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仲介手数料の上限はどう改正された?媒介報酬と売主負担の最新ルール解説

売却ブログ

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

宅地建物取引士  不動産業界キャリア15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

不動産を売却するにあたって、最終的にいくら手元に残るのかを正確に把握するには、仲介手数料や媒介報酬の仕組みを理解しておくことが欠かせません。
特に、宅地建物取引業法や国土交通大臣告示で定められた上限と、近年の改正内容は、売主の負担額に直接影響します。
しかし、専門用語が多く、速算式や特例まで含めて整理するのは簡単ではありません。
そこで本記事では、仲介手数料と媒介報酬の基本から、改正による上限の変化、低廉な空き家等の特例、そして売主自身でできる売却コストの試算方法までを、順を追って分かりやすく解説します。
売却前に知っておきたいポイントを押さえ、安心して資金計画を立てるための参考にしてください。

売主が知るべき仲介手数料と媒介報酬の基本

不動産を売却する際には、売買代金だけでなく、仲介手数料として支払う媒介報酬が重要な費用になります。
仲介手数料とは、売買契約の成立に向けて不動産会社が行う広告活動や案内、交渉、契約事務などに対する報酬のことです。
売主は、この仲介手数料が売却コスト全体の中でどの程度の割合を占めるのかを把握しておくことで、手取り額を正確に見通すことができます。
そのため、売却を検討する段階から、仲介手数料の仕組みと位置づけを理解しておくことが大切です。

仲介手数料は、法律上は「媒介報酬」と呼ばれ、宅地建物取引業法第46条と、その規定に基づく国土交通大臣告示によって上限額が定められています。
ここでいう「上限」とは、不動産会社が売主や買主から受け取ることのできる報酬の最高限度額を意味し、それを超える報酬を受け取ってはならないという考え方です。
一方で、実際に請求される仲介手数料は、この上限の範囲内であれば、媒介契約で取り決めた金額とされるのが一般的です。
したがって、売主としては、法令で定められた上限と、自身が締結する媒介契約書の内容の両方を確認する必要があります。

一般的な不動産売買では、売買価格に応じた仲介手数料の速算式が用いられており、多くの場合「売買価格×一定割合+加算額」で上限額を計算します。
宅地建物取引業法に基づく国土交通大臣告示では、価格帯ごとに異なる割合が定められており、一定額を超える部分には原則として同じ割合が適用されます。
その結果として、一定水準以上の価格帯の売買では、売主負担の目安が売買価格のおおよそ数%となるケースが多く、消費税相当額が別途加算される点にも注意が必要です。
売却の初期検討段階では、この速算式を用いて概算の仲介手数料を算出し、手取り額の目安をつかんでおくと安心です。

項目 内容 売主の確認ポイント
仲介手数料 不動産会社への媒介報酬 売却代金との割合確認
上限額の根拠 宅地建物取引業法と告示 上限内かどうかの確認
速算式 価格帯別の計算方法 概算手数料と手取り試算

改正で変わった仲介手数料の上限と売主への影響

まず、売買の媒介報酬に関する近年の改正では、「低廉な空家等」に対する特例が段階的に見直されてきたことが重要です。
平成30年の改正で、一定額以下の空家等について通常より高い仲介手数料を受領できる仕組みが導入されました。
さらに令和6年7月1日施行の改正では、この特例の対象価格帯と上限額が拡大されました。
このような経緯を踏まえると、売主にとっては、取引価格帯によって上限がどのように変わるかを整理して理解しておくことが大切です。

次に、売主から受領できる仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法第46条と国土交通大臣告示に基づき、売買価格に応じた料率を乗じて算出した金額が基本となります。
具体的には、報酬告示に定められた区分ごとの料率を用いて計算し、その合計額が依頼者一方から受領できる上限です。
令和6年の改正によっても、この基本的な算定方法自体は維持されています。
一方で、「低廉な空家等」のような特例が適用される場合には、本則で計算した金額を上回る報酬を受領できる余地が認められており、売主としては自分の取引が本則か特例かを確認する必要があります。

改正前後で売主の支払額が変わり得る代表的なケースとして、売買価格が一定額以下の空家等に該当する場合が挙げられます。
従来は、物件価格が400万円以下の低廉な空家等について、一律の上限額が定められていましたが、令和6年の改正により、対象となる価格帯が800万円以下まで広がり、上限額も引き上げられました。
そのため、同じ価格帯の物件であっても、改正前より売主が支払うことになり得る仲介手数料が高くなる可能性があります。
もっとも、実際にどの水準で仲介手数料が設定されるかは媒介契約の内容によるため、売主は契約前に上限額と算定根拠を丁寧に確認することが重要です。

改正の時期 主な対象 売主への主な影響
平成30年改正 400万円以下低廉な空家等 一律上限導入による負担増の可能性
令和6年7月改正 800万円以下の低廉な物件 対象拡大と上限額引上げ
現行本則 一般の売買全般 価格区分ごとの料率で上限算定

低廉な空き家等の特例と売主の仲介手数料負担

まず「低廉な空家等」とは、一定額以下の価格で売買される空き家やその敷地を対象とした制度であり、国土交通省の告示で上限額などが定められています。
一般的には、個人が売主となり、かつ価格が比較的低い空き家等の流通を促進するために設けられた仕組みです。
このため、通常の売買と同じ仲介手数料の考え方では負担が重くなりやすいケースについて、特例として別の上限が用意されていると理解すると分かりやすいです。
まずは、どのような価格帯の物件が対象になり得るかを押さえておくことが大切です。

次に、売主から受領できる媒介報酬の特例について整理しておく必要があります。
低廉な空き家等に該当する売買では、通常の速算式による上限とは別に、報酬額の上限や算定方法が告示で示されています。
ただし、「低廉な空家等」であれば一律に特例が適用されるわけではなく、媒介の依頼者が個人であることや、売買価格が一定額以下であることなど、複数の条件を同時に満たすことが求められます。
そのため、実際に特例を使えるかどうかは、物件の状況と売主の属性を丁寧に確認することが重要です。

さらに、特例が適用される場合と一般ルールが適用される場合とでは、売主が負担する仲介手数料の上限額が変わる点にも注意が必要です。
低廉な空き家等の特例では、売買価格が低い場合でも、一定の範囲内で媒介報酬を受領できるよう配慮されていますが、条件を外れると一般の計算方法に戻ります。
そのため、売買価格の水準や、どの制度で計算されているかによって、最終的な支払額が異なってきます。
売主としては、どちらのルールが適用されるのかを事前に把握し、売却コストの見込みを立てておくことが大切です。

項目 低廉な空き家等特例 一般ルール
対象となる物件 一定額以下の空き家等 価格条件のない売買物件
売主の属性 個人が依頼者 個人法人いずれも対象
仲介手数料の上限 特例の定める上限額 速算式による上限額

売主が売却コストを正確に把握するための実務ポイント

売却コストを正確に把握するためには、まず仲介手数料の上限額と消費税の扱いを確認することが重要です。
仲介手数料は宅地建物取引業法第46条および国土交通大臣告示で上限が定められており、売買価格に応じた速算式で概算額を求めることができます。
そのうえで、司法書士報酬や登記費用、測量費用など、仲介手数料以外に必要となる費用項目も整理しておくと安心です。
これらを一覧にしておくことで、売却代金から手取り金額を逆算しやすくなります。

媒介契約書では、仲介手数料の上限額と実際に請求される予定額、支払時期の記載を必ず確認することが大切です。
また、成功報酬であることや、広告費・現地案内費などが仲介手数料に含まれるのか、別途精算なのかも明記されているかをチェックします。
重要事項説明書では、取引態様や手数料額、支払方法などが説明されるため、内容に疑問があればその場で確認し、後日のトラブルを防ぐことができます。
書面の控えは、支出の記録としても必ず保管しておくことが望ましいです。

売主自身で売却コストを試算する際は、売買価格から仲介手数料(上限速算式に基づく概算)と消費税、その他の付随費用を順に差し引いていく方法が有効です。
その結果得られる手取り金額を基準に、次の住まいの取得費用やローン返済、老後資金などの資金計画に反映させていきます。
なお、実際の費用は物件や契約内容により変動するため、最終的には不動産会社から具体的な見積書を取り寄せて、試算結果との差を確認することが大切です。
こうした手順を踏むことで、売却後の資金不足を未然に防ぎやすくなります。

確認する費用項目 主な内容 売主の実務ポイント
仲介手数料 上限額と消費税 速算式で概算把握
登記・専門家費用 司法書士報酬など 見積書で事前確認
その他付随費用 測量・書類取得費 必要性と金額整理

まとめ

仲介手数料や媒介報酬の上限は、宅地建物取引業法と国土交通大臣告示で厳密に定められており、売主が支払う費用も明確なルールがあります。
近年の改正や低廉な空家等の特例を正しく理解すれば、無駄なコストを抑えながら安心して売却を進めることができます。
仲介手数料の上限額や消費税、その他費用を整理し、事前に売却コストを試算しておくことが重要です。
当社では、最新の法令・告示に基づいて売却コストをわかりやすくご説明し、資金計画づくりまで丁寧にサポートいたします。
「自分の場合はいくらかかるのか」を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。



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