
名古屋のランドマーク紹介「ミッドランドスクエア」
名古屋駅桜通口を出て信号を渡るとすぐに見上げる、高さ247メートルの超高層ビル「ミッドランドスクエア」。正式名称は「豊田・毎日ビルディング」で、トヨタ不動産(旧東和不動産)・トヨタ自動車・毎日新聞社の3社が共同所有する複合商業ビルです。2007年の開業以来、中部地方・東海地方で最も高いビルという地位を守り続け、名古屋駅前のランドマークとして県外・海外からの来訪者にも圧倒的なインパクトを与えています。
地下1階から地上4階にはルイ・ヴィトン・カルティエ・ディオールなどの世界的ラグジュアリーブランドが軒を並べる商業フロア、5〜6階には全座席本牛革張りシートを備えたシネマコンプレックス、そして地上220メートルという東海エリア1の高さを誇る屋外展望施設「スカイプロムナード」まで、一棟の中にこれだけの魅力が詰め込まれているのは、名古屋市内でも稀有な存在です。
本記事では、ミッドランドスクエアの歴史的背景・なぜトヨタ自動車が建設を主導したのか・テナント構成・スカイプロムナードの魅力まで、不動産仲介の視点も交えながら徹底解説します。
- ミッドランドスクエアとは|基本情報
- 【深掘り】なぜトヨタ自動車が建設を主導したのか|震災リスクから生まれた再開発
- 「中部地方最高峰」の称号を守った2mの逆転劇
- アクセス方法|名古屋駅からのルート
- フロア構成とテナント紹介
- 【深掘り】スカイプロムナードを徹底解説
- ミッドランドスクエアシネマの特徴
- オフィス棟|トヨタ自動車約3,000人が働く拠点
- 最先端技術と「地下環状ネットワーク」
- 駐車場のご案内
- 名駅エリアの再開発と周辺の住環境
- おすすめの楽しみ方・モデルコース
- まとめ|名古屋駅前の象徴的なランドマーク
「日本の真ん中」から名付けられた施設名
「ミッドランド(Midland)」とは「中部地方」を意味する言葉で、「スクエア(Square)」は「広場」を意味します。つまりミッドランドスクエアという名称には「日本の真ん中にある広場」という思いが込められています。施設のコンセプトは「感動と潤いの都市空間」「最先端の技術」「環境・社会への貢献」という3つのキーワードで構成されており、名古屋市の「名古屋新世紀計画2010」が掲げる、オフィスと商業施設のベストミックスによる「憩いと賑わい」の空間創出という理念とも合致しています。
基本データ
高さ247.0mは日本国内で第9位、中部地方・東海地方では最も高いビルという地位を誇ります。名古屋駅周辺は一日乗降客数100万人を超える広域交通ターミナルであり、その中心に建つミッドランドスクエアは、県外・海外から訪れる人々にも圧倒的なインパクトを与えるスケール感を持っています。
国鉄名古屋駅の構内だった土地に建つ歴史
ミッドランドスクエアが建つ土地は、1937年(昭和12年)に高架化されるまで国鉄名古屋駅の構内でした。1950年代に「豊田ビル」と「毎日ビル(毎日名古屋会館)」がそれぞれ建設され、長年名古屋駅前のオフィスビルとして機能していました。しかしこの2棟には、後にビルの存続を左右する重大な問題が判明します。
「阪神・淡路大震災クラスの地震で倒壊のおそれ」という調査結果
1995年の阪神・淡路大震災を受けて行われた耐震調査の結果、旧豊田ビル・旧毎日ビルの両棟は、同規模の地震が発生すれば倒壊するおそれがあることが判明しました。名古屋駅前という最重要拠点に立つビルが地震で倒壊するリスクを抱えているという事実は、トヨタグループにとって看過できない経営課題でした。これを受けて、トヨタ自動車が主体となって「豊田・再開発計画」が発案され、本格的な再開発が進められることになったのです。
単なる老朽化対応ではなく、震災リスクへの備えという安全性の観点が再開発の出発点になっていたという事実は、ミッドランドスクエアという巨大プロジェクトの背景を理解する上で重要なポイントです。
入居企業の「仮住まい先」を先行して用意する周到な準備
再開発を進めるにあたり、トヨタグループは旧豊田ビルに入居していた豊田通商の名古屋本社を恒久的に移転させるため、廃業した旧名古屋都ホテルの跡地を買収し、新たに「センチュリー豊田ビル」(2002年竣工)を建設しました。一方、毎日新聞社は日本経済新聞名古屋支社の旧社屋を取得し、中部本社を仮移転させています。こうして入居企業の移転先を先に確保した上で旧ビルを解体し、ミッドランドスクエアの建設を進めるという、周到な段取りで再開発が進められました。
「商業施設は必要か」という議論を合宿方式で乗り越えた
計画当初、駅前の立地を活かすには商業施設が不可欠という意見と、商業施設は不要という意見が事業者間で対立していました。3つの異なる事業者(トヨタ不動産・トヨタ自動車・毎日新聞社)の意見をいかに集約するかが、このプロジェクト最大のテーマでした。これをまとめるため、設計を担った日建設計は「合宿方式」を提案。毎週の定例会に加え、2〜3ヶ月に1回のペースで3事業者の研修施設などを利用した合宿を3度繰り返し、最終的に商業棟(地下1階〜地上4階の物販・飲食フロア+5・6階のシネマ)を含む現在の構成に集約されました。
なお5・6階のシネマコンプレックスは、かつて旧豊田ビル・旧毎日ビルに入っていた「毎日ホール劇場」「毎日地下劇場」「名古屋松竹座」「グランド・1〜6」という映画館の系譜を受け継ぐ後継館として位置づけられています。長年名古屋駅前にあった映画文化が、形を変えてこのビルに引き継がれているのです。
ミッドランドスクエアの高さには、知る人だけが楽しめる興味深いエピソードがあります。当初の設計では、隣接するJRセントラルタワーズ(高さ245.1m)と同じ高さになる予定でした。しかし最終的に設計が変更され、わずか2メートル高く調整されたことで、高さ247.0mとなり、中部地方で最も高いビルという称号を手にしました。
その後この称号が揺らぐ局面もありました。2008年12月、JR東海が名古屋市バスターミナルと松坂屋名古屋駅店(現在は閉店)が入居していた名古屋ターミナルビルを高さ260mのビルに建て替える計画を発表したのです。これが実現すれば、ミッドランドスクエアは中部地方最高峰の座を譲ることになっていました。しかし、その後この計画は設計変更により高さ220mに縮小され、2017年に「JRゲートタワー」として竣工しました。結果として、ミッドランドスクエアは現在も中部地方で最も高いビルという地位を維持しています。わずか数メートルの差で名古屋のスカイラインの頂点が決まるという、超高層ビル開発の競争の一端が垣間見えるエピソードです。
ミッドランドスクエアの最大の強みは、名古屋駅からの圧倒的な近さです。JR名古屋駅とは名駅通を挟んですぐの位置にあり、信号を渡って徒歩約1分で名古屋駅桜通口・名古屋鉄道(名鉄)名古屋駅に到着します。地下街を通ってもアクセス可能で、地下街経由なら地下鉄東山線名古屋駅まで徒歩1分程度、近鉄名古屋駅も徒歩数分という近さです。雨の日でも濡れずに到着できる「名古屋地下街サンロード」からの直結ルートも便利です。
名古屋駅周辺は一日乗降客数が100万人を超える広域交通ターミナルであり、新幹線・在来線・地下鉄・近鉄・名鉄のすべてが集まるこの場所からの近接性は、名古屋市内のどの商業施設と比べても際立っています。
商業ゾーンには世界を代表するラグジュアリーブランドが軒を連ね、名古屋駅前という最高の立地でブランドショッピングを楽しめる環境が整っています。毎日新聞中部本社・東海東京証券本社などもこのビル内にオフィスを構え、名古屋経済界における重要な拠点として機能しています。
地上220m、屋外型展望施設としては国内屈指の高さ
スカイプロムナードは、ミッドランドスクエアのオフィス棟44〜46階に位置する屋外型展望施設です。展望高220mという高さは東海エリア1であり、名古屋市内一望できる360度の大パノラマが楽しめます。階段ベンチ・ハイテーブル・人工芝などを備えた3つのエリアで構成され、座って・あるいは寝転んでゆったりと景色を楽しめる工夫がされています。2022年11月には「日本夜景遺産」にも登録され、夜景スポットとしての評価も非常に高いです。最高階となる46階のデッキは約230mの高さがあり、晴れた日には名古屋の街並みだけでなく、夜には満天の星空までも楽しめます。
2023年4月には44階部分がリニューアルされ、ビル最上階には非公共ヘリポート「トヨタ名駅ヘリポート」も設けられています。展望台の世界初の特徴として「シースルー・ダブルデッキ・シャトルエレベーター」があり、B1階から乗車すると約40秒で41階に到着するという、移動そのものもアトラクション性のある体験になっています。41階からはエスカレーターで42階の入場口へ向かいます。
営業時間・入場料金
営業時間は通常11:00〜22:00(最終入場21:30)ですが、1月初旬〜2月末は13:00〜21:00(最終入場20:30)に変更されるなど、季節によって変動があるため来館前に公式サイトでの確認をお勧めします。元日は特別営業として早朝6:00〜8:30(開扉5:30)の前売り券限定営業が行われ、初日の出を見るための特別な時間帯が設けられています。
知っておくと得する割引制度
スカイプロムナードには複数の割引サービスがあります。名古屋観光ルートバス「メーグル」の使用日が印字されたチケット、イオンマークのついたクレジットカード・デビットカード、ミッドランドスクエアシネマの当日券、ミッドランドスクエアのメンバーズカードのいずれかを提示すると、大人料金が半額になる「特別割」が適用されます(現金のみの対応)。また、ビル内のレストラン「CARVINO」で120分の飲み放題付きコースプランを予約すると、スカイプロムナードの入場料が無料になるという嬉しい特典もあります。1日券であれば当日中は何度でも入場できるため、夕方の景色と夜景の両方を楽しみたい方にもおすすめです。
5・6階にある「ミッドランドスクエアシネマ」は、7スクリーン・1,270席を備える都市型シネマコンプレックスです。デザイン・音響・映写へのこだわりが特徴で、全座席に本牛革張りシートを採用するという、他のシネコンにはない贅沢な仕様になっています。長時間の鑑賞でもリラックスして楽しめる工夫がされており、名古屋駅前という立地で本格的な映画体験を提供しています。前述の通り、このシネコンはかつて旧豊田ビル・旧毎日ビルに営業していた複数の老舗映画館の系譜を継ぐ存在であり、名古屋駅前の映画文化の歴史を引き継いでいます。
オフィスフロアの17階から40階は「トヨタ自動車 名古屋オフィス」として、国内営業部門・海外営業部門などが入居し、約3,000人が勤務しています。オフィス棟には複数の顔があり、トヨタ不動産(旧東和不動産)にとっては賃貸オフィスビル、トヨタ自動車にとっては国内外の営業拠点、毎日新聞社にとっては中部の情報発信基地という、それぞれ異なる役割を担っています。1フロアあたり約600坪というオフィス面積は「フレキシビリティ」と「ゆとり」を追求した設計で、開放感あふれる執務空間を実現しているとされています。
都市再生特別地区の提案第1号という快挙
ミッドランドスクエアは、サンクンガーデンの配置やタクシー乗り場、雨水貯留施設など公共貢献施設を取り込んだことが評価され、都市再生特別地区の提案第1号プロジェクトとして容積率が1420%まで緩和され、市街地再開発の補助金も受けるという、当時としては先進的な事例になりました。建物の制振技術としては、強風・中地震の揺れに対してウェイト(おもり)を揺らすことで揺れの力を相殺し、建物自体の揺れを抑制する「ATMD」がビル頂部に設置されています。さらに長寿命化のための3層の制振装置や、世界初のシースルー・ダブルデッキ・シャトルエレベーターなど、当時最先端のテクノロジーが網羅されています。
トヨタ不動産単独所有ビル4棟をつなぐ地下通路
名古屋駅周辺では近年、トヨタグループ関連のビルの建設が続いています。豊田通商の名古屋本社「センチュリー豊田ビル」(2002年)、名古屋鉄道・中部電力・トヨタ自動車の共同建設による「名古屋ルーセントタワー」(2007年)、トヨタ系の三井不動産が名古屋モード学園と共同建設した「モード学園スパイラルタワーズ」(2008年)、中部経済新聞社・名古屋鉄道・東和不動産の3社による「名古屋クロスコートタワー」(2012年)、そして第二豊田ビル建替えに伴う「シンフォニー豊田ビル」(2016年)など、名駅エリア全体の再開発が連鎖的に進んでいます。
これらトヨタ不動産単独所有のビル4棟(ミッドランドスクエア、名古屋クロスコートタワー、センチュリー豊田ビル、シンフォニー豊田ビル)は地下で結ばれた「地下環状ネットワーク」によってつながっており、天候に左右されず人々が回遊できる歩行者空間が整備されています。ミッドランドスクエア単体の存在だけでなく、名駅エリア全体の歩行者ネットワーク形成という都市計画的な視点でも、この施設は重要な役割を果たしています。
車での来館の場合、ミッドランドスクエアでのお買い物金額に応じて駐車料金の割引が適用される仕組みがあります(ミッドランドスクエアシネマの利用はこの割引サービスの対象外なので注意が必要です)。駐車場は事前予約も可能で、8:00〜23:59の利用時間帯であれば1,900円という予約プランも用意されています。名古屋駅周辺の地理に不安がある方は、事前予約を活用すると当日のスムーズな入庫につながります。
愛知中央不動産の視点から、ミッドランドスクエア周辺の住環境にも触れておきます。名古屋市中村区名駅エリアは、ミッドランドスクエアを中心とした超高層ビル群の建設が続く名古屋随一のビジネス街として発展してきました。前述の通り、トヨタグループ関連の複数のビルが地下通路でつながり、雨の日でも快適に移動できる歩行者ネットワークが整備されているのは、このエリアに住む・働く方にとって大きな利便性です。
名古屋駅前という立地特性から、名駅エリアの住宅需要は単身者・DINKsを中心に高い水準にあり、地下街・ラグジュアリーブランド・最新の映画館・展望施設までが徒歩圏内に揃う環境は、都心生活を重視する方には非常に魅力的な条件です。一方で、こうした都心立地は地価・賃料の水準も名古屋市内で最高クラスにあるため、予算とライフスタイルのバランスを踏まえた物件選びが重要になります。
【夕景〜夜景コース】展望台で名古屋の街を一望
- 16:30名古屋駅桜通口から徒歩約1分でミッドランドスクエアへ到着
- 17:00B1F〜4Fのラグジュアリーブランドフロアをゆっくり見て回る
- 18:0042Fよりスカイプロムナードへ入場。夕暮れの名古屋の街並みを眺める
- 19:00日没後の夜景を堪能。1日券なら同日中の再入場も可能
【映画+ショッピングコース】平日休みにじっくり楽しむ
- 11:005・6Fのミッドランドスクエアシネマで映画鑑賞
- 13:301F〜4Fでランチ&ショッピング
- 15:00映画館当日券の半額割引を使ってスカイプロムナードへ。お得に展望体験
ミッドランドスクエアは、阪神・淡路大震災を契機とした耐震リスクへの対応から生まれ、トヨタ自動車・トヨタ不動産・毎日新聞社という3つの異なる事業者の意見を合宿方式でまとめ上げて誕生した、名古屋駅前を象徴する超高層ビルです。高さ247.0mという中部地方最高峰の称号は、わずか2mの設計変更によって守られたものであり、その後のJRゲートタワー計画との競争にも勝ち残ってきました。
世界的ラグジュアリーブランドが集まる商業フロア、本牛革張りシートのシネマコンプレックス、地上220mの屋外展望施設「スカイプロムナード」、そして約3,000人が勤務するトヨタ自動車の営業拠点という多面的な機能を一棟に集約したミッドランドスクエアは、名古屋という都市の経済力と先進性を象徴する建築物として、これからも名古屋駅前に圧倒的な存在感を放ち続けることでしょう。
名古屋駅周辺・中村区エリアの物件をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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