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リフォームでエコカラットは必要?費用・効果・デメリットを施工イメージで比較

リフォーム

橋本 侑弥

筆者 橋本 侑弥

不動産キャリア15年

不動産業界歴15年。賃貸仲介を中心に、市場データ分析と広告戦略を強みとしてきました。名古屋市内の複数エリアで現場経験があり、地域の生活情報にも精通。最新のマーケティング手法を活かした客付け・売却提案を得意とします。名古屋市東区出身、昭和区在住。

エコカラットは
壁紙と何が違うのか?

効果・費用・デメリットを、4か所の施工イメージで比較します。

この記事でわかること

エコカラットを貼ると、部屋の見え方と空気がどう変わるのか。トイレ・洗面室・玄関・LDKの4か所で、貼る前と貼った後の画像を見比べられます。調湿・脱臭のしくみ、貼ってはいけない場所、費用の目安、そしてアクセントクロスとの違いまで一通りわかります。

費用・工期の目安

費用

1.3〜3.0万円/㎡

材料+施工。トイレ1面なら約4〜7万円

工期

半日〜1

1面のみ・家具の移動を除く

壁紙のおよそ10倍の単価です。ただし調湿効果を狙うなら「床面積の1/4」という面積の目安があります(第4章)。

壁を変える方法は、大きく分けて2つあります。ひとつはアクセントクロス。もうひとつがエコカラットです。

両者はよく並べて紹介されますが、実は性質がまったく違います。クロスが「色と柄で印象を変えるもの」だとすれば、エコカラットは「湿気とにおいを吸わせるために貼るもの」。デザインは、その結果としてついてくるものです。

この記事では、トイレ・洗面室・玄関・LDKの4か所で、貼る前と貼った後を並べて比較します。そのうえで、調湿・脱臭というしくみの話、貼ってはいけない場所、費用、そして「結局どちらを選ぶべきか」まで踏み込んで解説します。

目次

1. エコカラットとは?壁紙でも塗り壁でもない「多孔質セラミックス」 2. 【ビフォーアフター】4か所で見る、貼る前と貼った後 3. 3つの機能——調湿・脱臭・有害物質の低減 4. 効果を出すには「床面積の1/4」という目安がある 5. 質感で選ぶ——表情の違いを近くで見る 6. 【徹底比較】エコカラット vs アクセントクロス 7. デメリットと、貼ってはいけない場所 8. 費用と工期の目安 9. 場所別・失敗しにくい選び方 10. よくある後悔と、その避け方 11. よくある質問とまとめ
1. エコカラットとは?壁紙でも塗り壁でもない「多孔質セラミックス」

エコカラットは、LIXILが製造している内装専用の壁材です。粘土鉱物を焼いてつくったセラミックスのタイルで、壁紙のように「貼る」ものですが、素材としては陶器の仲間にあたります。

最大の特徴は、表面ではなく内部にあります。エコカラットプラスには、1〜10ナノメートルほどの微細な孔(あな)が多く存在します。これは1mmの約100万分の1〜10万分の1という非常に小さなサイズで、湿気やにおいの成分を吸着しやすい構造になっています。

孔の量は数字にすると異様です。1㎡あたりの孔の表面積は、合計およそ539,000㎡。東京ドームの建築面積で言えば11.5個分にあたります。壁1面の内側に、それだけの「湿気の受け皿」が隠れている、というのがこの建材の正体です。

<質感の接写>

▲ 表面には数ミリの凹凸がある。この陰影が、平面の壁紙では出せない見え方をつくる。

湿気は通し、水は通さない

現行品の「エコカラットプラス」は二層構造。水や汚れは通さず、水蒸気だけを吸います。だから水拭きができます。

電気を使わない

吸放湿は素材そのものの物理的な作用です。電源も交換部品も不要で、機能が経年で切れることもありません。

立体的な陰影が出る

石を割った断面や縦のリブなど、数ミリの凹凸があります。光の当たり方で表情が変わります。

現場から:「珪藻土の壁と何が違うんですか」とよく聞かれます。いちばん大きな違いはお手入れです。塗り壁系の調湿材には水拭きしにくい商品もありますが、エコカラットプラスは濡れた布で拭けます。玄関やトイレのように手が触れる場所では、この差が効いてきます。

2. 【ビフォーアフター】4か所で見る、貼る前と貼った後

機能の説明の前に、まず見え方から。ここでは同じ場所・同じ家具・同じ照明で、壁1面をエコカラットに変えた4か所を並べます。家具も間取りも一切変えていません。

※以下は、エコカラットを貼ったときの見え方を分かりやすくするためのイメージです。実際の仕上がりは、商品・照明・窓の向き・時間帯によって異なります。

① トイレ|においが気になる、いちばん狭い部屋

施工面積の目安 1〜1.5㎡/費用の目安 約4〜7万円


トイレエコカラット施工前

▲ 施工前。ベージュ系の量産クロスで、面としては何も起きていない状態。

トイレ施工後

▲ 施工後。正面1面を細かい石積み調のエコカラットに。凹凸が影を落とし、狭さより「奥行き」が先に目に入る。

エコカラットを最初に検討する場所として、トイレは理にかなっています。理由は単純で、狭いからです。空間の体積に対して壁の面積が大きく、1〜1.5㎡貼るだけで「床面積の1/4」という目安を軽くクリアします。脱臭の効果を体感しやすいのはこのためです。

見え方の面でも、トイレは効果が出やすい場所です。手を洗うとき、扉を開けたとき——視線と壁の距離が近いので、数ミリの凹凸がはっきり見えます。同じ面積を貼るなら、広いリビングより狭いトイレのほうが「変わった」と感じやすいのです。

② 洗面室|湿気がいちばん溜まる部屋

施工面積の目安 1.5〜2.5㎡/費用の目安 約5〜10万円

洗面所施工前

▲ 施工前。洗濯機と洗面台の間の壁が、そのまま余白になっている。


洗面所施工後

▲ 施工後。白い細割りの石積み調。明るさを保ちながら、面に質感が出る。

洗面室は、住まいのなかでもっとも湿度が上下する場所です。入浴後に浴室から流れ込む湿気、部屋干しの洗濯物、洗濯機からの排気。カビが出やすい場所であり、調湿という機能がいちばん直接的に効く場所でもあります。

注意:洗面室に貼る場合は、浴室から直接お湯や水がかかる位置は避けてください。エコカラットは浴室内には施工できません。洗面室でも、シャワーの飛沫が届く範囲や、洗濯機の給排水まわりは対象から外します。

③ 玄関|最初に見える壁を、いちばん安く変える

施工面積の目安 1〜2㎡/費用の目安 約5〜9万円

玄関施工前

▲ 施工前。上がり框の正面が白い壁のままで、視線の行き止まりになっている。


玄関エコカラット施工

▲ 施工後。ダークグレーの縦リブ調。ダウンライトの光が縦の溝に沿って落ち、面が引き締まる。

玄関は、費用対効果でいえば最も効率のいい場所です。貼る面積は1〜2㎡と小さいのに、来客が最初に、そして家族が毎日必ず見る壁だからです。

機能面でも玄関は向いています。靴のにおいは複合臭——複数の成分が混ざったにおいで、市販の芳香剤では上書きするしかありません。エコカラットはにおいの原因成分そのものを孔に吸着させるため、方向性が違います。

なお、玄関のように照明が斜めから当たる場所では、縦リブや深い凹凸のあるタイプが効きます。上の写真も、光が真上から落ちることで縦の溝が強調されています。フラットに近いタイプを選ぶと、この効果は出ません。

④ LDK|テレビ背面という、いちばん見られる壁

施工面積の目安 2〜4㎡/費用の目安 約8〜18万円

施工前リビング

▲ 施工前。テレビ背面が白いクロスのままで、面積のわりに情報量がない。


施工後リビング

▲ 施工後。ベージュの大判タイル調に、ダウンライトを2灯追加。壁を照らす光が凹凸を拾い、面そのものが陰影を持つ。

テレビ背面は、家のなかで最も長時間、視線が向かう壁です。ソファに座っているあいだ、テレビの向こう側は常に視界に入り続けます。ここに質感があるかどうかで、部屋の印象は変わります。

ただしLDKには、他の3か所とは違う注意点があります。広いぶん、調湿効果を狙うなら面積が要るということです。12畳なら約5㎡、16畳なら約6.5㎡が目安になります(詳しくは第4章)。テレビ背面だけの2〜4㎡では、見た目は変わっても調湿は体感しにくいのが正直なところです。

現場から:LDKでエコカラットをご検討の場合、私たちは照明とセットでご提案しています。壁を上から照らすダウンライトを2〜3灯足すだけで、同じ商品でも見え方が変わります。逆に、真正面から均一に光が当たる部屋では凹凸が消えてしまい、「思ったほど変わらなかった」となりやすいのです。

3. 3つの機能——調湿・脱臭・有害物質の低減

エコカラットが壁紙より一桁高い理由は、この3つの機能にあります。順に見ていきます。

① 調湿——湿気を吸い、乾いたら返す

室内の湿度が高いときは水蒸気を孔に取り込み、乾燥してくると放出します。エアコンの除湿と違い、電気も水も使いません

吸放湿量の比較(メーカー試験値)

エコカラット
珪藻土
調湿壁紙

珪藻土の約6倍、調湿壁紙の25倍以上。25℃・湿度50%から90%へ変化させ、24時間測定した値です。

効いてくる場面:梅雨時のじめつき、冬の窓の結露、押入れやクローゼットまわりのカビ、ダニの繁殖しやすさ。逆に、換気をまったくしない部屋では効果が頭打ちになります。吸った湿気を放出する先が必要だからです。

② 脱臭——においの成分そのものを吸着する

芳香剤が「別のにおいで上書きする」のに対し、エコカラットはにおい成分の分子を孔に取り込みます。方向性がまったく違います。

においの種類 主な発生源
トイレ臭アンモニアなど
生ゴミ臭キッチンのゴミ箱まわり
靴・玄関の複合臭下駄箱、濡れた靴
ペット臭体臭、トイレシート
タバコ・カビ臭喫煙、湿気の溜まる場所

効いてくる場面:トイレ、玄関、ペットのいる部屋。いずれも狭くて、においがこもりやすい場所です。逆にLDKのような広い空間では、発生源から壁までの距離があるぶん体感しにくくなります。

③ 有害物質の低減——ホルムアルデヒドなどを吸着

新しい家具や建材から出るホルムアルデヒド・トルエンといったVOC(揮発性有機化合物)を吸着し、室内濃度を下げます。これは第三者機関である日本建築センターの審査証明(証明番号BCJ-232)を取得している性能です。

効いてくる場面:リフォーム直後、新しい家具を入れた直後、シックハウスが心配なご家庭。ただしこれは換気の代わりにはなりません。あくまで補助と考えてください。

おまけ:水拭きできる

一般的な塗り壁系の調湿材には、水拭きしにくい商品もあります。エコカラットプラスは二層構造で水や汚れを表面で止めるため、濡れた布で拭けます。軽い汚れなら中性洗剤やメラミンスポンジも使えます。玄関や洗面室で選びやすいのは、この差が大きいためです。

4. 効果を出すには「床面積の1/4」という目安がある

エコカラットで最も多い後悔が、「貼ったのに効果を感じない」というものです。原因のほとんどは商品ではなく、面積にあります。

メーカーが示している目安は明快で、その空間の床面積のおよそ1/4以上の壁面積。おおまかには「1畳あたり1㎡」と覚えておくと計算が早くなります。

部屋の広さ 床面積 必要な壁面積の目安 費用の目安
トイレ・玄関などの小空間2〜4㎡1〜2㎡(正面1面で足りる)約4〜9万円
6畳(洋室・寝室)約10㎡約2.5㎡約5〜9万円
8畳(寝室・書斎)約13㎡約3.5㎡約6〜11万円
12畳(LDK)約20㎡約5㎡約9〜15万円
16畳(広めのLDK)約26㎡約6.5㎡(床面積から概算)約12〜19万円

※必要な壁面積は「床面積の1/4以上」という目安から算出した概算値です(メーカーは12畳のリビングで4〜6㎡を推奨しています)。推奨面積は目安であり、効果を保証するものではありません。費用は材料費・施工費・諸経費を含む目安で、商品グレード・下地の状態・施工のしやすさによって変動します。

ここが分かれ道:「見た目を変えたい」だけなら、面積は自由です。テレビ背面に2㎡でも十分に効果があります。しかし「湿気やにおいを何とかしたい」のであれば、上の表の面積を確保しないと期待外れになります。目的をどちらに置くかを、最初に決めてください。

この観点で見ると、トイレ・玄関・洗面室は非常に有利だとわかります。もともと空間が小さいので、正面1面を貼るだけで目安を満たしてしまう。費用も4〜10万円程度に収まります。

逆にLDKは、見た目のためなのか、機能のためなのかで必要な予算が倍近く変わります。16畳のリビングで調湿まで狙うなら6.5㎡——テレビ背面だけでは足りず、隣接する壁まで回すか、天井際まで立ち上げるといった設計が必要になります。

5. 質感で選ぶ——表情の違いを近くで見る

エコカラットは、機能はほぼ共通で表情の違いで選ぶ建材です。カタログの小さな写真では差が分かりにくいので、近くで見た状態を並べます。

ライトグレー

▲ 石を割った断面を写し取ったタイプ。凹凸が深く、影が濃く出る。面積が小さくても存在感が出るので、玄関やトイレ向き。

エコカラットベージュ

▲ 割付が細かく、層が重なったように見えるタイプ。同じ石積み調でも印象は穏やかで、洗面室や寝室のように落ち着かせたい場所に向く。


エコカラット縦ライン

▲ 細い縦の溝が連続するタイプ。天井を高く見せる効果があり、上からの光と相性がいい。玄関やホテルライクなLDKで選ばれる。

表情のタイプ 代表的なシリーズ例 凹凸の
深さ
向いている場所 価格帯
ラフストーン調ストーングレース など★★★★★玄関・LDK
細割り石積み調グラナス ルドラ など★★★☆☆洗面室・トイレ・寝室
縦リブ調グラナス ヴィーレ など★★★★玄関・LDK
フラット・織物調サンティエ/ディニタ など★★☆☆☆寝室・広い面に貼るとき標準

※シリーズ名は代表例です。ラインナップと価格はメーカーの改定により変わります。★は凹凸の深さと陰影の出やすさに関する弊社の目安であり、メーカーの公式指標ではありません。

凹凸が深い=いつも正解、ではありません:凹凸が深いタイプは陰影が強く出るぶん、広い面に貼ると圧迫感が出ることがあります。5㎡以上のまとまった面に貼るなら、フラットに近いタイプのほうが失敗しにくい。小さい面ほど深く、広い面ほど浅く——これが基本の考え方です。

6. 【徹底比較】エコカラット vs アクセントクロス

ここが、いちばん多くいただくご質問です。結論から言えば「目的が違うので、比べるべきは価格ではない」のですが、判断材料として一覧にします。

比較項目 アクセントクロス エコカラット
㎡単価(材工)約1,300〜1,800円約13,000〜30,000円
1面あたりの総額約3〜5万円約4〜18万円
工期半日〜1日半日〜1日
調湿△ 調湿クロスもあるが効果は限定的◎ 珪藻土の約6倍
脱臭△ 消臭クロスあり◎ 複合臭にも対応
VOC低減△ 一部商品のみ◎ 第三者機関の審査証明あり
質感・立体感平面。柄で表現する数ミリの凹凸による本物の陰影
色柄の選択肢◎ 数千種類△ 数十種類。原色や派手な柄はない
画鋲・フック○ 使える× 割れる。専用レールのみ
耐用の目安汚れや傷み、模様替えを機に張り替え長期間使用可能。定期的な清掃・換気を推奨
やり直しやすさ◎ 張り替えるだけ× 撤去に下地補修が必要
DIY○ 貼ってはがせるタイプあり△ マグネット式の専用品のみ現実的

※◎○△×および費用は、記事末尾の出典および弊社が取り扱った工事をもとにした目安です。

表を見ると、両者が真逆の性格をしていることが分かります。クロスは「安くて、選べて、やり直せる」。エコカラットは「高くて、選択肢が狭く、やり直しにくいが、働く」

アクセントクロスを選ぶべき人

・とにかく費用を抑えたい
・はっきりした色や柄を使いたい
・数年で気分を変えるかもしれない
・壁に絵や時計を掛けたい
・賃貸で、いずれ原状回復する

エコカラットを選ぶべき人

・トイレや玄関のにおいが気になる
・結露やカビに毎年悩んでいる
・ペットを飼っている
・長く住む前提で、貼り替えたくない
・ホテルのような質感が欲しい

現場から:実際にいちばん多いのは「使い分け」です。トイレ・玄関・洗面室というにおいと湿気の出る小空間はエコカラット、寝室やLDKはアクセントクロス。この組み合わせなら、費用は全体で15〜25万円前後に収まり、機能もデザインも取りこぼしません。

7. デメリットと、貼ってはいけない場所

良い面ばかり書いても判断材料になりません。契約前に必ず知っておいていただきたい点を、正直に並べます。

① 単価が壁紙のおよそ10倍

これがいちばん大きな壁です。同じ1面でも、クロスなら3〜5万円のところ、エコカラットは4〜18万円。部屋全体に貼るという発想は、現実的ではありません。効く場所を絞る前提で考えてください。

② 画鋲もネジも打てない

セラミックスなので、無理に打ち込むとひび割れや欠けの原因になります。時計、絵、ウォールシェルフを掛けたい壁には向きません。掛けるものがある場合は、メーカーの専用レールを施工時に組み込んでおく必要があります。「あとから思いついた」では対応できないので、打ち合わせの段階で伝えてください。

③ 衝撃に弱い

硬い素材ですが、強くぶつければ割れます。掃除機のヘッド、家具の角、子どもの遊び。腰から下の高さは、割れるリスクが上がると考えておいてください。心配な場合は、腰高より上だけに貼る納まりもあります。

④ 油汚れに弱い(キッチンのコンロまわりは不可)

油汚れが付着しやすいコンロ周辺・キッチンバックは、メーカーの施工対象外です。油が付いたまま放置すると、汚れが落ちにくくなるだけでなく、調湿・脱臭の働きにも影響します。同じキッチンでも、油が飛ばないダイニング側の壁なら問題ありません。

⑤ 撤去・やり直しが大変

接着剤で下地に全面接着するため、剥がすと石膏ボードの表面が一緒に持っていかれます。撤去する場合は下地のパテ補修、場合によってはボードの張り替えまで必要になり、その費用が別途かかります。「気に入らなければ替えればいい」という建材ではありません。

⑥ 白系は汚れが目立つ/液体はシミになることがある

水拭きはできますが、凹凸があるぶんホコリは溜まります。また、色の濃い液体(コーヒー、醤油など)が付いたまま放置するとシミが残る場合があります。ダイニングテーブルのすぐ横など、飛沫が届く位置は避けたほうが無難です。

加えて、そもそも施工できない・効果が出ない場所があります。

場所 可否 理由
浴室の内部不可常に水がかかる環境には対応していない
屋外・外壁・バルコニー不可内装専用の建材
キッチンのコンロまわり不可油汚れが付きやすくメーカーの施工対象外
押入れ・納戸などの閉鎖空間効果減換気がないと吸った湿気を放出できない
加湿器を直接当てる位置要注意飽和して機能が低下する
洗面室・脱衣室直接水がかかる位置を外せば問題ない

コラム:DIYできる「エコカラット セルフ」は別物です

「エコカラットはDIYできる」という情報を見かけますが、それはマグネット式の「エコカラット セルフ」という別ラインの商品を指しています。通常のエコカラットプラスとは施工方法がまったく違うので、混同しないようご注意ください。

項目 エコカラットプラス(通常) エコカラット セルフ
取り付け専用接着剤で下地に全面接着ベースシートをタッカーで留め、マグネットで固定
取り外し・柄替えできない(下地補修が必要)できる(付替え用の柄あり)
調湿・脱臭機能ありあり
下地の条件下地を整えれば幅広く対応タッカーが留まる壁のみ。コンクリートは不可
面積・デザイン面のかたちに合わせて自由に割付規格サイズのセット単位

使い分けの考え方:「まず小さく試したい」「賃貸で原状回復が必要」ならセルフ。「壁1面をきれいに仕上げたい」「必要面積をしっかり確保したい」なら通常施工です。セルフは規格サイズのセット単位なので、面のかたちに合わせて割り付けることはできません。仕上がりを重視される場合は、施工をご検討ください。

8. 費用と工期の目安

エコカラットの費用は、材料費と施工費を合わせた1㎡あたりの単価に、施工面積を掛けて計算します。単価は選ぶシリーズによって倍近く変わります。

グレード別・㎡単価(材料費+施工費)

スタンダード
13,000〜21,000円
ミドル
15,000〜23,000円
ハイグレード
19,000〜30,000円

スタンダード=フラット・織物調のシリーズ、ミドル=細割り石積み調や縦リブ調、ハイグレード=凹凸の深いラフストーン調が該当します。参考までに、アクセントクロスの㎡単価は1,300〜1,800円です。

施工場所 面積の目安 費用の目安 工期
トイレ(背面1面)1〜1.5㎡約4〜7万円半日
玄関(正面1面)1〜2㎡約5〜9万円半日
洗面室(1面)1.5〜2.5㎡約5〜10万円半日
寝室(ベッド背面1面)3〜5㎡約8〜15万円半日〜1日
LDK(テレビ背面1面)2〜4㎡約8〜18万円半日〜1日
LDK(調湿を狙う面積)5〜8㎡約15〜28万円1日

※費用には材料費・施工費のほか、下地処理、見切り材、養生、諸経費を含みます。面積×単価の計算より高く見えるのはこのためで、特に小面積では最低施工料金の影響が大きくなります。既存クロスの状態によっては、下地調整費が別途必要です。

まとめて依頼したほうが安くなります:職人の出張費・養生・最低施工料金は、1回の工事につき1回分です。「トイレと玄関と洗面室」を別々に頼むと3回分かかりますが、同日にまとめれば1回分で済みます。複数箇所をお考えなら、必ず一度にご相談ください。

なお、費用を考えるうえで見落とされがちなのが「張り替える回数」です。一般的なクロスは、汚れや傷み、模様替えなどをきっかけに張り替えることがあります。一方エコカラットは定期交換を前提とした建材ではないため、長く使用するほど、初期費用の差が相対的に小さくなる場合があります。もっとも、住まい方によって張り替えの頻度は大きく変わりますので、あくまで考え方のひとつとしてお読みください。

9. 場所別・失敗しにくい選び方
場所 主な目的 向いている質感・色 注意点
玄関脱臭・第一印象縦リブ調/深い凹凸。濃色も可上から照らす照明とセットで
トイレ脱臭細割り石積み調。明るめの色濃色は狭く見えることがある
洗面室調湿・カビ対策明るい白・ベージュ水がかかる位置は外す
寝室調湿・結露対策フラット寄り。落ち着いた色ベッドヘッドが当たる高さに注意
LDK意匠性・調湿大判タイル調・ラフストーン調調湿目的なら5㎡以上必要
ペットの部屋脱臭拭きやすいフラット寄り爪が届く高さは避ける
10. よくある後悔と、その避け方

① 面積が足りず、調湿を実感できなかった

いちばん多い後悔です。12畳のLDKにテレビ背面2㎡だけ——見た目は変わりますが、必要面積の半分以下では湿度の変化までは体感できません。第4章の表で、目的に必要な面積を必ず確認してください。予算が届かないなら、思い切ってトイレや玄関に場所を変えるほうが満足度は高くなります。

② 時計や絵を掛けたくなったが、掛けられなかった

施工後に気づいても手遅れです。「この壁に将来何か掛けるか」を打ち合わせ時に必ず考えてください。掛ける可能性があるなら、専用レールを組み込むか、その壁は避ける判断になります。

③ 小さなサンプルで決めたら、壁一面では印象が違った

クロスと同じく面積効果が働きます。加えてエコカラットは凹凸があるため、光の向きによる見え方の差がクロス以上に大きいのが特徴です。必ず現地で、実際の照明をつけた状態と、昼の自然光の両方でサンプルを当てて確認してください。

④ 白を選んだら、汚れが目立った

凹凸の谷にホコリが溜まります。玄関のように土砂が舞う場所、手が触れる高さでは、真っ白よりオフホワイトやベージュのほうが長くきれいに見えます。

⑤ 消臭剤の代わりになると思っていた

エコカラットはにおいの成分を吸着しますが、発生源をなくすものではありません。ゴミやペットトイレの管理、換気は引き続き必要です。「においが軽くなる」であって「無臭になる」ではない、という理解が正確です。

⑥ 分譲マンションで、規約の確認を忘れていた

室内の壁工事は専有部分にあたるため多くの場合は行えますが、管理組合への工事届や、作業可能な曜日・時間帯の指定があるマンションは珍しくありません。着工前に必ず管理規約をご確認ください。

11. よくある質問とまとめ

Q今ある壁紙の上から貼れますか?

A原則として、既存の壁紙を剥がしてから施工します。そのうえで壁紙の浮きや剥がれ、下地の不陸(凹凸)などを確認し、必要に応じてパテ等で下地を整えてから貼っていきます。既存壁の状態によって必要な下地処理が変わるため、事前の現地確認が重要です。お見積りの前に必ず拝見させていただきます。

Q効果はどれくらい持ちますか?

A吸放湿は素材の孔による物理的な作用で、消耗品のフィルターのように定期交換を前提とした建材ではありません。メーカーも「長期間にわたって性能を維持できる」としています。ただしそれは手入れをしなくてよいという意味ではなく、油汚れが付着した場合や、換気が不十分で吸った湿気を放出できない状態では働きが鈍ります。定期的な清掃と換気は続けてください。

QDIYでもできますか?

A通常のエコカラットプラスは、専用接着剤を下地全面に塗って貼るため、DIYには不向きです。目地の通りが少しでもずれると仕上がりに出ますし、割付の計算やカットにも道具が要ります。DIYをお考えなら、マグネット式の「エコカラット セルフ」という別商品が用意されています(タッカーが留まる下地に限る)。ただしサイズと柄は規格のセット単位で、面のかたちに合わせた割付はできません。違いは第7章のコラムにまとめています。

Q賃貸物件でもできますか?

A撤去時に下地補修が必要になるため、原状回復の負担が大きい工事です。借主として施工される場合は、必ず事前に貸主・管理会社の承諾を得てください。一方、オーナー様側からは、においや湿気の出やすい水まわりの差別化として選ばれることがあります。

Q結局、エコカラットとアクセントクロスはどちらを選ぶべきですか?

A判断は1問で済みます。「湿気やにおいで、実際に困っていますか?」——困っているならエコカラット。困っておらず、見た目を変えたいだけならアクセントクロスです。予算が同じなら、クロスのほうが広い面積を変えられるぶん、部屋の印象は大きく動きます。

エコカラットは、壁紙の高級版ではありません。湿気とにおいを吸わせるために貼る、機能のための建材です。単価が壁紙の10倍になるのは、その機能ぶんの価格だと考えてください。

だからこそ、選ぶときの順番は「どこに」「何のために」が先で、色と質感は後です。困りごとがトイレのにおいなら1㎡程度から効果を期待しやすく、LDKの湿気なら5㎡以上の設計が要る。ここを最初に決めておけば、カタログ選びは驚くほど簡単になります。

「うちの場合、貼る価値があるだろうか」と迷ったときは、ぜひ一度ご相談ください。間取りと生活パターンを拝見したうえで、貼らないほうがいい場合は、その理由も含めてお伝えします。エコカラット単体の施工から、内装まわりをまとめて行うリフォーム・リノベーションまで、あわせてご相談いただけます。

リフォーム・リノベーションについて、お気軽にご相談ください

エコカラットの施工はもちろん、内装まわり全体のリフォーム・リノベーションを承ります。間取り・窓の向き・生活パターンを拝見したうえで、貼る面積と商品のご提案からお見積りまで一括で対応します。トイレ1面だけの小さな工事でも承ります。

※本記事の費用・工期は上記出典および弊社が取り扱った工事をもとにした目安であり、施工場所の形状・天井高・下地の状態・商品グレードにより変動します。メーカー価格は改定される場合があります。★評価および質感・印象に関する記述は、弊社の仲介およびリフォーム現場での感覚に基づく目安です。掲載画像は、エコカラットを施工したときの見え方を分かりやすくするためのイメージであり、実際の仕上がりは商品・照明・窓の向き・撮影条件により異なります。調湿・脱臭・有害物質低減の各性能はメーカー公表の試験条件下での値であり、実際の住空間での体感には、部屋の広さ・換気状況・施工面積が影響します。分譲マンションで工事を行う場合は、事前に管理規約および管理組合への届出の要否をご確認ください。賃貸住宅の場合は、賃貸借契約の内容をご確認のうえ、必要に応じて貸主・管理会社の承諾を得てください。

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