
【ご成約事例】大府市の土地売却|他社が買主を見つけた「分かれ」の取引
愛知県大府市の土地について、ご売却のお手伝いをさせていただきました。
| 所在地 | 愛知県大府市 |
|---|---|
| 種別 | 土地 |
| お手伝いした内容 | ご売却(当社が売主様側の仲介) |
| 売却までの期間 | 募集開始から約6か月 |
| 成約の形 | 業者間流通に掲載し、他社が買主様を見つけた「分かれ」 |
| 結果 | 価格を下げることなく、ご満足いただける金額で成約 |
半年という期間は、決して短くありません。ただ、この半年には理由があります。そして買主様を見つけたのは、当社ではなく他社でした。
なぜそうなったのか。そしてそれが売主様にとって何を意味するのか。不動産業界の内側の話になりますが、売却を検討されている方にはぜひ知っていただきたい内容です。
「分かれ」で決まる、ということ
不動産の売買では、売主様側と買主様側にそれぞれ仲介会社が付くことがあります。売主様から依頼を受けた会社を元付、買主様を連れてきた会社を客付と呼びます。1社が両方を担当することを両手、別々の会社が担当することを片手あるいは分かれと言います。
なお、これらはいずれも業界慣行の用語で、法令上の定義はありません。国土交通省の資料でも「売り側」「買い側」という表現が使われています。
両手は禁止されていません
最初にはっきりさせておきます。1社が売主・買主の双方から報酬を受け取ること自体は、法律で禁止されていません。
仲介手数料の上限を定める国土交通省の告示は、「宅地建物取引業者が売買の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は…」という書き方をしています。双方から受け取り得ることを前提にした条文構造です。
| 売買価格の区分 | 報酬の上限(税込) |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5.5% |
| 200万円超400万円以下の部分 | 4.4% |
| 400万円超の部分 | 3.3% |
よく使われる「売買価格×3%+6万円+消費税」という速算式は、400万円を超える場合のこの表を1本の式にまとめたものです。
つまり両手になれば、仲介会社の報酬は単純に2倍になります。ここに問題の芽があります。
土地のご売却、いくらで売れるかお伝えします
大府市・名古屋市を中心に、土地・戸建て・マンションの売却をお手伝いしています。査定だけのご依頼、売却をまだ決めていない段階でのご相談も承ります。
「囲い込み」とは何か
両手にすれば報酬が2倍になる。ならば、他社に買主を見つけられては困る——この発想から生まれるのが囲い込みです。
国土交通省が売主向けに公表しているリーフレットに、明確な定義があります。
囲い込みとは、一部の宅建業者が自社の利益のため、売主・買主双方の媒介を行うことを目的として、故意に物件の取引状況を隠し、売主の意向に反して物件の紹介を行わないような行為を指します。
具体的には、他社から「この物件を紹介したい」と問い合わせが来たときに「もう申込みが入っています」と嘘をついて断る、といった行為です。
売主様から見れば、本来なら買えたはずの人が排除されていることになります。買い手が減れば、売れるまでの期間は延び、価格は下がりやすくなります。売主様の利益と、仲介会社の利益が正面から対立する構図です。
2025年1月1日、ルールが変わりました
この問題について、国土交通省は制度を改めました。令和7年(2025年)1月1日施行で、改正は2つあります。
| 改正 | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引業法施行規則 第15条の11 | 指定流通機構への登録事項に「取引の申込みの受付に関する状況」を追加 | 取引状況の登録が法令上の義務になった |
| 宅建業法の解釈・運用の考え方 | 登録内容が事実と異なるときは、法第65条第1項の指示処分の対象と明記 | 虚偽の登録が監督処分の対象だと明確化された |
ここは正確にお伝えします。「囲い込みは宅建業法○条違反」という条文があるわけではありません。国土交通省が明確化したのは、専任・専属専任媒介で登録した物件について取引状況の登録内容が事実と異なるときは、宅建業法第65条第1項の指示処分の対象となるという点です。
また「囲い込みをしたら即座に業務停止」でもありません。示されたのは指示処分であり、業務停止は「指示に従わないとき」などを経由する構成になっています。
それでも、これまで慣行として黙認されがちだった行為が、行政処分の対象として文書に明記された意味は小さくありません。
売主は、自分で確認できます
ここが、売却を考えている方にいちばん知っていただきたい部分です。
専任媒介・専属専任媒介を結ぶと、仲介会社は指定流通機構(レインズ)に物件を登録する義務を負います。愛知県を管轄するのは公益社団法人 中部圏不動産流通機構です。
| 媒介契約の種類 | レインズ登録の期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 契約日から5日以内(休業日を除く) | 宅建業法施行規則15条の10 |
| 専任媒介 | 契約日から7日以内(休業日を除く) | 同上 |
| 一般媒介 | 法令上の義務なし | ― |
そして登録した会社は、登録を証する書面(登録証明書)を遅滞なく売主に引き渡さなければなりません(宅建業法34条の2第6項)。
ステータス管理機能で、状況が見えます
レインズには取引状況(ステータス)管理機能があり、次の3つで登録されます。平成28年1月から導入されている仕組みです。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| 公開中 | 他社が買主を紹介できる状態 |
| 書面による購入申込みあり | 実際に申込書が出ている状態 |
| 売主都合で一時紹介停止中 | 売主の意向で紹介を止めている状態 |
売主様は売却依頼主専用確認画面から、自分の物件が今どのステータスで登録されているかを確認できます。アクセスに必要なURL・ID・パスワードは、登録証明書に記載されています。
さらに令和7年1月4日以降に発行された登録証明書には二次元コードが掲載され、スマートフォンで読み取るだけで確認できるようになりました。
つまり、「公開中」のはずなのに他社に紹介されていない、といった状況を、売主様ご自身がチェックできるということです。売却をどこに任せるにしても、登録証明書は必ず受け取り、一度は中を見ることをおすすめします。
今回、他社が買主様を見つけました
今回の取引は、業者間流通に掲載し、他社が買主様を連れてきた「分かれ」で成立しました。
当社の報酬は、両手の場合の半分です。それでも、この形をとりました。理由は単純で、買主様の候補が多いほど、売主様にとって条件が良くなるからです。
この土地は結果として、価格を下げることなく成約しました。半年という期間は、値下げをしなかったことの裏返しでもあります。もし買い手を自社で見つけた人だけに限っていたら、半年で同じ価格には届かなかったかもしれません。
「囲い込みをしません」と口で言うのは簡単です。ただ、実際に他社に客付けさせた取引の記録のほうが、説明としては正確だと考えています。
土地の売却に半年かかるのは、珍しいことではありません
「半年もかかったのか」と思われるかもしれません。土地という商品の性質を、数字で見てみます。
中部圏不動産流通機構が公表している令和8年6月集計の実績報告によると、愛知県所在の土地(売物件)の状況は次のとおりです。
| 当月の新規登録 | 948件 |
|---|---|
| 当月の成約 | 256件 |
| 月末の在庫 | 4,779件 |
在庫4,779件に対して、1か月に成約するのは256件。単純に割れば、在庫がひととおり入れ替わるのに18か月以上かかる計算になります。
(この割り算は当社による計算で、レインズが公表している指標ではありません。あくまで規模感を掴むための目安としてご覧ください。)
土地は、マンションのように「同じ建物の別の部屋」と比較されるものではありません。形も、接道も、地盤も、一つひとつ違います。だからその土地を必要とする人が現れるまで、待つ時間が必要になります。
そして大府市の場合、待つことに合理性がありました。令和8年地価公示(価格時点2026年1月1日)で、大府市の住宅地は前年比+3.8%、商業地は+7.4%。愛知県全体が住宅地+1.8%、商業地+3.2%ですから、県平均の2倍を超える上昇率です。値を下げて急ぐ理由が乏しい市場だった、ということです。
なお専任媒介契約の有効期間は、法律上3か月以内と定められています。期間が満了すれば、続けるか、他社に変えるかを売主様が選べる設計になっています。今回は継続してお任せいただきました。
今の売り方に納得できていますか
レインズの登録証明書は受け取っていますか。ステータスは「公開中」になっていますか。セカンドオピニオンとしてのご相談も承ります。
大府市というエリアについて
| 位置 | 愛知県の南西部、知多半島の付け根。名古屋市に隣接 |
|---|---|
| 面積 | 33.67km²(東西6.5km・南北7.0km) |
| 人口 | 93,249人/41,588世帯(令和8年8月31日現在) |
| 鉄道 | JR大府駅(東海道本線・武豊線)、JR共和駅(東海道本線) |
| 名古屋駅まで | JR東海道線で約14分 |
| 都市計画 | 市街化区域 約1,378ha/市街化調整区域 約1,989ha |
| 将来都市像 | いつまでも 住み続けたい サスティナブル健康都市おおぶ |
名古屋駅まで14分という距離にありながら、市域の6割近くが市街化調整区域という構成です。用途地域で最も面積が大きいのは第一種住居地域(417ha)、次いで第一種低層住居専用地域(207ha)で、住宅地としての性格がはっきりしています。
「ウェルネスバレー」という強み
大府市の特徴を一つ挙げるなら、健康・長寿分野の研究機関が集まっていることです。市と東浦町にまたがる「あいち健康の森とその周辺地区」をウェルネスバレーとして整備する構想が、平成20年度の基本計画策定から続いています。
| 施設 | 所在地 |
|---|---|
| 国立長寿医療研究センター | 大府市森岡町7-430 |
| あいち小児保健医療総合センター | 大府市森岡町7-426 |
| あいち健康の森公園 | 大府市森岡町9-300 |
| JAあぐりタウン げんきの郷 | 大府市吉田町正右エ門新田1-1 |
国立長寿医療研究センターは、国立高度専門医療研究センターのひとつです。こうした施設の集積は、雇用と人口の安定につながります。地価公示の上昇率が県平均を上回っている背景の一つと考えられます。
子育て世帯への支援
土地をお探しの方に関わる制度を2つ挙げます。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 三世代住宅支援事業費補助金 | 三世代同居・近居のための新築・増築・リフォームに10万円。市内業者を利用すると20万円増額。申請は4月1日〜12月28日 |
| 子ども医療費助成 | 18歳到達年度末まで。2026年10月診療分から、高校生世代も入院・通院とも自己負担なしに拡充 |
三世代住宅支援は、親世帯が市内に1年以上継続して居住していることなどが要件です。予算の都合で年度途中に受付が終わることがあるため、利用をお考えなら早めの確認をおすすめします。
土地を売るときの境界の話
土地の売却で、期間にも価格にも影響するのが境界です。
愛知県の地籍調査の進捗率は13.6%にとどまっています。つまり県内の土地の大半は、公的な調査で境界が確定していない状態です。売却の際に測量が必要になる場面は珍しくありません。
なお「実測売買」「公簿売買」という言い方がありますが、これらは法令上の定義がない実務上の呼称です。契約書でどう定めるかがすべてなので、記載を必ず確認してください。
隣地と話がつかないときは筆界特定制度
隣地の方と境界の認識が食い違う場合、筆界特定制度という公的な手続があります。法務省はこう説明しています。
土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて、筆界特定登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度
平成18年1月20日から始まった制度で、管轄の法務局へ申請します。手数料は対象土地の価格によって決まり、たとえば申請人の土地と隣地の合計額が4,000万円の場合は8,000円です(別途、測量費用が必要になることがあります)。
ここで大切な区別があります。法務省は「筆界は所有権の範囲と一致することが多いのですが、一致しないこともあります」と明記しています。筆界は登記されたときに定められた線であり、所有者同士の合意では変更できません。「お隣と話し合って決めた線」は所有権の境であって、筆界とは別物です。
越境については、令和5年4月1日施行の改正民法で扱いが変わりました。隣地の竹木の根は直接切り取ることができ、枝は所有者に切除を催告して応じない場合などには自ら切り取ることができます(民法233条)。
よくあるご質問
Q. 自分の物件が囲い込まれているか、確かめる方法はありますか
A. あります。専任媒介・専属専任媒介であれば、仲介会社から交付される登録証明書に記載のURL・ID・パスワード(令和7年1月4日以降の発行分は二次元コード)から、売却依頼主専用確認画面にアクセスできます。ステータスが「公開中」以外になっていないかをご確認ください。
Q. 登録証明書をもらっていないのですが
A. 専任・専属専任媒介でレインズに登録した場合、宅建業法34条の2第6項により遅滞なく引き渡す義務があります。手元にない場合は仲介会社にお尋ねください。
Q. 一般媒介にすれば囲い込みは防げますか
A. 一般媒介では複数社に依頼できますが、レインズへの登録義務がありません。囲い込みは防げても、業者間流通に載らないという別の問題が生じ得ます。専任にして登録状況を確認する方法と、どちらが合っているかは物件によって変わります。
Q. 半年も売れないと、値下げするしかないのでしょうか
A. 必ずしもそうではありません。まず確認すべきは買い手に情報が届いているかです。届いたうえで反応がないなら価格の問題ですが、そもそも紹介されていないなら値下げは解決になりません。順序が逆になっているケースをよく見かけます。
今回のご売却を振り返って
半年かけて、他社が見つけた買主様に、値下げなしでお引き渡しできました。当社の報酬は両手の半分です。
それでもこの形が正しいと考えるのは、売主様が当社に依頼されたのは「高く売ること」であって、「当社が買主も見つけること」ではないからです。目的を取り違えなければ、選ぶ道は決まります。
2025年1月の制度改正で、売主様がご自身で登録状況を確認できることが、より明確になりました。これは仲介会社にとって、仕事の中身を見られるということでもあります。私たちはそれを歓迎します。
当社は名古屋市を中心に、大府市を含む近隣エリアの土地・戸建て・マンションを扱っています。売却をまだ決めていない段階でのご相談も歓迎します。いくらで、どのくらいの期間で売れる見込みかを、根拠とあわせてお伝えするところから始めさせてください。
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レインズの登録証明書は必ずお渡しし、登録状況をご自身で確認していただけるようご案内します。他社に売却を依頼中の方からのセカンドオピニオンのご相談も承ります。
お電話でのご相談
052-211-9680
営業時間 10:00〜18:00/定休日 水曜日・祝日
※お客様のご意向により、物件の所在地の詳細は掲載しておりません。※統計・行政情報は国・愛知県・大府市および中部圏不動産流通機構の公表資料に基づき、数値の時点を明記しています。在庫と成約件数から算出した月数は当社による計算であり、公表指標ではありません。※法令に関する記載は2026年9月時点の一般的な内容です。「元付」「客付」「両手」「分かれ」「実測売買」「公簿売買」は業界慣行の用語であり、法令上の定義はありません。※個別の取引条件は取引ごとに異なります。
