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相続登記義務化で何が変わる?売却や名義変更の手順と費用を解説

売却ブログ

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

宅地建物取引士  不動産業界キャリア15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

親名義の不動産をそのままにしてきたものの、相続登記の義務化が始まり、今さらどう動けばよいか不安を感じていませんか。
相続登記をしないまま放置すると、売却や名義変更の手続きがスムーズに進まないだけでなく、思わぬ費用負担やトラブルにつながるおそれがあります。
一方で、具体的な手順や期限、費用の目安が分かれば、何から始めるべきかがはっきりし、不安を整理することができます。
この記事では、相続登記義務化の基本から、不動産を売却したい場合や名義変更をしたい場合の流れと費用の考え方までを、40〜60代の方にも分かりやすいように順を追って解説します。
今のうちに全体像をつかみ、ご自身の状況に合った一歩を踏み出すための参考にしてください。

相続登記義務化で何が変わる?放置リスクを整理

相続登記の申請は、2024年4月1日から原則として義務になりました。
不動産を相続で取得した人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
この義務は、土地だけでなく建物にも及び、2024年3月31日以前に発生した相続で未登記のものも対象です。
そのため、長年親名義のままにしてきた不動産も、今後は期限を意識して手続きすることが重要になっています。

相続登記義務化に伴い、期限を守らない場合の過料制度も整備されました。
2024年4月1日以降に相続した不動産については、取得を知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。
また、2024年3月31日以前の相続でも、2027年3月31日までに相続登記をしなければ、同様に過料が科される可能性があります。
親名義の不動産を放置してきた40〜60代の方にとっては、この猶予期間内に動き出すことが大切です。

相続登記がされないまま放置されると、いわゆる所有者不明土地が増え、社会全体にさまざまな支障が生じるとされています。
公共事業や民間の土地取引が進みにくくなるほか、管理が行き届かず周辺の土地利用にも悪影響が出ることが問題視されています。
実際に、土地の所有者の所在が把握できない事例が全国で確認され、相続登記未了が主要な原因の一つとされています。
名義変更をせずに放置すれば、後から相続人が増えて話し合いが難しくなり、売却の機会を逃したり、相続人自身の権利行使がしにくくなったりするおそれがあります。

項目 内容 放置した場合の影響
相続登記義務化の開始時期 2024年4月1日以降の相続に適用 期限管理を怠ると過料リスク
過去の相続の猶予期限 2027年3月31日までに登記申請 親名義の不動産放置に注意
所有者不明土地の問題 公共事業や取引の支障要因 売却や利活用の機会喪失

相続登記と売却・名義変更の基本関係をわかりやすく解説

まず、不動産に関する登記には、相続登記、名義変更として行う所有権移転登記、売買による所有権移転登記があります。
相続登記は、被相続人から相続人へ名義を移す手続きであり、不動産登記簿上の所有者を現実の相続関係に合わせる役割を持ちます。
一方、売買登記は、売主から買主へ所有権を移す手続きであり、その前提として現在の名義が正しく相続人に移っていることが求められます。
このため、親名義の不動産を売却するには、相続登記による名義変更と売買登記が順番に必要になる点を押さえておくことが大切です。

次に、相続登記をしないままでは、実務上、不動産の売却や金融機関での担保設定が進められないことを理解しておく必要があります。
売買契約自体は当事者間の合意で成立するとしても、その後の所有権移転登記を行う際、登記簿上の所有者が亡くなったままでは、買主への移転登記ができません。
また、抵当権設定登記などの担保設定でも、登記名義人が実際の所有者と一致していることが前提とされており、相続登記を完了させていない不動産は、資産としての活用が大きく制限されます。
したがって、売却や借入れを視野に入れるのであれば、早期の相続登記が不可欠になります。

さらに、相続登記義務化後は、共有名義や法定相続分のまま登記した不動産を売却する場面でも、手続きが複雑になり得ます。
法定相続分どおりに共有名義とした場合、持分に応じた権利関係が生じ、不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要となることが一般的です。
また、世代交代が進むと、共有者の数が増え、連絡先が分からない相続人が出てくることもあり、売却のタイミングを逃す要因になります。
このため、共有名義とするかどうか、誰の名義に集約するかを、将来の売却や利用まで見据えて検討し、早めに整理しておくことが重要です。

登記の種類 主な役割 売却への影響
相続登記 被相続人から相続人への名義変更 売却や担保設定の前提条件
名義変更登記 贈与や離婚による所有者変更 新しい所有者を公的に明示
売買登記 売主から買主への所有権移転 買主の権利保全と引渡し完了

親名義の不動産を売却・名義変更するまでの具体的な手順

まず、相続登記に進む前提として、相続人の範囲を正確に確認することが大切です。
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本、住民票などを揃えて、法定相続人を特定します。
そのうえで、不動産をどのように分けるかを話し合い、合意した内容を遺産分割協議書として書面化し、全相続人が署名押印したものを準備します。
不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書も、後の相続登記申請に必要になるため、早めに取得しておくと手続が円滑になります。

必要書類が揃ったら、次は法務局への相続登記申請に進みます。
相続登記申請書に、登記の目的や原因、相続人の住所氏名などを記載し、前段で準備した戸籍関係書類や遺産分割協議書、固定資産評価証明書などを添付して、管轄の法務局に提出します。
遺産分割協議がまとまらない、相続人が多く書類収集に時間がかかるといった場合には、相続人であることを申し出る「相続人申告登記」を行うことで、相続登記の申請義務を期限内に履行することができます。
ただし、相続人申告登記では不動産の名義自体は変わらないため、売却や担保設定の場面では、最終的に通常の相続登記を行う必要があります。

売却まで見据える場合は、相続登記と並行して、売却の条件や時期を検討しておくことが重要です。
相続登記が完了していないと売買契約の締結や決済が進められないため、予定している売却時期から逆算して、余裕を持ったスケジュールを組むことが望ましいです。
また、共有名義となる場合は、売却方針や価格の目安、売却後の代金の分け方について、相続人間であらかじめ合意しておくことが、後のトラブル防止につながります。
売却時の必要書類や名義人の住所変更登記の要否など、個別事情によって確認すべき点も異なりますので、具体的な計画を立てる段階で、早めに専門家へ相談しておくと安心です。

手順の段階 主な確認事項 早期相談のポイント
相続人と権利関係の確認 戸籍収集と法定相続人特定 複雑な家族関係の整理支援
遺産分割協議と相続登記 協議内容の文書化と必要書類 協議書案作成と書類チェック
売却準備とスケジュール管理 売却時期と名義人構成の確認 手続全体の流れと必要期間説明

相続登記・名義変更・売却にかかる費用と節約の考え方

相続登記や名義変更には、まず登録免許税という税金がかかります。
相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として不動産の固定資産税評価額の0.4%が税率とされています。
このほか、戸籍謄本や住民票などの取得手数料、評価証明書などの発行手数料も必要です。
専門家に手続きを依頼する場合は、報酬が別途かかるため、どこまで自分で行うかをあらかじめ整理しておくことが大切です。

相続登記義務化に合わせて、費用面の負担を抑えるための制度も用意されています。
一定の要件を満たす土地については、相続登記の登録免許税が非課税となる措置が設けられており、条件を確認することで税負担を軽減できる場合があります。
また、戸籍の収集を進める際も、あらかじめ必要な範囲を整理し、重複取得を避けることで手数料を抑えられます。
まずは、自分の相続内容がどの制度に該当するかを確認しながら、無駄な支出をしないようにすることが重要です。

費用負担を考える際には、相続登記だけでなく、その後の売却や管理に伴う支出も見通しておくことが欠かせません。
たとえば、売却を予定している場合は、相続登記の費用に加え、測量費や建物状況の確認費用などが必要となるケースがあります。
こうした支出をあらかじめ見込んだうえで、相続人間で負担の分け方や支払い時期を話し合っておくと安心です。
さらに、早めに専門家へ相談し、適切なタイミングで手続きを進めることで、手続きのやり直しや追加書類によるコスト増を防ぎやすくなります。

費用項目 主な内容 節約のポイント
登録免許税 固定資産税評価額に税率乗算 免税措置該当確認
戸籍・証明書取得費 戸籍謄本・住民票・評価証明書 必要範囲整理し重複防止
専門家報酬 登記申請書作成・手続代行 自分で行う範囲検討

まとめ

相続登記の義務化により、親名義の不動産を放置すると過料や売却できないリスクが現実のものになります。
今のうちに相続人の確認や遺産分割協議、名義変更の手順と費用を整理しておくことが重要です。
当社では、相続登記から名義変更、売却までを見据えた全体の流れと費用の見通しを丁寧にご説明します。
「何から始めればよいか分からない」「費用が心配」という段階でも大丈夫です。
まずはお気軽にご相談いただき、一緒に最適な進め方を考えていきましょう。


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