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スーパーより便利?名古屋に展開するドラッグストアチェーン

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橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

不動産業界歴15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

名古屋・愛知のドラッグストア事情は、全国チェーンと地場資本が複雑に絡み合う独特の業界構造を持っています。なにしろ業界第2位の「スギ薬局」は愛知県西尾市で誕生した地場企業であり、現在も本社を愛知県大府市に置く中部発の全国チェーンです。一方でツルハ・ウエルシア・マツモトキヨシ・ココカラファインといった首都圏・北海道発の大手も激しい出店競争を仕掛けており、その合間を縫ってスギヤマ薬品・ユタカドラッグ・B&Dドラッグといった地場企業が独自の存在感を放っています。

ドラッグストアは単なる薬の購入場所ではなく、化粧品・日用品・食品・調剤・在宅医療まで担う「地域の生活インフラ」として進化を続けています。物件選びの際、近隣にどのドラッグストアがあるかは、調剤対応の有無・深夜営業の有無・価格帯など、暮らしの質に直結する判断材料になります。

本記事では、名古屋市内およびその周辺で見かける主要なドラッグストアチェーンを一社ずつ、創業の歴史・経営母体・特徴・名古屋市内の出店状況まで徹底解説します。

目次
  1. 名古屋・愛知のドラッグストア業界の全体像
  2. スギ薬局|西尾の16坪薬局から業界トップ級へ成長した中部の雄
  3. V・drug(中部薬品)|バローグループが展開する3つのVの意味
  4. ウエルシア薬局|「業界トップ」に立った15坪薬局の軌跡
  5. ツルハドラッグ|旭川の鶴羽薬師堂から日本最大チェーンへ
  6. B&Dドラッグ|愛知発・ツルハグループに統合された地場企業
  7. マツモトキヨシ|見世物猿と空箱陳列で生まれた都市型DgSの先駆者
  8. ココカラファイン|複数企業の経営統合で生まれ、再び統合された会社
  9. サンドラッグ|世田谷発・「1店舗2ライン制」の専門性
  10. コスモス薬品|M&Aゼロで業界上位に上った宮崎発の異色チェーン
  11. スギヤマ薬品|千種区発、東海3県地盤の老舗ドラッグストア
  12. ユタカドラッグ(ユタカファーマシー)|調剤併設に特化した愛知の地域密着型
  13. そのほかの名古屋・愛知のローカルドラッグストア
  14. 業界再編の最新動向|ウエルシア×ツルハの巨大統合
  15. タイプ別・特徴比較早見表
  16. まとめ|物件選びとドラッグストアの関係
名古屋・愛知のドラッグストア業界の全体像

日本のドラッグストア業界は2025年以降、急速な再編が進んでいます。ウエルシアホールディングス(イオングループ)とツルハホールディングスが2025年12月に経営統合し、売上高2.3兆円・5,659店舗という日本最大のドラッグストアグループが誕生しました。一方でマツモトキヨシとココカラファインは2021年に経営統合して「マツキヨココカラ&カンパニー」となり、業界3位グループとして存在感を保っています。さらに九州発のコスモス薬品がM&Aを一切行わず自力で業界上位に食い込んでいるなど、各社の戦略は大きく異なります。

業界の構造を整理すると、都市型(マツキヨ・ココカラ・コクミンなど駅前・繁華街中心)、郊外型(ツルハ・コスモス薬品など食品強化のロードサイド型)、そして両者の中間に位置するウエルシア・スギ薬局・サンドラッグという大まかな分類ができます。名古屋・愛知エリアはこの全国大手の草刈り場であると同時に、スギ薬局・スギヤマ薬品・ユタカドラッグといった地場企業が今なお高い存在感を保つ、独特の競争環境を持つ地域です。

スギ薬局|西尾の16坪薬局から業界トップ級へ成長した中部の雄

夫婦2人で始めた16坪の薬局が全国チェーンに

スギ薬局を運営するスギホールディングス株式会社は、1976年(昭和51年)12月、薬剤師の杉浦広一氏とその妻・杉浦昭子氏が愛知県西尾市下町でわずか16坪の小さな薬局を開いたのが始まりです。社名の「スギ」は創業者の苗字「杉浦」と「杉の木」の両方から採られています。1982年に株式会社化し、1990年代を通じて東海3県(愛知・岐阜・三重)で密度の高いドミナント出店を行い、2000年に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場へ上場、2001年には東証・名証の各一部に同時上場という急速な成長を遂げました。

「スギ薬局」と「ドラッグスギ」の違い、本社は愛知県大府市

スギ薬局の店名は、調剤を行っている店舗が「スギ薬局」、調剤を行っていない店舗が「スギドラッグ」「ドラッグスギ」と区別されています。現在は持株会社「スギホールディングス株式会社」のもと、関東・中部・関西・北陸・信州で1,680店舗以上を展開し、2026年2月期の売上高は1兆円を超える規模に成長しています。2024年にはI&H株式会社(阪神調剤薬局系)を買収して関西圏の調剤機能を強化するなど、近年はM&Aによる拡大路線も加速させています。本社は創業地の西尾市から安城市を経て、現在は大府市に移転しており、東海地方発の企業として今も中部地域に深く根を張っています。なお似た名称の「スギヤマ薬品」とは資本的・人的関係は全くありません。

V・drug(中部薬品)|バローグループが展開する3つのVの意味

「Valor」「Value」「Vitality」の3つのVを象徴するブランド名

V・drug(ブイドラッグ)を運営する中部薬品株式会社は、岐阜県多治見市に本社を置くバローホールディングス傘下の企業で、1984年(昭和59年)に設立されました。ブランド名「V・drug」のVは「Valor(バロー)」「Value(バリュー)」「Vitality(バイタリティ)」という3つの単語の頭文字を意味しています。設立当初は「サンドラッグストア」という屋号で営業していましたが、店舗の大型化に合わせて2002年に「サンWILLドラッグ」、2004年には新業態「V+drug」を展開し、2006年に屋号を「V・drug」へ統一しました。なお同名で全国展開する大手「サンドラッグ」とは無関係です。

天使のマスコット「くすりん」と1号店・恵那店

V・drugの1号店は1984年に岐阜県恵那市で開業しました。1990年には郊外型ドラッグストア第1号店として名東区の名東店を開店しており、名古屋市内とのつながりも古くから続いています。バローグループはスーパーマーケット事業に加え、1984年にドラッグストア、1988年にペットショップ、1990年にホームセンター、1998年にスポーツクラブと多角的に事業を展開してきましたが、V・drugはその中でも中核を担う存在です。天使をモチーフにした企業マスコットキャラクター「くすりん」が公式サイトのナビゲーターを務めており、現在は愛知・岐阜・三重・静岡・石川・富山・福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・東京と広域に展開、2024年には兵庫県への初出店も果たしました。

ウエルシア薬局|「業界トップ」に立った15坪薬局の軌跡

埼玉の15坪薬局「一ノ割薬局」から始まったイオングループの中核企業

ウエルシア薬局株式会社は東京都千代田区に本社を置くイオングループの企業です。1965年に埼玉県春日部市で開業したわずか15坪の「一ノ割薬局」が出発点で、創業者の故・鈴木孝之氏が「調剤を待つ顧客に薬以外の商品を提供すれば喜ばれる」と考え、化粧品や酒類を店頭に並べたのが今のドラッグストアの原点になったと言われています。1989年にドラッグストアの第一号店をオープンし、1997年に十字薬局(コア)と合併、2000年にジャスコ(現・イオン)と資本業務提携してイオングループに入りました。

2010年から15年で店舗数6倍、ついにツルハと経営統合

2002年にドラッグストアの池野ドラッグを吸収合併し、接客重視の薬局文化とディスカウント型チェーンのノウハウが融合する「ウエルシア流」のドラッグストアが確立されました。2010年時点で約500店舗だった店舗数は2025年には連結で3,000店舗を超える規模に成長し、売上高も1兆2,000億円規模に達して業界トップに立ちました。表記としては「ウェルシア」ではなく「ウエルシア」が正式であり、公式サイトでも「ウエルシアの『エ』は大文字を採用しています」と明記されています。そして2025年12月、ツルハホールディングスとの経営統合が完了し、ウエルシアは上場廃止(2025年11月27日)の上でツルハ傘下の完全子会社となり、売上高2.3兆円・5,659店舗という日本最大のドラッグストアグループの一員となりました。

ツルハドラッグ|旭川の鶴羽薬師堂から日本最大チェーンへ

北海道旭川の一薬局から積極的M&Aで全国へ

株式会社ツルハホールディングスは、1929年に北海道旭川市で「鶴羽薬師堂」として創業したのが始まりです。創業者・鶴羽勝氏の「目立つ看板」と「地域に根ざした経営」がスタートで、1956年に屋号を「ツルハ薬局」に変更、1967年にセルフ販売方式を導入してドラッグストアチェーンへと成長していきました。1987年に東京六郷店を出店して北海道以外へ初進出、1991年に商号を「株式会社ツルハ」に変更し本社を札幌市に移転、1992年に調剤業務へ参入してドラッグストア事業を本格化させています。

多ブランド戦略でグループ企業多数、くすりの福太郎・杏林堂も傘下に

ツルハグループの大きな特徴は「地域密着型の多ブランド戦略」です。主力の「ツルハドラッグ」に加え、「くすりの福太郎」(関東地区)、「杏林堂薬局」(静岡県)、「コクミン」(都市型)、「ウォンツ」「ドラッグストアウェルネス」(中国・九州地区)など、買収した各地の有力企業のブランドをそのまま残しながら多店舗展開するのが特色です。これは1社に統一して急激な店舗減少リスクを避けつつ、地域ごとのブランド力を維持する戦略といえます。名古屋市内にも複数のツルハグループ店舗が出店しており、ウエルシアとの経営統合(2025年12月完了)によって、ツルハグループ全体の店舗網はさらに拡大しています。

B&Dドラッグ|愛知発・ツルハグループに統合された地場企業

B&Dドラッグ(株式会社B&D)は、愛知県内を地盤に展開していたドラッグストアチェーンです。名古屋市内・愛知県内の住宅街に多く出店しており、地域に根づいた店舗運営で一定の知名度を持っていました。2024年5月16日、株式会社ツルハ(北海道・東北・関東甲信越・中部・関西・四国地区を担当するツルハグループの兄弟会社)と統合され、愛知県内で展開していた80店舗がツルハグループの店舗網に新たに加わりました。これにより、B&Dドラッグの店舗は段階的にツルハグループの店舗ブランドや経営資源を活用する形に移行しています。長らく愛知県の住宅街で見かけた「B&Dドラッグ」の看板は、こうした全国チェーンへの統合という大きな業界再編の波の中で、その役割を終えつつある存在です。

マツモトキヨシ|見世物猿と空箱陳列で生まれた都市型DgSの先駆者

23歳の創業者が松戸の常磐線沿線で始めた小さな薬舗

マツモトキヨシは1932年12月、当時23歳の松本清氏が千葉県松戸市小金で「松本薬舗」を開業したのが始まりです。常磐線沿線で薬局のない街を選んだ好立地に加え、在庫が持てない苦しい時代には空箱を陳列して品揃え豊富に見せる工夫をし、これが現在のドラッグストア業界で一般的な「空箱陳列」の起源になりました。店頭で猿を飼って集客効果を上げたという逸話も有名です。1951年に創業者の名を取って「マツモトキヨシ」に改称、誰でも読めてわかりやすいというカタカナ表記が採用されました。

上野アメ横店で都市型ドラッグストアを確立、ココカラと統合

1987年7月オープンの上野アメ横店は、暗く入りづらかった従来の薬局イメージを米国型ドラッグストアの明るい照明・開放的な間口・豊富な商品アイテム数に革新し、都市型ドラッグストアの基礎を確立しました。1990年代には首都圏繁華街への出店とテレビCMの放映で全国的な知名度を獲得し、長年業界トップ企業として君臨しました。2021年10月、長年のライバルだったココカラファインと経営統合し「マツキヨココカラ&カンパニー」が発足、売上高1兆円・3,000店舗を超える巨大グループとして再びトップクラスの座を確立しています。

ココカラファイン|複数企業の経営統合で生まれ、再び統合された会社

ココカラファインは、2008年4月に首都圏地盤の「セイジョー」と関西地盤の「セガミメディクス」の経営統合によって誕生した企業です。2010年10月には関西地盤の「アライドハーツHD」(ライフォート・ジップドラッグ)とも合併し、当時マツモトキヨシ・スギホールディングスに続く業界3位の規模となりました。設立当時の店舗網は関東・甲信・関西・中国・四国・九州・沖縄に広がっていましたが、愛知県内ではセガミ・セイジョー両社がそれぞれ独自に店舗展開していたという経緯があります。そして2021年10月、長年のライバルだったマツモトキヨシホールディングスとの経営統合が成立し、商号を「株式会社ココカラファイングループ」に変更、統合持株会社「マツキヨココカラ&カンパニー」の中間持株会社という位置づけに移行しました。複数企業の合流によって誕生した会社が、さらに大きな合流の中に組み込まれていく——ドラッグストア業界の再編の速さを象徴する歴史を持つ企業です。

サンドラッグ|世田谷発・「1店舗2ライン制」の専門性

サンドラッグは1957年に東京都世田谷区で創業し、1965年に有限会社、1980年に株式会社として設立された企業です。主力の「サンドラッグ」ブランドによるドラッグストアチェーン運営に加え、調剤薬局・フランチャイズ事業、グループ全体ではディスカウントストア事業も展開する複合的な事業ポートフォリオを持っています。特に首都圏に強固な地盤を築いており、業界上位の一角を占める規模を維持しています。同社の際立った特徴は「1店舗2ライン制」という独自の店舗運営システムです。これは専門的なカウンセリング販売を行うラインと、効率的なセルフ販売を行うラインを1店舗内で両立させる仕組みで、質の高い接客サービスと運営効率の両方を実現する狙いがあります。ヘルスケア・ビューティケア関連商品の構成比が高い点も特色とされています。

コスモス薬品|M&Aゼロで業界上位に上った宮崎発の異色チェーン

延岡の「宇野回天堂薬局」から始まった九州発の急成長企業

株式会社コスモス薬品は、1973年に宮崎県延岡市で「宇野回天堂薬局」として創業した企業です。1983年に有限会社コスモス薬品を設立、1991年に株式会社化し、2000年に宮崎市、2005年に福岡市へ本社を移転しています。2004年に九州地区外への初出店(山口県山口市)、2005年に四国地区への初出店(愛媛県松山市)を果たし、東証マザーズ・東証一部上場(2006年)を経て急速に全国展開を進めました。

業界唯一「M&Aゼロ」の自力成長、1000〜2000㎡の大型店フォーマット

コスモス薬品が業界内で際立っているのは、業界上位3社(ウエルシア・ツルハ・マツキヨココカラ)がM&Aを繰り返しながら規模を拡大していったのに対し、創業以来M&Aを一切行わず自力で勢力を拡大し続けてきたという点です。1,000〜2,000平方メートルという大型店舗フォーマットに特化することで少人数でも運営できる効率的な店舗展開を実現し、2019年5月期に売上高6,000億円を突破してマツモトキヨシホールディングスを抜き業界3位に浮上、2024年6月時点で約1,500店舗(中部エリア153店を含む)を展開しています。1994年に業界に先駆けてポイント還元を始めましたが、2003年の個人情報保護法成立を機にポイント還元を廃止し、EDLP(毎日安売り)戦略へ転換した経緯も特徴的です。

スギヤマ薬品|千種区発、東海3県地盤の老舗ドラッグストア

株式会社ドラッグスギヤマ(スギヤマ薬品)は、名古屋市千種区に本社を置く東海3県地盤のドラッグストアチェーンです。1952年の創業以来、「店はお客様のためにある」という理念のもと、調剤併設型ドラッグストアと調剤専門薬局を中心に事業を展開してきました。2024年10月時点での店舗数は124店舗に達し、愛知県を中心に岐阜県・三重県にも展開しています。前述のスギ薬局とは社名が非常に似ているため混同されることが多いものの、両社に資本的・人的なつながりは全くありません。創業から70年以上、地域住民から「かかりつけ」として信頼される店舗づくりに取り組んできた、名古屋市内発祥のドラッグストアとして地元での認知度が高い企業です。

ユタカドラッグ(ユタカファーマシー)|調剤併設に特化した愛知の地域密着型

ドラッグユタカを運営する株式会社ユタカファーマシーは、愛知県内に多数の店舗を展開する調剤併設型ドラッグストアです。名古屋市内では千種区の池下(地下鉄東山線「池下」駅1番出入口の目の前)、天白区の植田駅前(地下鉄鶴舞線「植田」駅徒歩1分)、港区の南陽など、駅前・住宅街を中心に出店しています。同社の特徴は調剤薬局としての機能を重視していることで、「ネット受付」による処方箋の事前送信サービス、管理栄養士の常駐による健康相談など、単なる物販よりも医療・健康サポートに力を入れた店舗運営を行っています。利用者からは「対応が親切で安心する」「待ち時間が短縮できてありがたい」という声が多く、地域のかかりつけ薬局として根強い支持を得ています。緑区の桶狭間、愛西市の佐屋、東郷町など、名古屋市内だけでなく愛知県内の広いエリアに店舗網を持っています。

そのほかの名古屋・愛知のローカルドラッグストア

名古屋・愛知エリアには、前述の主要チェーン以外にも個性的なローカルドラッグストアが存在します。

企業名 本社・地盤 特徴
アインズドラッグ・ナイスドラッグ 名古屋市東区(アインファーマシーズ子会社) アイン東海から商号変更。調剤事業に強み
アマノドラッグ 名古屋市中区 名古屋駅・栄付近に集中出店。郊外型店舗もあり。かつてカメラ店も兼営
イオンドラッグ イオングループ 大型商業施設「イオン」「イオンモール」内に出店するケースが多い

こうした中小規模のローカルチェーンも、大手の草刈り場となりつつある名古屋市場の中で、それぞれ独自のポジションを保ちながら営業を続けています。特にアマノドラッグのように、名古屋駅・栄という都心部に集中出店する戦略を取る企業は、その立地ゆえに郊外型のドラッグストアとは異なる客層・価格帯で勝負しています。

業界再編の最新動向|ウエルシア×ツルハの巨大統合

2025年12月に完了したウエルシアホールディングスとツルハホールディングスの経営統合は、日本のドラッグストア業界史上最大規模のM&Aです。統合により誕生した新・ツルハHDは売上高2.3兆円・店舗数5,659店舗という規模となり、これまで業界トップだったマツキヨココカラ&カンパニー(売上高1.06兆円・3,499店舗)を大きく上回る存在になりました。両社はもともとイオングループの傘下にあり、ツルハHDが親会社として上に立ち、ウエルシアHDがその完全子会社となる形で統合が実現しています。

興味深いのは、ツルハHDとウエルシアHDがともに「M&Aを繰り返して企業規模を大きくしてきた」という共通の成長戦略を持っていた点です。ウエルシアは1965年の「一ノ割薬局」から、ツルハは1929年の「鶴羽薬師堂」から、いずれも小さな町の薬局を起点として、数十年かけて全国チェーンへと成長してきました。この巨大統合により、業界では「トップ3以外は淘汰される」という見方も出ており、名古屋・愛知エリアの地場企業がどのように対応していくかが今後の注目点です。

タイプ別・特徴比較早見表
タイプ 主なチェーン 特徴
都市型(駅前・繁華街) マツモトキヨシ・ココカラファイン・アマノドラッグ 薬粧・化粧品中心。訪日外国人需要も取り込む
郊外型(ロードサイド) ツルハドラッグ・コスモス薬品 食品・生活雑貨を強化し、購買頻度を高める戦略
中間型(地域密着) ウエルシア・スギ薬局・サンドラッグ・V・drug 調剤併設・在宅医療など医療連携を重視
愛知・名古屋発の地場企業 スギ薬局・スギヤマ薬品・ユタカドラッグ・V・drug 東海地方の住宅地に密着した出店、かかりつけ機能重視
まとめ|物件選びとドラッグストアの関係

名古屋・愛知のドラッグストア業界を見てきましたが、ここにも小さな薬局から始まった企業が、合併・統合・M&Aを繰り返しながら巨大チェーンへ成長していく、日本の流通業界特有の歴史が刻まれています。特に名古屋市は、業界トップ級に成長したスギ薬局の発祥地であり、同時にスギヤマ薬品・ユタカドラッグといった地場企業が今も根強く生き残る、稀有な競争環境を持つエリアです。

不動産選びという観点では、近隣のドラッグストアの種類も生活の質に直結する情報です。調剤併設・在宅医療対応のユタカドラッグやV・drugが多いエリアは医療アクセスを重視する高齢者世帯に向いており、深夜営業のチェーンが充実しているエリアは単身者・シフト勤務者にとって便利です。都市型のマツキヨ・ココカラが集まる繁華街は買い物の選択肢の豊富さを示し、郊外型のツルハ・コスモス薬品が立地するエリアは車での生活が前提になりやすい傾向があります。

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