
【ご成約事例】尾張旭市南本地ケ原町の一棟マンション|収益物件の売却
愛知県尾張旭市南本地ケ原町三丁目の一棟マンションについて、ご売却のお手伝いをさせていただきました。
売り出しから比較的早い段階で購入希望者様が見つかり、売主様にお喜びいただけた取引です。あわせて売却にともなう引継ぎ作業もすべて当社にお任せいただき、売主様の手間を大幅に減らすことができました。
一棟マンションの売却は、区分所有の1戸を売るのとはまったく別の作業量になります。何がどう違うのか、そして「引継ぎ」と一言で呼ばれるものの中身は何なのか。今回はそこを具体的に書きます。
一棟マンションは、買える人が限られています
まず前提の話です。一棟マンションは、区分マンションの1戸と比べて買主候補の数が桁違いに少ない商品です。
金融庁が令和8年7月に公表したモニタリング・分析レポートによれば、ネット銀行等の投資用不動産向け融資は、新規実行額・残高とも約9割が投資用マンション(区分)向けでした。1件あたりの融資額は2,000万〜3,000万円台が中心です。
つまり一棟物件への融資は件数として少数派ということになります。同レポートでは借入者の46%が年収1,000万円以上とされており、この分野の買い手が限られた層であることもうかがえます。
この事実は、売却の進め方を変えます。買える人が少ないなら、その少ない層に確実に届く売り方をしなければなりません。誰でも見られる場所に出しておけばいつか売れる、という商品ではないのです。
今回、早い段階で購入希望者様が見つかったのは、この点を踏まえて動いた結果だと考えています。
一棟マンション・アパートのご売却、いくらで売れるかお伝えします
尾張旭市・名古屋市を中心に、収益物件のご売却をお手伝いしています。査定だけのご依頼、売却をまだ決めていない段階でのご相談も承ります。
一棟のオーナーが負っている義務は、区分とは別物です
区分所有のマンションでは、建物の維持管理に関する法定義務のほとんどを管理組合が担います。所有者は管理費と修繕積立金を払い、総会に出るのが基本です。
ところが一棟マンションでは、これらをすべてオーナー自身が負います。管理会社に委託していても、法律上の義務者はオーナーです。
消防:点検の頻度と報告の頻度は別です
ここは誤解の多い部分です。共同住宅は消防法施行令別表第一の(五)項ロにあたり、非特定防火対象物に分類されます。
| 項目 | 頻度 | 根拠 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 6か月に1回 | 消防法17条の3の3 |
| 総合点検 | 1年に1回 | 同上 |
| 消防長・消防署長への報告 | 3年に1回 | 消防法施行規則31条の6第3項 |
点検は年2回行いますが、報告は3年に1回です。旅館やホテルのような特定防火対象物は年1回の報告が必要ですが、共同住宅は3年に1回。ここを取り違えている解説をよく見かけます。
もうひとつ、防火管理者の選任も見落とされがちです。共同住宅では収容人員50人以上で防火管理者を定め、消防計画を作成する義務があります。所有者が変われば、新しいオーナーが選任届を出し直す必要があります。
建築基準法12条の定期報告:愛知県では共同住宅は対象外です
これは愛知県内の物件をお持ちの方にぜひ知っていただきたい点です。
建築基準法12条は、一定の建築物について定期的な調査・報告を義務づけていますが、どの建築物を対象とするかは特定行政庁が定めます。愛知県が公表している「定期報告制度に関するQ&A」(令和8年4月更新)には、はっきりこう書かれています。
愛知県は共同住宅を特定建築物に指定していないため、対象になりません。
したがって愛知県内の純然たる賃貸共同住宅は、規模を問わず特定建築物定期調査の対象外です。ただしサービス付き高齢者向け住宅や老人ホーム等として使われる施設は、就寝用の福祉施設用途として報告対象になります。
一方でエレベーターは別扱いです。同じQ&Aによれば、昇降機は設置された施設の用途や規模にかかわらず報告対象で、報告時期は検査済証の交付を受けた日の応当月ですから、実質的に年1回となります。
建物本体の報告は不要でも、共用エレベーターがあれば毎年の検査報告が必要です。この書類の引継ぎは、売買では必ず確認すべき項目になります。
受水槽:有効容量10㎥が分かれ目です
| 区分 | 受水槽の有効容量 | 義務 |
|---|---|---|
| 簡易専用水道 | 合計10㎥を超える | 年1回以上の検査(登録検査機関)/年1回以上の清掃 |
| 小規模貯水槽水道 | 10㎥以下 | 水道法上の義務なし(尾張旭市は「準じて検査を受けるよう努めて」と案内) |
ここでひとつ、情報が古くなっている解説が非常に多い点をお伝えします。
水道行政は令和6年4月1日に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管されました。したがって検査機関は「厚生労働大臣登録検査機関」ではなく、「国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた簡易専用水道検査機関」が正しい表記です。尾張旭市の公式ページも現在この表記になっています。
検査だけでなく、水槽の清掃も毎年1回以上が管理基準として定められています。あわせて、色・濁り・臭い・味・残留塩素の確認も日常の管理項目です。
だから「引継ぎ」が重い。今回はそこをお引き受けしました
ここまで見てきた義務のすべてに、書類と契約がぶら下がっています。一棟マンションを売るということは、これらを漏れなく次のオーナーへ渡すということでもあります。
そしてこの引継ぎは、法律上の扱いが3種類に分かれます。ここを整理しないまま進めると、抜けが出ます。
| 扱い | 該当するもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 法律上、当然に移る | 賃貸人たる地位/敷金の返還債務/費用の償還債務 | 民法605条の2 第1項・第4項 |
| 当然には移らない | 管理委託契約/清掃・エレベーター保守・消防点検・貯水槽清掃の各契約/火災保険 | 委任・請負・保険契約の性質 |
| 慣行として行う | 入居者への賃貸人変更通知/賃料振込口座の案内/各種書類の引渡し/固都税の日割精算 | 法令上の義務ではない |
入居者への通知は、実は法律上の義務ではありません
意外に思われるかもしれませんが、民法に入居者への通知を義務づける規定はありません。
民法605条の2第3項が定めているのは、「賃貸人たる地位の移転は、所有権移転登記をしなければ賃借人に対抗できない」ということです。つまり買主が入居者に賃料を請求するために必要なのは、通知ではなく登記です。
それでも通知書を必ず送るのは、実務上の理由があるからです。賃料の二重払いや誤った振込を防ぐこと。敷金を返す相手が誰なのかを明確にすること。解約の申し入れをどこへ出せばよいかを知らせること。
今回はこの通知の作成と発送も当社でお引き受けしました。全戸分となるとそれなりの作業量です。
管理委託契約は、売っても自動では終わりません
これは金銭的な事故につながりやすい項目です。
国土交通省の「賃貸住宅標準管理受託契約書」には、物件が売却された場合に契約上の地位が買主へ移るという条項は置かれていません。実務では、売主が解約して買主が新たに管理会社と契約を結び直すか、売主・買主・管理会社の三者で承継を合意するか、いずれかになります。
問題は解約予告期間です。標準契約書では、あらかじめ定めた期間前に文書で申し入れることで契約を終了させる形になっており、実務では3か月前とされることが多くあります。
これを見落とすと、引き渡した後も管理料を払い続ける、あるいは違約金が発生する、という事態になります。売却の相談を受けた段階で契約書を確認し、逆算して動く必要があるということです。
引き継ぐ書類の一覧
| 分類 | 書類 |
|---|---|
| 賃貸関係 | 賃貸借契約書の原本(全戸分)、レントロール、敷金の一覧、連帯保証人契約・家賃債務保証会社との契約 |
| 建物 | 建築確認済証、検査済証、竣工図面(設計図書) |
| 消防 | 消防用設備等点検結果報告書の控え、防火管理者選任届の控え、消防計画 |
| 設備 | 昇降機定期検査報告書の控え、簡易専用水道の検査結果書・清掃記録 |
| 契約 | 管理委託契約書、清掃・保守・点検の各契約書 |
| その他 | 火災保険証券、共用部の電気・水道の契約情報 |
このうち検査済証・確認済証・設計図書については、その保存状況を説明することが宅建業法上の義務とされています(宅建業法35条1項6号の2ロ)。書類そのものを渡す義務ではありませんが、「あるか、ないか」は必ず説明されます。
古い建物では検査済証が見つからないことがあります。その場合、増築や大規模な改修の際に建築確認が受けにくくなるなどの制約が出るため、買主様には正直にお伝えしています。
火災保険については、売買によって自動的に買主へ移るものではありません。売主様が解約して未経過分の返戻を受け、買主様が新たに加入されるのが一般的です。引き渡し日と保険の空白期間をつくらないよう、日程の調整が必要になります。
管理を委託している場合、その会社は登録業者ですか
売却の際にあわせて確認しておきたい点です。
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)により、管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業者は国土交通大臣の登録が義務づけられています。登録業者には、業務管理者の配置、管理受託契約前の重要事項説明、家賃等の分別管理、委託者への定期報告といった義務が課されます。
登録の有無は、国土交通省の賃貸住宅管理業者検索(//etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/chintaiKensaku.do)で誰でも確認できます。買主様が管理を引き継ぐかどうかを判断する材料になりますので、売却時にお調べしておくと話が早く進みます。
なお、サブリース(特定賃貸借契約)に関する規制は戸数の要件がなく、すべての事業者に適用されます。サブリースで運用中の物件を売却する場合は、契約内容の確認がより重要になります。
南本地ケ原町という立地について
| 町丁目 | 一丁目から三丁目 |
|---|---|
| 南本地ケ原町の人口 | 1,148人/572世帯(令和8年6月30日現在) |
| うち三丁目 | 362人/191世帯 |
| 尾張旭市全体 | 83,662人/38,030世帯(同日現在) |
| 鉄道 | 名鉄瀬戸線 印場駅・旭前駅・尾張旭駅・三郷駅の4駅 |
数字をひとつ拾ってみます。南本地ケ原町三丁目は362人・191世帯ですから、1世帯あたり約1.9人です。尾張旭市全体は83,662人・38,030世帯で約2.2人。
つまりこの町丁目は、市の平均と比べて単身世帯や少人数世帯の割合が高いことになります。賃貸住宅が集まっているエリアの特徴と一致する数字です。収益物件を持つ立地として、需要の裏づけがあるということでもあります。
尾張旭市全体としては、空き家率が9.5%(平成30年 住宅・土地統計調査、市の空家等対策計画による)で、全国平均13.6%・愛知県平均11.3%をいずれも下回っています。住宅として選ばれている街だと言えます。
今回のご売却を振り返って
売主様からは「引継ぎまで任せられて助かった」というお言葉をいただきました。ここまで書いてきたとおり、一棟マンションの引継ぎは項目が多く、しかも法律上の扱いが項目ごとに違います。
敷金は放っておいても買主に移る。管理委託契約は放っておくと払い続けることになる。入居者への通知は義務ではないが、やらなければ後で必ず問題が起きる。この見極めを一つひとつ行うのが、引継ぎという仕事の中身です。
収益物件の売却をお考えの方には、査定額だけでなく、売った後に何が残るのかもあわせてご確認いただきたいと思います。どこまでを引き受けてもらえるのか。それによって、売主様の負担はまったく変わります。
当社は名古屋市を中心に、尾張旭市を含む近隣エリアの収益物件を扱っています。売却をまだ決めていない段階でのご相談も歓迎します。いくらで、どのくらいの期間で売れる見込みかを、根拠とあわせてお伝えするところから始めさせてください。
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当社は名古屋市を中心に、尾張旭市を含む近隣エリアの収益物件を扱っています。一棟物件の売却は、買主様を探すこと以上に、引き渡しに向けた準備と引継ぎに手間がかかります。
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※お客様のご意向により、物件名および所在地の詳細は掲載しておりません。※統計・行政情報は尾張旭市・愛知県・国の公表資料に基づき、数値の時点を明記しています。1世帯あたり人数は公表値からの算出です。※法令に関する記載は2026年9月時点の一般的な内容です。消防用設備等の点検・報告の要否や、定期報告の対象は建物ごとに異なりますので、所管の消防本部・特定行政庁にご確認ください。※個別の契約条件は取引ごとに異なります。
