
借地権付き建物は売却できる?地主の承諾・売り方・承諾料を解説
「借地だから売れない」ではありません
「借地権付きの家を相続したが、売れるのだろうか」
「地主に反対されたら、どうしようもないのでは」
こうしたご相談をいただくことがあります。
結論から申し上げます。借地権付き建物は売却できます。ただし所有権の土地建物とは、売り方がまったく違います。
借地権付き建物の売却で重要なのは、
「いくらで売るか」より先に「誰に・どの権利の形で売るか」を決めることです。
地主に売るのか、第三者に売るのか、底地とセットで売るのか——選ぶ方法によって、価格も、手続きも、必要な期間もまったく変わります。
本記事では、5つの売却方法、地主の承諾の実際、譲渡承諾料、そして買主の住宅ローンまで整理します。

この記事でわかること
・まず確認すべき「あなたの借地権の種類」
・借地権付き建物を売る5つの方法
・地主の承諾はいつ必要か、断られたらどうするか
・譲渡承諾料の考え方
・買主の住宅ローンが売れやすさを左右する理由
・売却価格はどう決まるか
借地権付き建物は売却できる?
はい、売却できます。
ただし所有権の土地建物売買と違い、次の要素が売却に影響します。
| 影響する要素 | なぜ重要か |
|---|---|
| 借地権の種類 | 更新できるか、期間満了後どうなるかが違う |
| 地主との契約内容 | 譲渡・建替えの条件が定められている |
| 残存期間 | 買主の評価と融資に直結する |
| 地主の承諾 | 第三者へ売る場合の前提になることが多い |
| 買主の融資 | ローンが使えるかで買える人の数が変わる |
「借地だから売れない」のではなく、
売却方法が普通の所有権物件とは違う——これが実態です。
そして売り方を間違えると、売れるものも売れなくなります。逆に適切な方法を選べば、想定より高く売れることもあります。
最初に確認|あなたの借地権は何?
売却を考える前に、ご自身の借地権がどの種類かを確認してください。ここを飛ばすと話が進みません。
まず「賃借権」か「地上権」か
借地借家法上の借地権は、建物所有を目的とする土地の「賃借権」または「地上権」です。
この2つは性質が異なり、譲渡するときの扱いが大きく違います。
・土地賃借権 → 譲渡には原則として地主の承諾が必要
・地上権 → 原則として地主の承諾なく譲渡できる
もっとも、個別の契約内容や登記の状況は確認が必要です。実務上は賃借権であることが多いため、本記事の以降の説明は主に土地賃借権を前提としています。まず契約書でご確認ください。
次に借地権の種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 旧借地法による借地権 | 1992年8月より前の契約。古い契約では該当することが多い |
| 普通借地権 | 更新を前提とする。借地借家法に基づく |
| 定期借地権 | 期間満了で終了。更新がない |
定期借地権は、期間満了後の扱いが普通借地権とはまったく違います。残存期間が短いほど買主の選択肢が狭まるため、売却への影響が大きくなります。
契約書で確認したい7項目
| 確認項目 | 売却で重要な理由 |
|---|---|
| 借地権の種類 | 更新の可否と残存期間が変わる |
| 賃借権/地上権 | 譲渡時の扱いが違う |
| 残存期間 | 買主の評価と融資に影響する |
| 地代 | 買主の毎月の負担になる |
| 更新料 | 将来発生する負担 |
| 譲渡条項 | 地主承諾の条件が書かれている |
| 建替え条項 | 将来の商品力に関わる |
契約書が見当たらない場合もあります。特に相続した物件では、書類の所在が分からないことが少なくありません。
その場合は地主に確認することになりますが、連絡の仕方によっては関係がこじれることもあります。先に不動産会社へご相談いただく方が安全な場合があります。
借地権付き建物を売る5つの方法

ここが本記事の中核です。どの方法を選ぶかで、結果がまったく変わります。
①地主に買い取ってもらう
地主が借地権と建物を取得する方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 買主を探す必要がない 地主の承諾問題が生じない 手続きが比較的シンプル |
地主に購入の意思があるとは限らない 資金力の問題で実現しないこともある 価格交渉が難しい場合がある |
地主にとっては底地が完全な所有権に戻るため、メリットがあります。まず打診する価値はあります。
②第三者へ借地権付き建物として売る
最も一般的な形です。買主は借地権と建物を取得し、地主との借地契約を引き継ぎます。
この方法では、土地賃借権の場合、地主の承諾が重要になります。詳しくは第4章で解説します。
また買主が住宅ローンを使えるかどうかも、売れやすさを大きく左右します(第6章)。
③地主と協力して「所有権」として同時売却する
これが最も見落とされている選択肢です
借地人が「建物+借地権」を、
地主が「底地」を、
同じ買主へ同時に売却する方法です。
結果として、買主は所有権の土地建物を取得できます。
この方法の利点は明確です。借地権付き物件より、購入できる人の幅が大きく広がります。
・買主は通常の住宅ローンを使いやすい
・地代や更新料の負担がない
・建替え時に地主の承諾が不要になる
・結果として、売却価格が高くなる可能性がある
地主にとっても、底地単独で売るより有利な条件になりうるため、協力を得られる可能性があります。
ただし地主との交渉と、売却代金の配分の合意が必要です。専門的な調整になるため、不動産会社を介して進めることをおすすめします。
④地主から底地を買ってから売る
資金に余裕があれば、先に底地を買い取って完全所有権にしてから売却するという方法もあります。
・借地権+底地=完全な所有権
・所有権として売却できるため、買主の幅が広がる
ただし一時的にまとまった資金が必要です。また地主が売却に応じるとは限りません。
⑤借地権を扱う買取業者へ売る
次のような場合の選択肢です。
・地主との関係が難しい
・建物が築古で、一般の買主が見つかりにくい
・早く現金化したい
借地権の取り扱いに慣れた業者であれば、地主との交渉を含めて対応できることがあります。ただし一般の買主への仲介と比べ、価格が低くなる可能性があります。
5つの方法を比較すると
| 方法 | 価格 | 実現しやすさ |
|---|---|---|
| ①地主へ売却 | 交渉次第 | 地主の意思次第 |
| ②第三者へ売却 | 市場相場 | 承諾が前提 |
| ③同時売却 | 高くなりうる | 地主の協力が必要 |
| ④底地取得後に売却 | 高くなりうる | 資金が必要 |
| ⑤買取業者 | 低めになりやすい | 比較的容易 |
どれが最適かは、地主との関係、資金、急ぐかどうかで変わります。まず全ての選択肢を検討してから決めてください。
地主の承諾はいつ必要?

土地賃借権の場合、第三者への譲渡には承諾が必要です
借地上の建物を譲渡すると、建物の所有権とともに敷地の賃借権も譲渡されたものと解されます(最高裁昭和47年3月9日判決)。
そして民法612条1項により、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲渡できません。
つまり借地権付き建物を第三者へ売る場合、地主の承諾が前提になります。
無断で売却すると
民法612条2項では、賃借人が承諾を得ずに第三者に使用収益させたとき、賃貸人は契約を解除できると定められています。
無断譲渡は契約解除など重大な問題につながる可能性があります。建物があっても土地を使えなくなれば、資産価値は大きく損なわれます。必ず正規の手順で進めてください。
地主が承諾してくれない場合
ここで重要な制度があります。借地借家法19条の「借地非訟」です。
裁判所が地主の承諾に代わる許可を出せます
借地権者が建物を第三者に譲渡しようとする場合、その譲渡が地主に不利となるおそれがないにもかかわらず地主が承諾しないときは、裁判所が借地権者の申立てにより、承諾に代わる許可を与えることができます(借地借家法19条1項)。
借地人が建物に投じた資本を回収する道を確保するための制度です。
裁判所は、譲り受ける人に地代を支払う資力があるかなどを判断材料とします。また許可にあたっては、財産上の給付(承諾料)の支払いや借地条件の変更を命じることができます。
ただし「地主の介入権」があります
ここは知っておくべき点です
借地非訟で第三者への譲渡許可を申し立てた場合、地主は「自分が買い取る」と申し出ることができます(借地借家法19条3項)。これを介入権(優先譲受申立)といいます。
この申立ては裁判所が定める期間内に行う必要があり、認められた場合は裁判所が定める価格で地主が建物と借地権を取得することになります。
つまり借地非訟を申し立てたからといって、必ず希望する相手に売れるわけではありません。地主が介入権を行使する可能性も想定しておく必要があります。
また借地非訟は時間と費用がかかります。弁護士への依頼も必要になるでしょう。まずは地主との協議を尽くすことが現実的です。
譲渡承諾料はいくら?
検索されることの多いテーマですが、法律で一律の額が決まっているわけではありません。
実務上は借地権価格を基準に協議される例があります。ただし実際の金額は、契約内容・地域の慣行・地主との関係・借地の条件などによって異なります。
「借地権価格の◯%が相場」と断定できるものではないため、個別に確認が必要です。
似た名前の費用を混同しないでください
| 名称 | 発生する場面 |
|---|---|
| 譲渡承諾料 (名義書換料) |
借地権を第三者へ譲渡することを承諾してもらうとき |
| 建替承諾料 | 建物を建て替えることを承諾してもらうとき |
| 更新料 | 借地契約を更新するとき |
| 条件変更承諾料 | 借地条件(用途など)を変更するとき |
これらはそれぞれ別の場面で発生する費用です。売却時に問題になるのは主に譲渡承諾料ですが、買主が建替えを予定していれば建替承諾料も論点になります。
なお借地非訟による場合、承諾料は当事者の協議で決まらなければ、裁判所が選任した不動産鑑定士の鑑定などをもとに判断されます。
買主の住宅ローンが売れやすさを左右する

買える人が減れば、売れにくくなる。
これが借地権売却の本質です。
見落とされがちですが、売主にとって最も影響が大きいのは「買主が住宅ローンを使えるか」です。
借地権付き住宅でもローンは使えます
たとえばフラット35では、敷地が借地(普通借地権、定期借地権、建物譲渡特約付借地権)であっても、一定の要件を満たせば利用できる場合があります。
ただし条件があります。
担保設定について
原則として敷地に第1順位の抵当権を設定することが求められます。つまり地主の協力が必要になります。
(抵当権設定について地主の承諾が得られない場合でも、利用できる場合があります。詳細は金融機関にご確認ください)
借入期間について
・普通借地権 → 通常の借入期間と同様の扱い
・定期借地権・建物譲渡特約付借地権 → 通常の借入期間と借地権の残存期間を比較して、短い年数が上限
売主目線で何が問題になるか
つまり次のような状況では、買える人が減ります。
・借地権の残存期間が短い(特に定期借地権)
・地主が抵当権設定に協力的でない
・担保設定などの条件が整えにくい
買主が現金を用意できる人に限られると、購入検討者は一気に減ります。結果として売却期間が長引いたり、価格を下げざるを得なくなったりします。
だからこそ「地主が住宅ローンに協力してくれるか」は、売り出す前に確認したい重要事項です。
なお金融機関によって取り扱いは異なります。借地権付き物件を扱った実績のある金融機関があるかどうかも、実務上は重要になります。
借地権付き建物が売れにくくなる7つの条件
| 条件 | なぜ影響するか | |
|---|---|---|
| ① | 借地期間が短い | 買主のローン期間に影響。将来の不安要素にもなる |
| ② | 地主が譲渡に非協力的 | 承諾が得られないと第三者への売却が進まない |
| ③ | 地代が高い | 買主の毎月の負担が重くなる |
| ④ | 更新料・承諾料の条件が曖昧 | 買主が将来の負担を見積もれない |
| ⑤ | 建替え制限が厳しい | 買主が将来の建替えを想定できない |
| ⑥ | 建物が築古 | 建物価値が乏しく、修繕負担が大きい |
| ⑦ | 買主の住宅ローンが使いにくい | 購入できる層が限られる |
逆に、売りやすい条件もあります
・地主との関係が良好
・契約書が明確で条件がはっきりしている
・残存期間が十分にある
・地代が周辺水準に照らして適正
・駅が近いなど立地が良い
・建物の状態が良好
・地主が住宅ローンに協力的
これらの条件が揃っているほど、借地権付き建物でも購入検討者を見つけやすくなります。借地権付き建物の売買自体は、実際に行われています。
地主とは「売り出す前」に何を話す?
いきなり「売ります、承諾してください」は避けてください
地主にとっては突然の話です。伝え方によっては警戒され、その後の交渉が難しくなることがあります。
確認したい7つのこと
① 売却を考えていることを伝える
まず意向を共有します。
② 地主自身に購入の意向があるか
あれば最もシンプルな解決になります。
③ 第三者への売却を認めてもらえるか
承諾の見込みを早い段階で確認します。
④ 譲渡承諾料の考え方
金額の目安を確認しておきます。
⑤ 買主に求める条件
地主が気にする点を把握します。
⑥ 新しい借地契約の条件
買主が引き継ぐ条件を整理します。
⑦ 住宅ローンへの協力
抵当権設定に応じてもらえるかは重要です。
さらに、同時売却の可能性も
第3章で触れた「底地と同時に売却する」という選択肢についても、この段階で打診できます。地主にとってもメリットがある提案なので、反応を見る価値はあります。
地主に連絡する前に、ご相談いただく方がよい場合があります
借地の売却は、地主との関係が結果を大きく左右します。一度こじれると修復が難しく、条件面でも不利になりかねません。
どう切り出すか、何を先に確認するか、どの方法を提案するか——整理してから話を始める方が、結果的にスムーズに進むことが多いです。
売買契約の組み方にも工夫があります
「地主の承諾を取ってからでないと売買契約できない」と固定的に考える必要はありません。
ケースによっては、地主の譲渡承諾を停止条件とした売買契約という組み方も検討されます。買主が決まった状態で承諾を求める方が、話が進みやすい場合もあるためです。
ただし契約設計は個別性が高い領域です。実際の案件では、宅建士や弁護士と条件を整理しながら進めることになります。
借地権付き建物の売却価格はどう決まる?
査定では、次のような要素を見ます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 更地価格 | その土地が所有権だった場合の価格 |
| 借地権割合 | 更地価格に対する借地権の割合 |
| 残存期間 | 短いほど評価が下がる傾向 |
| 地代 | 買主の継続負担 |
| 更新条件 | 更新料の有無と水準 |
| 地主の承諾の見込み | 得られなければ売却自体が難しい |
| 建物価格 | 築年数、状態、リフォーム履歴 |
| 駅距離・需要 | そのエリアに買いたい人がいるか |
重要|路線価の借地権割合=売却価格ではありません
国税庁が公表している借地権割合は、相続税や贈与税の評価に用いるものです。
実際の売却価格とは目的が異なります。「路線価図の借地権割合が70%だから、更地価格の70%で売れる」というものではありません。
実際の価格は、残存期間、地主の対応、建物の状態、市場の需要などで決まります。
この点を誤解したまま売り出すと、想定と実際の価格に大きな差が出ます。査定を受ける際は、なぜその金額になるのかを確認してください。
借地権付き建物の税金
借地権を売却して利益が出た場合、譲渡所得として課税対象になります。
3,000万円特別控除が使える場合があります
マイホームを売ったときの居住用財産の3,000万円特別控除は、一定の要件を満たせば、家屋とともに譲渡する借地権も対象に含まれます。
借地だからといって、自動的に対象外になるわけではありません。
要件は複数あるため、ご自身のケースが該当するかは税務署または税理士にご確認ください。
譲渡所得の基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡所得 | 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用 |
| 取得費 | 借地権取得時の権利金等+建物の取得価額等(建物は減価償却相当額を考慮) |
| 譲渡費用 | 仲介手数料、譲渡承諾料など |
| 所有期間 | 5年超か以下かで税率が変わる |
取得費が分からないケースが多いのが借地権の特徴です。特に相続した場合、先代が支払った権利金の記録が残っていないことがあります。
契約書や領収書が見つかれば取得費として使える可能性があるため、売却を考え始めたら探してみてください。
税務の取り扱いは個別性が高く、また改正されることもあります。具体的な計算は税務署または税理士にご確認ください。
相続した借地権付き建物を売る場合

相続をきっかけに売却を検討される方は少なくありません。この場合、通常より確認事項が増えます。
確認したい5つのこと
① 相続登記が済んでいるか
建物の名義が被相続人のままでは売却手続きに進めません。
② 借地契約の名義
契約上の借地人が誰になっているかを確認します。
③ 地主への連絡
相続による借地権の承継は第三者への譲渡とは異なるため、原則として地主の譲渡承諾を得る手続きではありません。ただし今後の地代支払いや契約関係を整理するため、地主へ相続の発生と新しい借地人を連絡し、契約書上の手続きも確認しておきましょう。
④ 相続人が複数いる場合
共有状態であれば、全員の合意が必要になります。
⑤ 建物の状態
長く空き家だった場合、老朽化が進んでいることがあります。
当社は弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士と連携しています。相続登記が済んでいない状態からのご相談も承ります。
「何から手を付ければいいか分からない」という段階でも構いません。
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相続した不動産の選択肢を整理しています。借地権に限らず、実家をどうするか迷っている方はこちらもご覧ください。
記事を読む →よくあるご質問
Q. 借地権付き建物は普通の不動産会社でも売れますか?
売却自体は可能ですが、借地権の取り扱いには専門的な知識が必要です。地主との交渉、承諾の取り付け、契約条件の設計など、所有権の売買とは進め方が異なります。借地権の取引経験がある会社に相談する方が安全です。
Q. 地主が売却を認めない場合は売れませんか?
そうとは限りません。借地借家法19条により、裁判所が地主の承諾に代わる許可を与えることができる制度があります(借地非訟)。ただし時間と費用がかかり、地主が介入権を行使して自ら買い取る可能性もあります。まずは協議を尽くすことが現実的です。
Q. 譲渡承諾料はいくらですか?
法律で一律には決まっていません。実務上は借地権価格を基準に協議される例がありますが、契約内容・地域慣行・地主との関係などによって異なります。
Q. 地主に買い取ってもらうことはできますか?
可能です。地主にとっては底地が完全な所有権に戻るというメリットがあります。ただし購入の意思や資金があるかは地主次第です。まず打診してみる価値はあります。
Q. 借地権だけを売ることはできますか?
建物を残したまま借地権だけを譲渡するのは、実務上は一般的ではありません。通常は建物と借地権をセットで売却します。建物を解体して更地の借地権として売る場合は、地主との条件確認が必要です。
Q. 借地権付き中古住宅でも住宅ローンは使えますか?
使える場合があります。たとえばフラット35では、敷地が借地でも一定の要件を満たせば利用できる場合があります。ただし敷地への抵当権設定など条件があり、地主の協力が必要になることがあります。金融機関により取り扱いは異なります。
Q. 借地期間が短くても売却できますか?
売却は可能ですが、残存期間が短いほど買主の選択肢は狭まります。特に定期借地権では、住宅ローンの借入期間が残存期間に制限される場合があります。更新の可否も含めて確認が必要です。
Q. 相続した借地権付き建物も売れますか?
売却できます。ただし相続登記を済ませる必要があります。また相続人が複数いる場合は全員の合意が必要です。当社は士業と連携しているため、登記が未了の状態からのご相談も承ります。
Q. 地主に無断で売却したらどうなりますか?
絶対に避けてください。民法612条2項により、賃貸人は契約を解除できるとされています。契約解除など重大な問題につながる可能性があります。
まとめ|「誰に・どの権利の形で売るか」を先に決める

借地権付き建物の売却で重要なのは、
「いくらで売るか」より先に
「誰に・どの権利の形で売るか」を決めることです。
選択肢は5つあります。
① 地主に売る
② 第三者に借地権付き建物として売る
③ 底地と同時に売って所有権にする
④ 底地を買ってから所有権として売る
⑤ 買取業者へ売る
どれを選ぶかで、価格も手続きも期間もまったく変わります。
本記事の要点を整理します。
・まず「賃借権か地上権か」「借地権の種類」を契約書で確認する
・土地賃借権の第三者譲渡には地主の承諾が前提(民法612条)
・承諾が得られなくても借地非訟という制度がある(借地借家法19条)
・ただし地主の介入権もあるため、協議が先
・譲渡承諾料に法律で決まった額はない
・買主が住宅ローンを使えるかが売れやすさを左右する
・路線価の借地権割合は売却価格ではない
そして最も大切なのは、地主との関係です。
借地権の売却は、地主の協力があるかどうかで結果が大きく変わります。連絡の仕方ひとつで、その後の交渉が変わることもあります。
地主に切り出す前に、一度ご相談いただく方が安全な場合があります。
当社は名古屋市を中心に愛知県全域で、借地権を含む不動産の売却をお手伝いしています。「そもそも売れるのか」という段階でのご相談も歓迎です。
借地権付き建物の売却、まずはご相談ください
「地主にどう切り出せばいい?」
「そもそも売れるのか知りたい」
「相続したが契約書が見当たらない」
——こうした段階でも構いません。
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※本記事は2026年9月時点の情報に基づいて作成しています。法令の解釈や適用は個別の事情により異なります。実際の売却にあたっては、契約書の内容を確認のうえ、宅地建物取引士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。住宅ローンの取り扱いは金融機関により異なります。税務については税務署または税理士にご確認ください。

