住宅ローン減税の仕組みとは?夫婦のメリットと税金が安くなる額を解説

住宅ローン

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

不動産業界歴15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

住宅ローン減税は、同じ家計で暮らす夫婦にとって、長い期間の税金負担を軽くできる大きな制度です。
ただ、仕組みが複雑に感じられ、結局いくら安くなる額なのか、自分たちにはどんなメリットがあるのか分かりにくいと感じる方も多いはずです。
そこで本記事では、住宅ローン減税の基本的な仕組みから、所得税と住民税がどのように減るのか、さらに夫婦で家を購入するときに押さえたいポイントまで、順を追って整理します。
共働きか片働きかといった違いによるメリットの差や、安くなる額の考え方も、具体的なイメージが持てるようやさしく解説します。
これからマイホーム計画を進める夫婦が、自分たちに合った住宅ローンの組み方を考えるための土台として、ぜひ参考にしてください。

住宅ローン減税の基本仕組みと夫婦が押さえたいポイント

住宅ローン減税は、正式には住宅借入金等特別控除と呼ばれる税額控除の制度です。
一定の要件を満たす住宅ローンを利用して自宅を取得し、居住を開始すると、年末のローン残高に一定の割合を掛けた金額を所得税などから直接差し引く仕組みです。
国土交通省は、年末ローン残高の0.7%を最大13年間控除する制度として案内しており、金利負担の軽減と住まいの取得を促すことが目的とされています。
このように「支払う税金そのもの」が少なくなるため、結果として家計の手取りが増える点が大きな特徴です。

住宅ローン減税でまず対象となるのは所得税であり、年末のローン残高に控除率を掛けた額が、その年の所得税額から差し引かれます。
ただし、その年に実際に納める所得税額を超えて控除を受けることはできないため、所得税で引き切れなかった分については、一定の上限まで翌年度の個人住民税から控除されます。
このように、所得税と住民税が連動して軽減される仕組みになっているため、共働きかどうか、収入水準がどの程度かによって、実際に安くなる税額は変わってきます。
そのため、夫婦で利用を検討するときには、各自の年間の所得税・住民税負担額を把握しておくことが重要です。

控除の期間や控除率、適用対象となる年末ローン残高は、入居した年や住宅の性能などによって異なりますが、現在の制度では多くの場合、最大13年間にわたり年末残高の0.7%が控除される仕組みです。
夫婦で住宅を取得する場合、持分やローンの借入名義を分けることで、それぞれが自分の年末ローン残高に応じた控除を受けられる可能性があります。
ただし、適用を受けるには、各人が自ら居住することや、合計所得金額が一定以下であることなど、国税庁が定める要件を満たす必要があります。
このため、夫婦それぞれの収入見通しや、将来の繰上返済の予定も踏まえて、年末残高と控除期間との関係を総合的に確認しておくことが大切です。

項目 基本的な内容 夫婦が確認したい点
控除の対象 自宅取得の住宅ローン 自分名義の借入条件
控除の計算方法 年末残高×0.7% 夫婦それぞれの残高
控除される税金 所得税と住民税 各人の税負担額
適用期間 最大13年間 入居年ごとの違い

住宅ローン減税で税金はいくら安くなる?計算の考え方

住宅ローン減税で実際に税金がどれくらい安くなるかは、「年末ローン残高」と「控除率」「各年の上限額」で決まります。
国土交通省の整理によると、原則として各年末の住宅ローン残高に控除率0.7%を掛けた金額が、その年の控除額の基本となります。
ただし、省エネ基準を満たすかどうかなど住宅の種類によって、控除期間や借入限度額(控除対象となる残高の上限)が異なる点に注意が必要です。
そのため、まずは自分たちの住宅がどの区分に当てはまるかを確認したうえで、年末残高×0.7%と上限額のどちらが小さいかを基準に控除額を把握することが大切です。

次に、夫婦の働き方によって税金が安くなるイメージも変わります。
共働きでそれぞれが住宅ローン減税を受ける場合は、各人の年末ローン残高に応じて控除額が計算され、それぞれの所得税・住民税から控除されます。
一方、片働きでローンも片方の名義とする場合は、控除を受ける人が支払う税金の範囲でのみ減税効果が出るため、年末残高が多くても、所得税・住民税の金額が小さいと控除しきれない可能性があります。
そのため、夫婦それぞれの年収や今後の働き方を踏まえて、名義や借入の持ち方を検討することが重要です。

住宅ローン減税は、あくまでその年に納めるべき税金を上限として差し引く仕組みです。
国税庁の案内では、控除額の計算はまず所得税から行い、そこで控除しきれない部分について、一定の上限の範囲内で翌年度分の個人住民税から控除できる流れとされています。
そのため、「年末残高×0.7%」で計算した金額がそのまま必ず戻ってくるわけではなく、実際にはその人が負担している所得税額と住民税額を合計した金額が最大値になります。
この点を誤解して、シミュレーション上の控除額だけを見てしまうと、「思っていたより税金が安くならなかった」と感じる原因になりやすいため注意が必要です。

確認したい項目 基本的な考え方 夫婦での注意点
年末ローン残高 控除額の計算の基礎 名義ごとの残高を把握
控除率と上限額 0.7%と区分別上限 住宅の種類ごとに確認
所得税と住民税 納めた税金が上限 働き方で控除額が変動

夫婦で利用する住宅ローン減税のメリット・デメリット

夫婦で住宅ローン減税を利用すると、家計全体で見た税負担の軽減効果を高めやすいという大きなメリットがあります。
たとえば共働きでそれぞれが一定の所得税や住民税を納めている場合、双方が住宅ローン減税を受けることで、合計の控除額が増えやすくなります。
また、減税によって毎年の実質的な返済負担がやわらぐため、子育てや老後資金の準備など、将来に向けた貯蓄を進めやすくなる点も見逃せません。
一方で、制度の仕組みを十分に理解しないまま借入額を増やすと、長期的な家計がかえって苦しくなるおそれもあります。

夫婦それぞれが持分を持ち、連帯債務やペアローンなどで借入額を分ける場合には、各自が自分の年末ローン残高に応じて住宅ローン減税を受けられる可能性があることが特徴です。
ただし、連帯債務では内部的な負担割合に応じて控除対象となる借入金額が決まり、持分との関係も含めて適切に設定しておかないと、想定より控除額が少なくなる場合があります。
また、連帯保証型のように債務者が一人とみなされる形態では、住宅ローン減税を受けられるのは原則として主たる債務者のみとなるため、夫婦双方で減税を受けたいという目的には合わないこともあります。
このように、名義や借入方法による税金面のメリットには一定の限界がある点を理解しておくことが大切です。

さらに、金利水準や将来の所得の変化によっては、住宅ローン減税を利用しても「思ったほど得をしない」場合があります。
変動金利で返済額が増えたり、借入期間が長く総返済額が大きくなったりすると、減税で戻る金額より利息負担の増加の方が大きくなるケースも考えられます。
また、産休や育休、転職などでどちらかの所得税額が下がると、その年に受けられる住宅ローン減税も減り、当初試算していた控除総額に届かないことがあります。
したがって、夫婦で制度を活用する際には、現在だけでなく将来の収入や生活設計の変化も踏まえて、過度に借入額を増やさないよう慎重に検討することが重要です。

比較項目 主なメリット 主なデメリット
夫婦双方で減税利用 総控除額の増加 手続きや管理が複雑
名義・借入額の分け方 税負担の分散 設定次第で控除減少
金利・所得の変化 低金利時は負担軽減 利息増加で効果減少

住宅ローン減税を最大限いかすための夫婦のチェックリスト

住宅ローン減税をしっかり受けるためには、対象となる住宅とローンの条件を一つずつ確認しておくことが大切です。
たとえば、床面積が一定以上であることや、自ら居住すること、返済期間が10年以上であることなどが主な要件として定められています。
また、入居した日や建築確認日によって、控除期間や借入限度額、必要書類が変わる場合があります。
こうした条件を事前に整理しておくことで、夫婦どちらの名義でも安心して減税を受けやすくなります。

次に、確定申告と年末調整の流れを押さえておくことが重要です。
住宅ローン減税は、居住を開始した年については原則として確定申告で手続を行い、給与所得者である場合は、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受ける形になります。
このとき、金融機関から交付される年末残高証明書や、税務署から交付される住宅借入金等特別控除関係の申告書など、必要書類を夫婦それぞれが漏れなくそろえることが欠かせません。
あらかじめ書類の保管場所や提出時期を共有しておくと、忙しい共働き夫婦でも手続がスムーズになります。

さらに、返済計画を見直すときにも住宅ローン減税への影響を確認することが大切です。
一部繰上返済や借り換えを行う場合、返済期間が10年以上という要件を満たさなくなると、その年以降は減税を受けられなくなる可能性があります。
また、繰上返済のタイミングや金額によっては、受けられる控除額が減る一方で、利息軽減効果が大きくなるなど、家計全体で見た有利・不利のバランスも変わってきます。
そのため、夫婦で将来の収入見通しやライフプランを話し合いながら、減税と金利負担の両方を踏まえた返済方法を検討することが重要です。

確認項目 主なチェック内容 夫婦で話し合う点
住宅とローン条件 床面積・入居時期・返済期間 名義割合と借入額の配分
申告と書類準備 確定申告の要否と必要書類 書類保管場所と提出スケジュール
返済計画の見直し 繰上返済後の返済期間と控除額 家計全体での負担と優先順位

まとめ

住宅ローン減税は、年末ローン残高に控除率をかけた金額を上限に、所得税や住民税が減る制度です。
夫婦で名義や借入額を工夫すれば、家計全体の税金をより効率よく軽くできる可能性があります。
一方で、納めた税金額を超えては戻らないことや、金利や収入の変化で想定より得にならないケースもあります。
当社では、ご夫婦それぞれの年収や将来プランを伺い、住宅ローン減税を最大限いかす購入計画づくりをサポートしています。
「うちの場合はいくら税金が安くなるのか」を具体的に知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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