例であり、実際の金額は物件により大きく異なります。
