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区分所有法改正2026で何が変わる?マンション建て替え決議と一括売却のポイント

売却ブログ

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

宅地建物取引士  不動産業界キャリア15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

築40年前後の分譲マンションに住み続けるべきか、それとも新たな一歩を踏み出すべきか。
今、その判断に大きく関わるのが、2026年前後に施行が予定されている区分所有法の改正です。
老朽化マンションの増加と、居住者の高齢化という2つの老いが進むなか、建て替え決議やマンション一括売却など、所有者の選択肢はこれまで以上に多様になります。
しかし、その一方で、建て替えや一括売却のルールを正しく理解していないと、重要な場面で不利な立場に立たされるおそれもあります。
そこで本記事では、区分所有法改正のポイントと、建て替え決議やマンション一括売却の基本的な仕組みを、築40年前後のマンション所有者の目線でわかりやすく整理します。
自分の資産と暮らしを守るために、今から何を知り、どのように準備すべきかを一緒に確認していきましょう。

2026年区分所有法改正で何が変わるか

全国的に分譲マンションの高経年化が進み、築年数が増すほどコンクリートや設備の劣化が避けられなくなっています。
同時に、居住者や区分所有者の高齢化も進行しており、「建物の老い」と「人の老い」という2つの老いが重なっているとされています。
この2つの老いにより、管理組合の運営や長期修繕の意思決定が難しくなり、老朽化したマンションを放置すれば安全性や資産価値の低下が深刻化します。
こうした状況を踏まえ、老朽化マンションの管理と再生を円滑に進めることを目的として、区分所有法などの改正が行われました。

今回の改正は、区分所有法に加え、マンションの再生等の円滑化に関する法律やマンション管理関連法令を一体的に見直す大きな枠組みとなっています。
改正法は2025年に公布され、一部は2026年4月1日や2026年11月28日など段階的に施行されることが政令等で定められています。
これにより、マンションの建て替えや敷地売却に関する多数決要件の見直し、管理計画の事前整備、管理不全への対応強化などが進められる予定です。
築40年前後のマンションは、老朽化や設備更新の需要が高まる時期と重なるため、改正内容の影響を特に受けやすい層と位置付けられています。

管理方針や再生方針を考えるうえで、今回の改正で重要となるのが「建替え決議」「建物更新」「マンション一括売却」などのキーワードです。
建替え決議については、原則となる多数決要件を維持しつつ、一定の客観的事由がある場合に要件を緩和できる仕組みが導入される方向で見直しが行われています。
また、老朽化した建物の将来像として、従来の建替えだけでなく、建物や敷地を一括して売却し、売却代金を区分所有者間で配分する選択肢も制度面で整理されつつあります。
築40年前後の区分所有者にとっては、これらの制度を理解し、自分のマンションの管理規約や長期修繕計画と照らしながら、今後の方向性を検討することが一層重要になってきます。

改正の背景 改正の柱 築40年前後への影響
建物老朽化の進行 建替え決議要件の見直し 再生検討の現実味向上
居住者高齢化の進行 管理計画の事前整備 管理体制見直しの必要
空き住戸や不在所有者の増加 一括売却制度の整備 売却という選択肢の拡大

マンション建て替え決議要件の緩和と所有者への影響

改正後の区分所有法でも、マンション建て替え決議の原則は、従来どおり区分所有者数と議決権数の各5分の4以上の賛成が必要とされています。
一方で、老朽化が進んだマンションの再生を進めるため、一定の客観的な条件を満たす場合には、この要件を各4分の3以上に緩和できる仕組みが導入されました。
この緩和は、建て替えの必要性が高いのに賛成者がわずかに届かない状況を想定したもので、合意形成のハードルを下げる狙いがあります。
築40年前後の分譲マンションでは、改正前と比べて建て替えの議論が現実的な選択肢になりやすくなる点が大きな変化です。

多数決要件が緩和される「客観的緩和事由」としては、耐震基準を満たしていないこと、火災時の安全性が不足していること、外壁などの剥落による危険があること、給排水管等の設備の腐食が進行していること、バリアフリー基準を満たさず高齢者の生活に支障があることなどが挙げられています。
これらは国の審議会資料やマンション政策の資料で整理されており、建物の安全性や機能性に関わる重要な指標とされています。
築40年前後のマンションでは、旧耐震基準で建てられているものや、給排水管の更新が十分でないもの、高齢の居住者が多いものが少なくなく、緩和事由に該当する可能性が高いといえます。
したがって、客観的な診断結果や長期修繕計画の状況を確認することが、今後の方針を検討するうえで欠かせません。

建て替え決議が成立した後は、まず建物や敷地の利用方針、資金計画、仮住まい期間などを盛り込んだ事業計画を作成し、必要に応じてマンション再生に関する法律の手続きも活用しながら具体化していきます。
その過程では、権利変換計画の作成などを通じて、各区分所有者の持分や建て替え後の住戸の位置・広さ、負担金や精算金の内容などを整理することになります。
一方で、建て替え決議に反対したり、集会に出席しなかったりした区分所有者も、一定の手続きを経て決議に拘束されることとなり、最終的には持分の売渡請求の対象となる場合があります。
そのため、早い段階から情報収集を行い、同意した場合としなかった場合の法的・経済的な影響を比較しておくことが、所有者として重要になります。

項目 改正前 改正後
建て替え決議の原則要件 5分の4以上賛成 5分の4以上賛成
客観的緩和事由の有無 緩和規定なし 要件該当で4分の3
築40年前後マンション 合意形成の高い壁 緩和適用の可能性

区分所有法改正で広がる「マンション一括売却」の選択肢

改正後の区分所有法では、従来の建替え決議に加えて、建物敷地売却決議・建物取壊し敷地売却決議・敷地売却決議といった、マンション全体を一括して売却するための多数決の仕組みが新たに設けられます。
これらの決議は、区分所有関係自体を解消し、建物や敷地を第三者にまとめて処分するための手段として位置付けられており、建替えが困難な老朽化マンションの出口戦略を広げる役割を担います。
あわせて、マンション再生法も改正され、これらの決議を前提としたマンション等売却事業の枠組みが整備されるため、一括売却を選びやすい制度環境が整いつつあります。

一括売却を選択する場合も、建替えと同様に、原則として区分所有者および議決権の各4/5以上の多数による集会決議が必要とされる方向で整理されています。
また、耐震性の不足など一定の客観的要件を満たす場合には、多数決要件が3/4まで緩和される仕組みが、建替え決議と同様に一括売却関連の決議にも連動していくことが想定されています。
決議が成立した後は、マンション再生法に基づくマンション等売却事業として、評価や売却条件の具体化、権利関係の調整が行われ、最終的な売却代金が各区分所有者に配分される流れになります。

築40年前後のマンションでは、建物や設備の老朽化に加え、将来の大規模修繕費用や耐震性の確保に不安を抱える所有者も多く、一括売却は選択肢の1つとして現実味を増しています。
一方で、一括売却を行うと原則として現在の住戸から退去する必要があり、住み続けたい所有者には大きな負担となる場合があります。
さらに、譲渡所得税などの税負担や、売却代金で新たな居住先を確保できるかどうかといった資金計画の検討も欠かせないため、メリットとデメリットを丁寧に整理しながら検討していくことが重要です。

項目 一括売却のメリット 一括売却のデメリット
長期的な維持管理 将来の修繕負担から解放 建物資産の継続利用が困難
居住の継続性 老朽化リスクからの早期離脱 現在の住戸からの退去負担
資金計画 売却代金の一括受領可能 譲渡所得税等の税負担

築40年前後マンション所有者が今から準備すべきこと

まずは、自分が所有しているマンションにどのような法令や基準が適用されるのかを落ち着いて整理することが大切です。
具体的には、改正区分所有法とマンション再生に関する法律の施行時期や内容を確認し、管理組合の管理規約がそれらに対応しているかを見直す必要があります。
あわせて、長期修繕計画や修繕積立金の水準が最新のガイドラインを踏まえているかどうかも点検しておくと、将来の方針を検討しやすくなります。
これらの資料は、管理組合の総会資料や議事録、管理会社からの通知を丁寧に読み返すことで把握しやすくなります。

次に、建て替え、一括売却、大規模修繕など複数の選択肢を、同じ土俵で比較できるよう視点をそろえることが重要です。
例えば、今後どの程度の期間住み続けたいのかという居住ニーズ、建物の構造や設備の寿命、必要となる総費用と各所有者の負担割合、将来の相続のしやすさなどを整理しておくと判断の軸が明確になります。
また、改正法により建替え決議や一括売却決議の要件が変わることで、現実的に取り得る選択肢の幅も広がると見込まれます。
そのため、自分や家族のライフプランと資金計画を踏まえた上で、どの選択肢が妥当かを長期的な視点から考えることが大切です。

さらに、所有者同士で早めに情報共有を進めることが、円滑な合意形成の第一歩になります。
理事会や集会の場では、改正区分所有法の概要、建物の現状診断結果、長期修繕計画の前提条件など、共通認識として持つべきテーマを意識的に取り上げると良いでしょう。
その上で、建て替えや一括売却など具体的な選択肢の検討段階に入る前に、法律や税務、建築に詳しい専門家へ相談する時期や範囲をあらかじめ話し合っておくことが望ましいです。
特に、大きな決議が視野に入ってきた段階では、専門家の助言を受けながら説明資料を整えることで、所有者全体の理解と納得を得やすくなります。

準備の段階 主な確認項目 専門家相談の目安
現状把握の段階 法改正内容と管理規約 条文解釈で不明点
選択肢整理の段階 建物寿命と費用負担 概算費用や税負担
合意形成の段階 決議要件と手続 具体的事業スキーム

まとめ

2026年前後の区分所有法改正で、築40年前後のマンションは建て替え決議や一括売却のハードルが下がり、大きな転機を迎えます。
今のうちに、自分のマンションの長期修繕計画や管理規約、耐震性などを客観的に確認し、建て替え・一括売却・大規模修繕を比較検討することが重要です。
当社では、最新の法改正を踏まえたシミュレーションや合意形成の進め方まで、区分所有者様の状況に合わせて丁寧にご説明しています。
「うちのマンションはどう動くべきか」と少しでも不安や疑問をお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。


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